今回は【書評】ではありません。
ワタクシは、
同世代、野球好き、アンチ巨人そして清原和弘という稀有のバッターのファンとして、純粋に涙しながら読ませていただきました。
みなさんもとやかく考えずに読んでいただければ結構かと・・・
ただそれではブログの記事になりませんので、今回はこんな読み方はどうでしょうというご提案。
それにしても、この表紙・・・イカツイわ
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==== ◇成功本として読んでみる
まずはいちばん当ブログ的な読み方、成功本のエッセンスに照らし合わせて読んでみる。
すると、プロに入るまでの清原選手は自然と成功哲学の王道を実践したいたことがわかります。
①恵まれた体以上に、ずば抜けた練習量と努力
バッティングのことばかり考えていると、バットを振っている夢を見るようになる。バッティングのアイデアを思いつくのも、たいていそういう時だ。「バットはこう振ればいいんだ!」と、夢の中で思いついて夜中に目覚めた時に枕もとにバットがあれば、バットを振ってそれを確かめられる。それをやらないと、せっかくいいアイデアが浮かんでも、翌朝には忘れてしまう。
人に与えられた時間は、1日24時間しかない。それは誰だって同じなわけで、その24時間でどれだけ自分を成長させられるかが勝負なのだ。
野球雑誌に王選手のバッティングの分解写真が掲載されれば、切り抜いて部屋に貼った。眺めるためではない。(王選手は左利きだから)鏡に映して、そのフォームを真似して自分のものにしようとした。
②メンターの存在
岸和田リトルリーグの監督の栄川良秀さんとコーチの及川宣士さん。
素晴らしい師との出会い。この二人に早い時期に基礎をしっかり叩き込まれている。
そして憧れであり目標であった王貞治さん。
③終生のライバル、桑田真澄の存在
普通に言うなら、戦友であり、ともと呼ぶべき存在だ。
けれど、真の友は飴であるよりむしろ鞭だ。
④はっきりした目標のイメージング
だから僕の問題は、(プロの)選手になれるかどうかではなく、どんな選手になるかだった。
良き指導者、目標、ライバル、そして運。
すべてがそろって、成功への最短距離を走ったことがわかります。
◇アニキと比較して読む
非常に対照的な選手がいる。
阪神タイガース金本知憲である。
この二人、年は1歳しか違わないが何もかも対照的な選手。
清原選手が、生まれながらの恵まれた体。甲子園5回出場、優勝もしたスター。プロ一年目でホームラン30本越え。西武ライオンズ黄金期を支える。
それに対して金本選手は無名の選手から広島に4位入団。猛練習の末、3年目から徐々に頭角を現す。
そしてさらに対照的なのは、後半の選手生活がケガに泣かされ、ボロボロになって引退した清原選手に対して、まだ現役を続け、タイガースの4番バッターとして活躍し、フルイニング出場記録を更新中の金本選手。
も一緒に読んで比較してみると面白い。
成功はつかむより維持することが難しいということ。
成功とは長期的視野に立って考えるべきであること、がよくわかる。
もし清原選手が若い時からアニキのようなトレーニングをしていたら今も現役で活躍し、王さんを抜いていたかも・・・と考えるのはワタクシだけでしょうか?
ついでに言うと、この二人、野球観も対照的。
4番バッターについては二人とも
相手ピッチャーが好調で味方が攻めあぐねているときの一発、敵を突き放すためのとどめの一発、そしてどうしても勝たねばならない試合での一発。それを打つのが、4番打者の役割だと思っていた。 (男道)
という考えをもっているが、清原選手があくまで「ホームランとその飛距離」にこだわったのに対して、金本選手のこだわりは「チームの勝利」。
これは野球ファンとしては甲乙つけがたいのだが、ビジネスパーソンとして考えればどちらを選べばより成功につながるかは、当ブログの読者ならお分かりだと思う。
◇有終の美、引き際の美学
一流アスリートの引退には2つのタイプがあります。
清原選手や桑田投手のように、ボロボロになるまで続けてやめていくタイプ。
そして選手としてまだやれるのに余力を残していい時期にやめるタイプ。
これは本書でもよく出てくる王貞治さんが良い例。
現役最後の年に30本ホームラン打っていながら「自分のバッティングができなくなった」ことを理由に引退されました。
カッコ良すぎですよ。この引退の仕方は超一流のアスリートにしか許されないものかもしれません。
さて、二つの引き際、いろいろ意見の分かれるところだと思いますが、ワタクシはこればっかりは他人がとやかく言うことではないと思っています。
ただ、個人的には最後まで自分の限界に挑戦するアスリートが好き。
なので、昨年清原選手が一軍の試合に戻ってきた時は本当に感動しました。
タイガースの金本選手、楽天の山崎選手などアラフォー選手が活躍するとワタクシのようなオッサンは嬉しくてしょうがない。ぜひ一日も長くグラウンドに立ってほしい。
サッカーでいえばキングカズ。還暦までやってほしいですね。
◇最後に個人的に
ワタクシが清原選手のファンになったのは
1987年の西武対巨人の日本シリーズ第6戦。
3勝2敗で王手をかけた西武が3対1でリードして9回表。
ファーストを守っている清原選手の涙を見てから。そう、彼は試合が終わる前から泣きだしたのでした。
もう彼の雄姿が見れないのかと思うと本当にさみしい。
正月のバラエティー番組にゲスト出演している彼を見たが、ワタクシが見たいのはスーツ姿の彼ではない。
とりあえず、今は、長い間お疲れさま、そしてありがとうと言いたい。
しかし、本当に望むのは、ユニフォームを着てベンチで指揮をとる清原和博の姿をみることである。