かつて、星野監督は金本に「迷った時は一歩前に出ろ」と言って口説き落とし、阪神への移籍を実現しました。
“断らず、一歩前に出る”その行為がどれほど大切なことか、どれほど可能性を秘めているのか。
そしてこれからの時代の究極のサバイバル術であることを教えられます。
【目次】
はじめに
講義1日目 「向いてる仕事がわからない」なら、断るな!
講義2日目 「才能を認めさせたい」なら、断るな!
講義3日目 「毎日がつまらない」なら、断るな!
講義4日目 「将来に不安を感じるなら」、断るな!
講義5日目 「やれる自信がない」なら、断るな!
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★自分は「探す」ものではなく「出会うもの」
僕には、自分は「探す」ものではなく、「出会う」ものという持論があります。計画通りに進む人生など、面白くもありませんし、そもそも、自分の思い通りに進まないからこそ、人生なのです。前に進んでいく過程で、意外な自分に出会い、思いも寄らなぬ人生が展開していくのです。
★「断らない」ことで、自分では思いもしなかった才能を発見できる
〇「自分で考える自分」ほど、当てにならないものはない ⇒ 自分のことを一番よく知っているのは「他人」だったりする
〇頼まれた「理由」の中に、才能の芽がある
「自分は、なぜ誘われるのか?なぜ頼まれるのか?」を考えてみましょう。
そこには、必ず何か理由があるはずです。そして、その理由の部分にこそ、あなた自身も気付いていない才能の芽が隠されているかもしれないのです。
★キャリアドリフト
キャリアドリフトは、流れに身を任せて、文字通り「キャリアの海を漂流する」ことを楽しむ感じです。流れに任せて漂流していくうちに、面白いと感じる仕事に巡り合うという感じですね。
★「誰もが敬遠する仕事」は、基礎点が高い
「誰もが敬遠する仕事」というのは、意外に価値の高いキャリアにつながることがあるのです。それに、断らずに引き受けてくれたという段階で、お願いしたほうは、いつも以上に感謝の気持ちを持ちますから、通常の仕事よりも、そもそも点数が高い位置からスタートできます。
★「代替」の利かない存在になれば、心の自由が手に入る
僕は、ビジネスの世界で生きるということは、不自由から解き放たれて、自由を獲得するための戦いだと思っています。そのためにも、特定の会社に限らず、世の中から必要とされる付加価値を身につける必要があります。
人材価値が高まれば、一つの会社に縛られる生き方から解放されます。
「いざとなったら、今の会社を辞めても、どこでもやっていける」と思えさせすれば、心の自由が手に入るのです。
★飛び込まない人に「犬かき」を笑う資格なし
「やりたいこと」や「自分に合った仕事」というものは、頭で考えるものではなく、体を動かし、前に進む中で、出くわしていく
★「ギブ・アンド・ギブ」の精神が、真の人脈を築く
誰かが喜んでくれることは、どんどんやっていけばいいのです。
人や世の中のためになることをやっていると、不思議なことに、いざ自分が困ったときにも、必ず同じように誰かが手を差し伸べて、自然と引き上げてくれるものです。
大切なのは、「見返りを求める気持ち」ではなく、「役に立ちたい」という姿勢です。「ギブ・アンド・テイク」の関係は、「ギブ」も「テイク」も、どちらか一方でもなくなってしまえば、成立しない関係ですが、「ギブ・アンド・ギブ」は、自分が意識しさえすれば、とことんやり続けられます。
★「急な誘い」にこそ福がある
「急な誘い」には、人生を予定調和に終わらせない何か不思議な力があるような気がします。<中略>
「急な誘い」には、「急だけど、どうしても来てほしい」という相手の強い気持ちや、理屈ではない直感の様なものが入っている場合が多いように感じるのです。
だからこそ、「急な誘い」には福があり、むげに断らないほうがいいと思うのです。
★学習的充実感
目の前に次々と現れる依頼を断らずにやり遂げて、小さな達成感を積み上げていくと、それが癖になって、たとえ困難なことが起きても、その困難なことに挑戦したくてしょうがなくなる。これが、「学習的充実感」なのだそうです。
逆に、断ってばかりだと、今度はそれが癖になり、チャレンジ精神も失われていく恐れがあります。
★「やるか、やらないか」迷ったら、前に進め
「どうしようかな?」と思ったら、理屈抜きに、無理やりにでも行動して、「前に出る」ことを自分自身に義務付けるのです。
「迷ったら、一歩前に出る」という言葉を呪文のように、自分に言い聞かせていたら、本当に迷ったときに、条件反射的に体が前に出るようになります。そうなったら、しめたものです。僕は、たとえ失敗に終わったとしても、「やらなかったことより、やったことのほうに意味がある」と思っています。
【感想など】
「断らない」、大賛成です!
ワタクシも、「損得勘定抜き、頼まれたことは断らない」をできるかぎり実践しています。
著者の田中和彦さんと比べれば、社会人としてたいした実績はないですが、ワタクシのつたない社会人としての経験から導き出した“仕事がうまくいく法則”の一つが「断らない」でした。
ここで誤解されないように、「断らない」とはどういうことか?を、まずは著者の言葉を借りて説明しておきます。
誤解してほしくないのは、どんなものに対しても、断らないほうがいいと言っているわけではないということです。信念や価値観に反することまで、すべてを受け入れることはありません。
まずこれは当然ですよね。何でもかんでも断らないわけではありません。
「断らない」と「断れない」は、決定的に違う
「断らない」には、個人的な意思が存在していますが、「断れない」には、意思が感じられません。「断らない」が、能動的であるのに対して、「断れない」は、受動的です。
「断れない」から引き受けるのでもありません。
もしそんなことをしたら、それこそ社畜ですよ。
では「断らない」の新の目的、戦略とは?
「断らない生き方」の本質は、「自分以外の何かを積極的に利用することで、自分の想像力や行動範囲を飛び越えたところに到達すること」
つまり「断らない」ことで有形無形のチャンスを人がパスしてくれるようになり、自分ひとりでは成し遂げることができないようなことを現実化して実績を残す。
そして次のステージへ登っていく。
「断らない選択」は、受け身で他力本願なものではなく、「新しい自分」を発見するための、極めて能動的で攻撃的な手段ということができます。
極めて積極的な成功のための手段が「断らない」ことなんです。
ワタクシの場合は、そこまで戦略的に考えて「断らない」わけではなし、別のステージが広がって転職!というところにも結び付いていません。
ただ、困ったときに周りの協力がすごく得られるというのは感じます。
特に面白いのは、同じ部署の同僚より他部署の人が助け船を出してくれたり、どこで聞きつけたのか上司が「大変らしいな、大丈夫か?」と気遣ってくれたり。
余分な仕事を引き受けてるのは自分なのに、逆に周りに「本当にありがたいなぁ」と感謝してしまう経験っていいですよね?
「断らない」ことが職場の人間関係を円滑にし、良好な人間関係がいい仕事につながる。
そしていい仕事をすればまたお願いされて・・・
というすごくいいスパイラルが発生しています。
そんなワタクシの経験から言わせてもらえれば、この本、若いビジネスパーソンに是非読んでほしい。
というのも、ワタクシの職場の若手を見ていて「もったいないなぁ」と思うシーンがちらほら目につくのです。
ロストジェネレーションとひとくくりにするのはいけないのでしょうが、厳しい時代を生きてきたからか防衛本能が高すぎるのではないかと。
そしてなにより、「なんで若いのに仕事をより好みするの?」と。
そこから広がる可能性を自ら潰している。
本当にもったいないですね。
まず“プロの社会人になるために”この本を読んでほしい。
そして一龍から魔法の言葉をプレゼントします。
居酒屋やすし屋で注文すると帰ってくるフレーズ
「はい、喜んで!」
これは仕事も人間関係も人生もうまくいく魔法の言葉です。
ぜひこの言葉を口癖にしてください。きっと人生が変わりますよ!
わかった?返事は?
「はい、喜んで!」
本書は徳間書店様より献本していただきました。
ありがとうございました。
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