どうして今までこういう本がなかったのか?
耳を使ったインプット(勉強)に関して、
理論・ソフト・ハードの全領域の情報を総合的にカバーし、
なおかつ具体的に実践方法を説いた本は、
この本が初めてである!
と言ってしまおう。(←バリの兄貴風)
【目次】
第1章 私たちは五感で勉強している
1何のために勉強するのか?
2 勉強の「4つの要素」
3/ なぜ聴覚が勉強の役に立つのか
第2章 音で脳の個性を活かす
1脳の個性を活かす勉強法とは
2 脳の機能を知る
3 ディスレクシアに学ぶ脳の学習プロセス
4 自分の得意な感覚を生かす
第3章 耳勉強法を始めよう
1耳勉強法とは「聴覚マネジメント」
2 耳勉強法 5つのメリット
3 〈耳勉強法の基礎知識〉オーディオブックの種類・聴き方・テクニック 他
第4章 耳勉強法を実践しよう
1MP3プレーヤーを手に入れよう
2 オーディオブックサービスを選ぶ
3 ソフトウェアを揃える
付録 著者がおすすめするオーディオブック
1日本語オーディオブック編
2英語オーディオブック編
3ラジオ番組編
4ポッドキャスト編
【ポイント&レバレッジメモ】
◇勉強することの意味 ⇒ 「勉強とは、自分が幸せになるためにするもの」
◇「勉強」の4つの構成
①情報源(Resource)
②情報の入力(Input)
③情報の記憶(Memorize) ⇒ 「記銘→保持→想起」
④情報、行動の出力(Output) ⇒ 自分の知識が足りないということに気づける
◇RIMOサイクルを意識して勉強の効果を上げる
①Resource(情報源) → ②Input(入力) → ③Memorize(記憶) → ④Output(出力) → ①へもどる ⇒ ポイントは良いアウトプットツールをもつこと
◇思考はすべて「言葉」によって行われており、言葉で思考しない人間はいません。
◇「勉強」と「聴覚」の関係
会話は最初に聴覚野で処理される。聴覚野は「言葉」にかかわる情報=「考える」という行為そのものに関わっている
◇「音韻表象」・・・自分の声をイメージする現象 ⇒ 文字情報は一度音声情報に変換されてから、言語情報として処理される
◇聴覚は、情報の入力(インプット)のためだけに使われるのではなく、私たちの思考そのものに深くかかわる感覚
◇脳と身体の性能に関しては鍛えることが可能 ⇒ 脳の個性は、勉強することで育成できる
◇リスニング能力の訓練(言葉を耳からたくさん入れる)によって、リーディング能力が上がる
★耳勉強法・・・聴覚を活用した勉強法
◇「聴覚の管理=聴覚マネジメント」・・・いわゆる「オーディオブック」を使うだけでなく、求める勉強の環境や成果によっては音楽を使ったり、無音状態を作るといったこともする。 ⇒ 聴覚で処理しなければならない音声情報を、私たちが求める結果や環境に合わせて最適化する
◇耳勉強法の3大テクニック
①耳から勉強に関係する情報を入力する
②音韻表象を意識的に利用する
③音を活用して集中状態を維持する
◇耳は簡単に鍛えられる ⇒ 目を鍛えて速読をマスターするのは大変ですが、耳を鍛えて速い音声を聞き取るのは楽
◇耳勉強法 5つのメリット(抜粋)
①言語能力が向上する ⇒ 私たちの思考は言葉を使って行われているため、基礎体力ともいうべき言語能力を高めることによって、思考に関する総合的な能力も高まる
③本との対話がしやすい ⇒ (リーディングより)オーディオブックの(リスニングの)方が脳内の情報処理プロセスがシンプルなので聞きながら思考する余裕が生まれる
◇オーディオブックの聴きかた(抜粋)
③本を読みながらオーディオブックを聴く ⇒ 朗読のスピードに合わせて本を読むと、視覚情報と同時に、耳からの聴覚情報によるインプットが行われるため、視覚と聴覚を刺激することになる。長期記憶化しやすく、また、特に語学に有効
④先にオーディオブックを聴き、後で本を読む ⇒ 本を読むスピードが上がり、速読に近いことができる
⑦何度も聴く ⇒ オーディオブックは受動的に聞けるので、目で読むほど疲れない
◇耳勉強法のテクニック(抜粋)
①意識的音韻表象 ⇒ 音韻表象を意識的にはっきりと行うことで、記憶の効率を高める
②音韻表象イメージ法 ⇒ 頭の中にイメージで創り出した人と、自分とで会話を行う
⑤音声再現法 ⇒ 聴いた音を正確にそのまま頭の中で再現する
⑦音楽スイッチ法 ⇒ 音楽をスイッチとして利用し、精神や身体の状態を切り替える
◇言語能力を鍛える耳勉強法
①ディクテーション ・・・音声を聴きながらそれを書きとる ⇒ 音声でインプットされた言葉を文字に落とし、それを目で確認することで、聴覚と触覚,、視覚という3つの感覚からのインプットが最終的に行われる
◇耳勉強法の達人たち(抜粋)
・経済評論家 勝間和代さん
椅子に座われる環境ではテキストを読んで記憶し、読めない環境や目を休めたいときには聴覚からオーディオブックを何度も聴くと、長期記憶として記憶が定着します。
【感想など】
本書でも紹介されている勝間和代さんの著書
とか
を読んで以来、
もっと古くは、神田昌典さんの
を読んだ頃から、オーディオブックや音声教材なるものの有効性を意識をしてはいたんです。
が、実際に実践したのは斎藤一人さんの著書の付録CDを、車で移動中に繰り返し聴くぐらいでした。
ちょうど当時は片道1時間かかる職場に通っていて、何とかこの往復2時間を有意義に使えないものかという思いから、それこそ、本書に『イタコ読書法』を紹介されているアルファーブロガーの聖幸さんのように一人さんのCDを一言一句真似出来るくらい聞きこんでましたよ。
しかし、それ以上“耳勉強法”に力を入れようとしませんでした。
理由は、ソフトがまだまだ充実していなかったとか、MP3プレーヤーやiPodをもっていなかったとか、
ワタクシ自身が視覚優位で聴くより読んだ方が速いからとか色々ありましたが、
一番の理由は以前書きましたが、
ワタクシいわゆる“ながら”というのが苦手なのです。
例えば、車を運転中、同乗者とたわいもない話をするだけでも運転がおろそかになるぐらいですから、携帯電話で話しながら運転なんかもってのほか。(←当時は合法)
よく言えば集中力がある!悪く言えば一度に二つ以上のことができない不器用者なのです。
で、必然的に“一時に一事”タイプでいかにインプットを増やすかということに重点を置き、フォトリーディングを習ったりしましたが、いくら速く本を読めるようになっても、悲しいかな“一時に一事”ではすぐに限界点に到達するのは必定(泣)
さらに、最近読んだ
でも推奨されているように、
「顕在意識下の顕在時間で同時進行の作業をいかに増やすか」
ということにそろそろ重点をシフトしていかなければと思っていたところでした。
そのタイミングで本書と出合うとは、これも何かの巡り合わせなのでしょう。
気がつけばハード面ではワタクシiPhoneを使っているわけだし、
ソフト面で言うと、ポッドキャスト(それこそ著者の植田さんが社長を務められているオトバンクの『新刊ラジオ』だって毎回聞いてるやん)も楽しい番組がたくさんあって、犬の散歩しながら聴いてる。
オーディオブックだって以前と比べれば、質量ともに申し分ないぐらい充実してきている。
要するに「環境は整ってますよ、あとはあなたのやる気次第ですよ」状態じゃありませんか。
さらにさらに、考えさせられたのはP159からの
「すきま時間マッピング」で耳勉強の時間を見つけるという項目
すきま時間マッピングでは、縦軸にどの感覚や肉体を使うかを書き、横軸に1日の時間の流れを書きます。これを作ると、1日に行う作業のうち、どの作業の時にどの感覚があいているのかが明確になります。
これを作ると、ようするに聴覚の空いている時間がどれくらいあるのかがわかるというもの。
自分の仕事のことを思い浮かべながらこの項を読みましたが、デスクワークの時(家でブログ書いてるときも)は確かにほとんど耳があいている!
著者と同じくその他の細切れ時間を足していけば、1日の3分の一近くの時間は耳が空いているのではないでしょうか。
もちろん仕事中にヘッドホンつけてオーディオブックを聴くというのは倫理上どうなのか?とか
仕事の質が落ちるのでは?という問題が残りますが、
これだけ大量の「聴覚のすきま時間」は使わない手はないと思います。
ものは試し、いっちょやってみますか!
と言っても何から手をつけていいか分からない方もおいでるでしょう。
心配ご無用、この本の第4章はMP3の選び方からiTunesの使い方、ポッドキャストや倍速化ソフト、そして肝心要のオススメオーディオブックまで紹介してくれているという親切ぶり。
私も近々一冊(←オーディオブックでもこう数えるのでしょうね)買ってみたいと思います。
どうせなら、何度繰り返し聞いても疲れないのが特徴だから、新刊より古典的名著がいいかな。
なにはともあれ、
本書は現段階において、耳を使ったインプットに関する総合的で具体的な情報を網羅した最良の一冊。
インプット量を飛躍的にアップしてくれる可能性のある激オススメ本です。
【本書に関するリンク】
ディスカヴァー社長室blog : これはベストセラーの予感!? 「耳勉」●干場
俺と100冊の成功本 : 脳が良くなる耳勉強法 聴覚マネジメントで人生が変わる
404 Blog Not Found : 百聞は実は五十見にしかず – 書評 – 脳がよくなる耳勉強法
水野俊哉の日記 : 色々な告知の日
【関連書籍】
今回は参考文献の中から気になったものをピックアップ!
同時に2つのことをやりなさい! 【CD付】~脳神経外科教授が教える!仕事のスピード・記憶力・頭の回転が高まる脳と耳の習慣~
- 作者:板倉徹
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2009/03/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
両方とも脳本好きのワタクシにはかなり触手が動くタイトルですね。
【管理人の独り言】
昨日久しぶりに古本屋さんに行ってきました。
ゲットしたのは
あの『夢ゾウ』の水野敬也さんのデビュー作・・・だったかな(?)
前々から読みたかったんです。ツイてる!
そして100円コーナーではディスカバーさんの自己啓発書を2冊
誰でもできるけれど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則 決定版 (ディスカヴァー携書)
- 作者:ジム・ドノヴァン
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2014/08/26
- メディア: 新書
おまけに、「まだ読んでなかったんかいな」と突っ込まれそうですが、
某大手印刷会社が出版社や本屋を買収したり、大手古本屋を傘下に収めたりして、本の生産・流通・販売を一手ににぎりつつあるということを聴いたことがあります。
いろいろ事情はあるのでしょうし、著作権など著者には著者の言い分があるでしょうが、
ワタクシにとって古本屋はハッキリ言って頼もしい存在。
いつまでも古本屋は庶民の味方であってほしいです。
拙著『「見えない時間」で稼ぎなさい!』について、
温かなご紹介いただき、
ほんとうに有り難うございます!
今後ともよろしくお願いいたします!
私も”耳”を使う有効性を感じて、MP3Player に書籍まとめの
CDを入れて毎日聞いてます。
電車が混雑していて本が開けなかったり、
歩いている最中だったり、至る所で学びができてとても効果的ですね^^
一龍さんの書かれている通り、"聴覚の空いている時間"を
どんどん使えるのですごい時間の活用になります。
時間は有限なので、使えるものはどんどん使わないといけませんね^^;
とても勉強になるエントリーをありがとうございました。
washbook様
はじめまして、コメントありがとうございます。
> 私も”耳”を使う有効性を感じて、MP3Player に書籍まとめの
> CDを入れて毎日聞いてます。
> 電車が混雑していて本が開けなかったり、
> 歩いている最中だったり、至る所で学びができてとても効果的ですね^^
> 一龍さんの書かれている通り、"聴覚の空いている時間"を
> どんどん使えるのですごい時間の活用になります。
>
> 時間は有限なので、使えるものはどんどん使わないといけませんね^^;
>
そうですよね、使えるものは何でも使わないと。
もう視覚からのインプットは限界まで使ってますから、あとは耳ですよね。
> とても勉強になるエントリーをありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
野崎美夫 様
はじめまして、コメントありがとうございます。
> 拙著『「見えない時間」で稼ぎなさい!』について、
> 温かなご紹介いただき、
> ほんとうに有り難うございます!
こちらこそ大変勉強になりました。
顕在意識で潜在意識をサンドイッチにするというのは初めて知ったテクニックでした。
成功本では必ず潜在意識を活用しようと書かれていますが、いまいち具体性に乏しい本ばかりでした。
野崎様の著書を読んで「なるほどこうやって使うのか」と納得するものが多々ありました。
さっそく実行しています。
>
> 今後ともよろしくお願いいたします!
こちらこそよろしくお願いします。
一龍さんらしい
力のこもった書評に思わず
コメントしてしまいました!
とりあえず、また面白い記事書いたら
ぜひTBください!
私もチェックします!
オトバンクの上田です。
拙著をご紹介頂き、どうもありがとうございます!
耳勉強は中々奥深くて楽しいですよ!
一緒に楽しみましょう!!
水野様
新刊の出版間際の忙しい時にコメントいただきありがとうございます。
水野様の新刊を力を込めて書評する日を楽しみにしています!
上田様
はじめまして、コメントありがとうございます。
おっしゃるように耳勉強は奥深いものがありそうですね。
これから挑戦してみたいと思います。
もちろんそのときはFeBeで購入させていただきますよ(笑)
これからもよろしくお願いします。