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どこにいてもオフィスです【書評】中谷健一(著)『「どこでもオフィス」仕事術』(ダイヤモンド社)

「どこでもオフィス」仕事術―効率・集中・アイデアを生む「ノマドワーキング」実践法

「どこでもオフィス」仕事術―効率・集中・アイデアを生む「ノマドワーキング」実践法

  • 作者:中谷 健一
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/06/04
  • メディア: 単行本
 

仕事で外回りが多い人はもちろん。
もっと知的生産力をアップしたい人にもテクニック満載の本書。

本書を読んで農耕民から遊牧民へ知的生産活動の幅を柔軟に広げてみるのはいかが?

【目次】

はじめに
CHAPTER 01 会社員でも実践できる「ノマドワーキング」
CHAPTER 02 ノマドワーキングの「基本ツール」
CHAPTER 03 「オフィス環境」の選び方
CHAPTER 04 「デジタル管理」で情報は活用できる
CHAPTER 05 仕事とオフィスの「マッチング」
CHAPTER 06 働き方を進化させる「クラウド活用術」
あとがき

【ポイント&レバレッジメモ】
★「集中の法則」・・・集中力は場所を変えることによって、ある程度コントロールできる
⇒ 仕事の内容や身体サイクルに応じて働く場所を意図的に変えることができれば、より快適により効率的に仕事ができる

★ノマドワーカーの「ロケーションフリー」2つの意味
①ネットワークにつながったIT環境を活用して仕事の場所(物理的なロケーション)から自由であること。
②自分の肩書(所属先のロケーション)を選んだり変えたりすることの自由。

★「基本ツール」
◇ノマドワーキング3大基本ツール
①ノートPC・・・「軽くて丈夫」「バッテリーの持ちがいい」ことが条件 ⇒ 著者オススメはレッツノート

②スマートフォン

 スマートフォンは、いわば「PCの窓」のように使うのがお勧めです。電車の中やちょっとした移動時間に、PCを立ち上げることなく歩きながらでもスマートフォンの画面を通して、資料やメールの内容、スケジュールまであっという間に確認することができます。

③ノート

例えばクライアントとの打ち合わせで素早くメモしたいという時、パソコンの電池レベルが心もとないとき、製品の模式図を絵にかいたりする時などには、無理してデジタルツールを使うより、ノートに手書きメモするほうが圧倒的にラクです。

★気になるツール
◇ノートに使うお勧めペン・・マルチ8

ぺんてる マルチ8セット  PH802ST  色芯8色

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  • メディア: オフィス用品
 

◇LEGOブロック

レゴ (LEGO) 基本セット 青いバケツ 7335

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  • 発売日: 2006/02/07
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

◇「オンラインストレージ」サービス
Dropbox
SugarSync
ZumoDrive
等々、それぞれの特徴は本書で

★「オフィス環境」
◇仕事とオフィス(サードプレイス)のマッチングを考える
①右脳系の仕事(プレゼン資料の作成など、イメージや直感を大切にしたい仕事)
②左脳系の仕事(見積もりの作成など、論理的で緻密な作業が必要な仕事)
③コミュニケーション系の仕事(打ち合わせなど、他人とやり取りする仕事)

★「デジタル管理」
◇情報のサイクル・・・CSESサイクル
①キャプチャー Capture(記録)・・・デジタルで記録する
②ストック Stock(保存)・・・資料を取り出し(検索し)やすいように情報をためる
③エディット Edit(編集)・・・ストックした情報を編集する
④シェア Share(共有)・・・情報の共有 1、他の人と情報を共有すること 2、複数のデバイスで情報を共有すること

★自分にとって「調子のいいオフィス」をいくつか持つ
◇オフィス・マクドナルド・・・右脳系の仕事場

 都心にあるマクドナルドの多くは、24時間営業の店舗です。客層は時間帯によっても異なりますが、多くの場合、深夜は夜のお仕事の方々やフリーター、早朝からはビジネスパーソンが使っています。そこはまさに現代の「井戸端」。老若男女も国籍も超えたボーダレスな世界です。マーケティングの仕事に携わる人にとっては、これほどの刺激スポットはありません。

◇オフィス・ファミリーレストラン・・・左脳系の仕事場

ドリンクバーには楽しみがあります。集中したいときには冷たい炭酸系、集中が切れた時には温かいコーヒー、小腹がすいたらスープ、などとその時の気分に合わせて飲み物を自由に変えることができます。

◇オフィス・新幹線・・・左脳系&右脳系

 最新の新幹線N700系は、「移動空間をいつものオフィス環境に」というコンセプトで設計されており、ビジネスパーソンが快適に仕事できる環境が用意されています。東京~新大阪間は、無線LANサービスを提供しており、テーブルはノートPCがきちんと収まるサイズに設計され、電源も各列両端(窓際)に一つ用意されています。

◇オフィス・ホーム・・・万能型

 オフィス・ホームの良さは、なんといっても自分好みに環境をカスタマイズできること。イスやデスクもそうですが、デスクトップ派ならPC本体、およびキーボードやマウスなどの周辺機器も自分が使いやすいものを用意できます。これが一番の強みです。仕事が集中できる環境をどうつくるのかは、自分次第というわけです。

【感想など】
「ノマドワーキング」
この言葉、最近徐々に市民権を得てきていますねぇ。

通信インフラの整備と働き方の多様化が浸透してきた結果だと思いますが、まだまだ日本中のビジネスパーソンを見渡せば、「ノマドワーキング」を実行しているのはごく限られた人たちだと思います。

外回りや出張が多い営業さんとか、チェーン展開している企業のマネージャーさんとか。

その他大多数のビジネスパーソンにとっては、オフィスのデスクで仕事をするというのがまだまだ“鉄のオキテ”でしょう。

かく言うワタクシもそのうちの一人。
しかも、かなりきつくがんじがらめに縛りつけられております(笑)。
個人のPCもUSBメモリーも持ち込み・持ち出しともにできないし、オンラインストレージサービスもG-Mailも使用禁止。

ですから、本書の様なテーマの本を読むとき、「いいなぁ」という憧れと、「俺にはできないよな」という諦めの気持ちを持って読んでしまうのです。

ですが、本書の冒頭部分の一節

労働形態はフリーランスやアントレプレナー(企業家)でなくても、その精神においてフリーランスであるという会社員に対して、この本はすぐに実践できる方法をたくさん紹介していきます。

にまず感動。

「そっか、精神においてフリーランスか!」、それならワタクシと同じように職場に縛り付けられている人たちにも取り入れられるところがあるはず。

それにワタクシは仕事じゃないけどブロガーとしてはフリーランスに活動しているわけで、ブロガーとしての立場から読んでみても面白いのではないかと。

ということで読み進めていくと色々と発見がありました。

まず一つ目が

 ノマドワーキングは、必ずしも個人プレーを助長するものではありません。仕事のパフォーマンスを高める手法ではありますが、好き勝手に働くことを目指しているのではなく、個人のモチベーションと作業効率を最大化することで、場所や所属に縛られない新しいチームプレーを可能にする働き方なのです。

つまりチームの物理的空間的制約がなくなることでパフォーマンスが上がる

言われてみればワタクシも思い当たる点が多々あります。
急いで上司の決裁が欲しいのに、そんな時に限って出張でいなかったり。
こういうことありますよね。

ノマドワーキングは物理的空間的にはチームがバラバラでも、その分逆にネット等で強固につながっているため、かえってスピーディーに仕事が進行できるのではないかと思います。

そういうところ、上司も早く気付けよ!(←心の叫び)

それから、意外だったのは

 一般的に欧米諸国では、平日でも家族の時間を大事にしており、日本のように残業を積極的にする人はそれほど多くありません。それが可能になるのは、実は仕事を家庭に持ち込んでいるからなのです。欧米でも第一線でバリバリ活躍している人は、日本以上に仕事を家に持ち込んでいます。
つまり、仕事をオフィス・ホームに持ち帰ることで、家族との食事時間を確保しているのです。仕事はその後の空いた時間で処理する。こうすることでワークライフバランスを確立できるのです。

そうだったんですか、“日本人の単位時間当たりの知的生産力が欧米に比べて低い”ということはこれまで何度か聞いたことがありましたが、欧米のビジネスパーソンはそういう努力をしていたのですね。

ただ、それが当たり前となってしまうことには抵抗感があります。
ワタクシ個人的には就業時間内に仕事は終えて、その他の時間は自己投資にあてたいですからね。

さて、ワタクシにとって本書で最大の収穫は

集中力は場所を変えることによって、ある程度コントロールできる

という考え方でした。

著者は仕事を大きく、①右脳系 ②左脳系 ③コミュニケーション系 の3つに分けています。
そしてそれぞれに適した“仕事場”を選ぶことによって集中力をコントロールしようと提唱しています。

おそらく皆さんも経験的に、この3種類の仕事内容に向き不向きの場所があるということは気がついていらしたのではないでしょうか。

この3種類の仕事をいつも同じオフィスのデスクに貼りついてする事が果たして効率がいいのか?と言われれば、確かに疑問です。

例えばワタクシの場合、本を集中して読みたいときは近所のショッピングモールのファーストフードコーナーが一番集中できます。

調べ物の時はやはり図書館ですね。

インプットに関しては、少しザワザワしているぐらいの方が集中できます。

逆にブログ記事のアイデアは犬の散歩中、記事をまとめるといったアウトプットは、PCがないとできないという縛りはあるものの、自宅の机でといった具合に完全に一人きりの環境でないと集中できないようです。

まず、自分にとって、3つの仕事と環境のマッチングを探してみること。
そして、ベストなマッチングが見つかったら意図的にそれを使い分けてみること。

そうすることで、オフィス一辺倒の時より仕事の質を向上できるのではないでしょうか。

さて、蛇足ながら本書を読んで残念だった点をいくつか。
①iPadは?
本書が出版されたあとにiPadが発売になったので当然登場するはずはないのですが、個人的にはiPadを使った「ノマドワーキング術」を今後期待したいですね。

ただ、中谷さんがレッツノートで行うお仕事は資料や文書作成が中心のようですので、そういった方はノートPC。
逆にプレゼンテーションが中心のノマドワーカーはiPadといったように使い分けはされるでしょう。

まぁ、「iPadノマドワーキング術」といった本が出るのは時間の問題でしょうけど。
(美崎さんが書くだろうな)

②喫茶室ルノアールってなに?
本書には著者が利用している「サードプレイス」が、その長所と短所もあわせていくつか紹介されていますが、田舎者には馴染みのないものも。

まず、ルノアールって見たことありません。
本書を読むとすごく利用したくなるのですが、無いなぁ。柚子ティー飲んでみたいなぁ。

それにスタバドトールも車で1時間ぐらい行かないとありゃしません。

ついでに言うと、オフィス・パークは田舎ほど少ないのです。
東京って緑が少ないっていいますが、防災上の問題から公園が多く設けられています。
もっとも、うちの田舎は一歩玄関から出ればすべて公園みたいなものですが(笑)

③オフィス・営業車
本書には登場しませんが、実は田舎の「ノマドワーカー」の主力オフィスは“車”なのです。
移動はもちろん、資料の確認や修正、そしてお昼の食事までも車でこなしています。

お昼時に、幹線道路沿いのコンビニの駐車場を観察すれば必ず営業車でコンビニ弁当を食べながら資料に目を通すビジネスパーソンを見つけられます。

“オフィス・営業車”でいかに生産性をあげるかが田舎のビジネスパーソンの課題なのです。(←これ、もしかしてビジネス書のテーマになるんでない?)

いろいろ好き勝手に書いてきましたが、
ノマドワーカーの皆さんには即戦力なアイデア満載。

そしてノマドになれない人にも、知的生産性を向上するヒントが満載の一冊です。
「サードプレイス」を幾つ確保できるか!

一読の価値あり!

「どこでもオフィス」仕事術―効率・集中・アイデアを生む「ノマドワーキング」実践法

「どこでもオフィス」仕事術―効率・集中・アイデアを生む「ノマドワーキング」実践法

  • 作者:中谷 健一
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/06/04
  • メディア: 単行本
 

本書はダイヤモンド社編集者 市川有人様 @yujin_ichikawaから献本していただきました。
ありがとうございました。

【おまけ】
本書にレゴブロックのiPhoneスタンドが登場していたのでワタクシも子どものブロックを取り上げてちょっと遊んでみました。
何十年ぶりでブロックで遊んだけど、これ楽しいわ。

まずはオーソドックスに
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アーチタイプのブロックもあったので使ってみました。

そしてこれはモービルタイプ(笑)
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ソフトバンクといえば“お父さん犬”ですよね。
白いワンコバージョンです。
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セキュリティー万全タイプ
ドアを開けてiPhone操作!ってムリムリ。悪ノリしすぎました。
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で、最後にiPhoneのスタンドができるならiPadのスタンドもブロックで作成してみようと作ってみました。
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ラクダバージョンです。
しかしiPadは大きくて重いのでこのあと後ろにひっくり返ってしまいました。
iPadは専用のドックがよろしいかと・・・。

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  • メディア: 新書
 

【管理人の独り言】
本書公式サイト 「どこでもオフィス」仕事術では、ツールやサードプレイスが紹介されています。

また、皆さんの「どこでも仕事術」を募集しています。

ぜひ覗いてみてください。

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