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遊びをせんとや生まれけむ【書評】美崎栄一郎(著)『仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか』(実業之日本社)

 

仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか

仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか

  • 作者:美崎 栄一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 単行本
 

 

<楽天ブックスへのリンクはこちら> 『仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか』

9月の話題本3冊、ダダ・モレ・ベン
唯一この本だけ紹介しそびれておりました。
遅まきながらご紹介。

 

【目次】

はじめに
第1章 「あそび」があるからチャンスをモノにできる!
第2章 時間の「あそび」をつくる!
第3章 空間の「あそび」をつくる!
第4章 人間関係の「あそび」をつくる!
第5章 結果を出すためには「ストレッチ」も必要!
終章 人生の「あそび」をつくろう!
おわりに
応援・ご協力ありがとうございました!

【ポイント&レバレッジメモ】
■時間の「あそび」
★1週間(週休2日として5日間)のうち20%、つまり1日分を何もしない時間として開けておく

 チャンスはいつ来るかわかりません。チャンスが訪れたときに、その決定機を逃さないために、チャンスに対応する時間をあらかじめ確保しておくのです。

★仕事のやり方を再設計する

 これまで「8時間×5日=40時間」かかっていた仕事を4日間でこなす。つまり、「8時間×4日=32時間」でこなすのですから、仕事の効率を25%アップさせなければなりません。今までの仕事を4日間でこなせるように仕事の時間割を組み替えるのです。

★不要な時間を洗い出す

「私の観察によれば、成果を上げる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける」(ドラッカー)

 

 

★「バッファー」=時間の「あそび」は半日単位での確保が最低ライン

 (「あそび」8時間を)あまり細分化するとこま切れ時間の活用のようになってしまうので、注意が必要です。仮に、バッファーを分けすぎて毎日90分ずつくらいの時間をとった場合、気をつけないと、至急やってくるこま切れな雑用だけをこなす便利屋さんになってしまいがちです。
 90分でできる仕事は、残業すればだれでもできる仕事ですよね。大きなチャンスにはなりません。

■空間の「あそび」
★「机の上が散らかっている人は頭の中も散らかっている」(佐藤可士和)

佐藤可士和の超整理術 佐藤可士和の超整理術
(2007/09/15)
佐藤 可士和

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⇒ 空間の余白には、人が無意識にやっていることが実は投影されているのです。

★ワークスペースの20%をあけておく

 ワークスペースの20%はあけておく必要があるのは、仕事が形になったものは、入ってくる時間より、処理する時間が圧倒的に長くかかり、いったんは物理的な場所を占有してしまうものだからです。<中略>
 書類をもらうの時間は一瞬ですが、それを読む(=処理する)時間がかかるのです。
 処理するための時間が「見える化」されているのが仕事のワークスペースの余裕といえます。あいている空間を20%程度つくることで、仕事を処理する時間を少し後ろに先延ばしすることができるわけです。

★ノートの余白

 ノートの余白は、成長する「余地」を残しているのです。追記のためです。
 考えれば考えるだけ、いいアイデアになります。前の記録の上に、さらに追記していくことで、考えは成長・進化していくのです。 ⇒ 空間に「余地」があるとその空間を使って成長することができる

■人間関係の「あそび」
★人間関係の「あそび」とは距離感のこと

”べったり”ばかりの人間関係では、疲れてしまいます。だからといって、”あっさり”ばかりの人間関係も、つまらない。

 仕事のクオリティは、「人」によって決まります。テクニックや経営資源以上に大事なことは、人です。人のやる気が一番の仕事のクオリティを決める。
 そして、人をやる気にさせたり、やる気を削いだりしているのも、人。
 よい仕事をするためにいちばん重要なのは、よい仲間をつくることなのです。
 仲間を創るためには、距離的な「あそび」が必要となります。

【感想など】
先日御紹介した

 

断らない人は、なぜか仕事がうまくいく

断らない人は、なぜか仕事がうまくいく

  • 作者:田中和彦
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2010/08/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

では、”依頼された仕事を断らないことでチャンスをつかむ”ということが説かれていましたが、そういった依頼はえてして突然やって来るもの。

忙しい日常業務の中でどうやって突然の“チャンスのパス”をゴールに結びつけるのか。
その答えが本書にあります。

しかもそれは非常にシンプル。
突然の依頼に対応できるように、「スケジュール上に20%を空白をあけておく」というもの。
そしてこの「空白」こそが「あそび」なのです。

しかしこれ、実際には相当難しいですよね。
業種によっては1日何の予定も入れない日を創ることが最初から無理な人もいるでしょう。
(というかその方が多数派。ワタクシも無理だなぁ)

ただ、考え方には賛成です。

美崎さんは「あそび」の時間がコマ切れになってはいけないとおっしゃってますが、本書に書かれているような時短法(?)を駆使して通常業務の圧縮を図り、コマ切れでもなんでもいいから、とにかく「あそび」の時間を少しでも拡張する努力は意味があることだと思いますからね。

「あそび」の時間で突然依頼された仕事に答えるのもよし、勤務時間内で仕事を終えてアフター5を社外の「あそび」にあてるもよし(これはライフワークバランスの考え方)。

いずれにしても「あそび」の充実が人生の充実につながる。
それは確かな気がします。

そういえば、本書では、

「余白」「空白」「余裕」「間」「距離感」「冷却期間」「シミュレーション」「裏側」「余地」「こだわり」
「ゲーム」「訓練」

といった単語に「あそび」というルビが振られていました。
「時間」「空間」「人間関係」と、あらゆる場面で「あそび」を意識しているからでしょう。

さらに、美崎さんは本書の中で

「あそび」と娯楽としての「遊び」、いわゆる「PLAY」とはちがう

とおっしゃってます。

確かにそうだと思いますが、ワタクシは本書を読みながら、「あそび」と「遊び」はかなりニアリーイコールなのではないかとも思ってしまいました。

もっと言えば、ある特性を持った人種(?)にとっては、人生そのものが「あそび」なのかもしれません。

その特性とは「苦しい、面倒くさいことほど楽しんでやってやろうと考えられる資質」だと思うのです。

著者の美崎さんも間違いなくこの人種の一人でしょう。
本書の製作過程はダダ本会議として一般公開され、Ustでも中継されていました。
ワタクシも中継をほぼ毎回見、1度は実際に会議を観覧させてもらいました。

本を書く行為自体、大変な作業なのに、一般公開し、多数の人を巻き込んで楽しんでしまう発想にはただただ脱帽です。

しかも真剣で楽しそう。
それに出来上がった本にも「あそび」が満載。

勉子さんの4コマの4コマ目とか
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QRコードとか
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ニコちゃんマークとか
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ここまで真剣に「あそび」にこだわると、もはや「遊びをせんとや生まれけむ」の境地。
仕事術本のはずなのに、人生の「余白」とか、仕事との「距離感」なんてことまで考えてしまった一冊でした。

「あそび」、奥が深いです。

 

仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか

仕事ができる人はなぜ「あそび」を大事にするのか

  • 作者:美崎 栄一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 単行本
 

 

【管理人の独り言】
今日ご紹介した本の巻末に応援ということで名前を載せていただきました。
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写真では小さくて見えないのですが(うちのカメラ、接写ができないのでスミマセヌ)。

ダダ本会議でお会いした皆様、その節は大変ありがとうございました。
ダダ本会から誕生したこの本、楽しんで読ませていただきました。

本の制作過程を知ることっができるだけでも、本好きにとっては楽しい経験だったのに、多くの人との出会いも経験でき、ワタクシにとって思い出に残る1冊となりました。

2 COMMENTS

睦五郎

山田さんでしたっけ?
現代風にアレンジしたら
似ていますよ!
あれから女子勉マシュマロマンは
あんよが完成しました。
これからおなかにかかります。
可愛いですよ。女子勉マシュマロマン。

返信する
一龍

睦五郎様
そうです、山田さんですよ。
初期のころの鬼太郎ではもっと顔が細長くて表紙の男性によく似てます。
マシュマロ勉子制作中なんですね。
楽しみにしています。

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