もしあなたがなまけものを自認するなら、この本を読むべし。
べつに働き者になろうというのではない。
目指すは「前進型なまけもの」です。
【目次】
1.発想を変えてみる
法則01 なまけものである自分を認める
法則02 あえて他人に流される
法則03 努力と工夫を間違えない
法則04 「やればできる」はウソ
法則05 優先順位でなく思いついた順にやる 他2.毎日の生活を変えてみる
法則20 部屋の汚れをバロメーターにする
法則21 常習性のある浪費に手を出さない
法則22 雨が降ったら休む
法則23 3週間先まで予定を入れる
法則24 曜日で作業を決めておく 他3.仕事のやり方を変えてみる
法則39 メールは夜にチェックしない
法則40 上司を利用する
法則41 人に教える
法則42 人に教えてもらう
法則43 挨拶でスイッチを切り替える 他
【ポイント&レバレッジメモ】
今回は57の法則のうち、気になったり気に入ったものを15個引用させていただきました。
★法則01 なまけものである自分を認める
人は自分の弱みに気づいたとき、そして時間が限られていることに気づいたとき、はじめて「工夫」を考えます。工夫とは、マイナスから生まれるものなのです。
★法則02 あえて人に流される
「あえて人に流される」という選択肢もあっていいし、「流される力」とでも呼ぶべきものもあるのだと思います。 ⇒ なまけものは、自発的に新しいことをはじめるのが苦手です。他人の力を借りることで、新しい自分を発見していきましょう。
★法則04 「やればできる」はウソ
「やればできる」と考えているなまけものは、自分の能力に過度な自信を持っているせいで、ほとんど工夫をしません。
★法則05 優先順位でなく思いついた順にやる
なまけものにとって大切なのは、とにかく「仕事をためない」ことです。
★法則09 人を巻き込む
外部からの強制力として、もっとも有効な手段が「人を巻き込む」ことになります。 ⇒ 続けられるかどうかは、意志の問題ではなく、強制力の問題なのです。
★法則14 自分に厳しくしない
自己否定とは、思考停止のスイッチなのです。
★法則15 「続けること」に努力をしない
われわれなまけものが力を注ぐべきは「習慣にすること」です。
★法則20 部屋の汚れをバロメーターにする
家が散らかっているということは、それだけストレスがたまっている証拠で、なまけぐせが顕在化している証拠だと考えるわけです。
★法則27 同じ服をたくさんそろえる
着るときに迷うことがありません。
★法則29 自分の身体に投資する
自分の身体を「インフラ」なのだと考えることにしています。充実した人生を送るためのインフラとして、自分の身体があるのです。
★法則37 他人を家に呼ぶ
定期的に他人を家に呼んだり、定期的にホームパーティーを開いたりする。こうするだけで自動的に部屋の片づけをするようになります。
★法則40 上司を利用する
自己管理のできないなまけものこそ、上司という格好の管理ツールを使いこなしましょう。
★法則47 お酒をおごらず「言葉」をおごる
(部下の指導は)「本で読んだ言葉や逸話を引用する」 ⇒ あくまでもヒントみたいなものなので、部下が自分の頭で考え、自分なりに納得のいく結論を出し、自ら率先して行動に移してくれます。
★法則54 好きを仕事にせず、仕事を好きになる
好きなことは、わざわざ仕事などにせず、そのまま続けていく方がずっと幸せなのです。それよりずっと簡単なのが「今の仕事を好きになる」ことです。
★法則55 感化される仲間をつくる
堕落型のなまけものは、このあたりを勘違いして「ラクなチームに入ったほうが、ラクをできるだろう」と考えてしまいます。しかし、結果的にはこっちのほうが苦労するし、意識の高いチームで感化されるほうがラクなのです。 ⇒ どんな仲間を選ぶかという問題は、最終的に「どんな人生を選ぶか」という話にまでつながっていくのです。
【感想など】
本書は著者の前作、『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』の続編というポジショニングですが、本田氏によると「面倒くさがりや」と「なまけもの」は微妙に違うようです。
この違いを著者はダイエットを例に説明していますが、問題なのは
面倒くさがりやのツケが短期間で雪だるま式に膨らんでいくのに対して、なまけもののツケは長期的に少しずつ膨らむため、自覚しづらい
という点。
面倒くさがりやには自覚症状があるけど、なまけものには自覚症状がないのがポイントなんですね。
これってかなり怖いことだったりします。
そういえばワタクシの脇腹のプヨプヨはまさしくなまけもののたまもの・・・。
しかし本田さんは
なまけものの資質はちょっとした工夫でプラスに転換できる
としています。
そう、「工夫」がポイント。
なまけものは「考える人」です。どうすればなまけられるかを考え、工夫していきます。
働き者であることは、必ずしも利点であるとはいえません。むしろ「工夫」という武器を持った怠け者のほうが有用な存在なのです。
おっと、ちょっと元気になってきたぞ。
もちろんただ単にだらだらしているだけで何も考えない、“堕落型のなまけもの”では話にならないわけですが、せめて頭を使っていかになまけて成果を出すかということはちゃんと考えなさいよ、“前進型のなまけもの”になら成れるかもしれませんよと。
ただそれには大きな壁を3つ越えなければなりません。
それは本書最初に登場する
・始められない
・続けられない
・だらだらしてしまう
の3つです。
これ3つとも克服するのは難しいですよね。
一応、面倒くさがりやでなまけものの一員としてワタクシも言わせてもらえれば、ワタクシ、「始められない」に関してはちょっと冷めた意見をもってます。
人間誰でも普通に生きていればいやでもやらなければならない「外部からの動機付け」というのは絶対経験するものですよね。
問題はそれが「内部からの動機付け」に昇華できるかどうか。
でも、「内部からの動機付け」に昇華できないものは、結局その人にとって必要ないものなんじゃないかと思っています。
以前、水野俊哉さんが
を執筆するにあたって、アンケートを行っているのですが、その中に
Q:本を読む習慣をなかなか身につけられない人に、本を読みつづけるための動機づけを教えてください。
という質問があって、これに対してワタクシはこう答えました。
これは難しい質問ですね。
私は基本的に読む必要のない人はムリに読まなくてもいいと思ってます。
本を読まなくても成功する人や、人間性の高い人もいますから。
(むしろ読書家で知識豊富で人間性のねじ曲がった奴ほど始末に悪い)本を読むのも読まないのもその人の必然なんだと思います。
たとえば、仕事上必要とか資格試験や入試など外的要因で本を読まざる得なくなって、一時期無理やり本を読んだとしても、そこで読書に目覚める人は習慣となるでしょうし、必要のない人はまた読まなくなるでしょう。
私自身、高校生までは読書の習慣が全くありませんでした。
高校生になって、通っていた拳法の道場の先生が「これ読め」といって頼みもしないのに吉川英司さんの『三国志』と『宮本武蔵』、それに司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』を貸してくれて、しょうがなしに読んでみたら面白くてハマってしって、それ以来読書が習慣化されました。やはり内的動機がなければ習慣にはならないと思います。
書評ブログやっておきながら、身も蓋もない解答なのですが、
ようするに、きっかけはどうあれ、やってみて魅力を感じないものには「自分には必要ないものなんだ」とあっさり捨ててしまうぐらいドライに考えていいのではないかと。
あれこれムリに執着するより、面白くなかったら違うものに飛びついていく方が時間が無駄にならないし、自分の世界も広がるような気がします。
それよりも、経験上「難しいなぁ、これが一番の難敵だなぁ」と感じるのは
「続けられない」ですね。
はじめるための「動機付け」を自分の内部から、続けるための「強制力」を外部から持ってきて、両者を組み合わせる。
ことで続けるための工夫をしていこうというのが本書のキモとなる部分。
そういえば“効率アンドロイド”(←もうそろそろ自粛予定、危険危険)の勝間さんも先日のNHK「知る楽」で、続けるための仕組み化について話してましたが、本田流はなかなか発想がユニーク。
特に、上司を自己管理ツールにするというのは考えたことがありませんでした。
面白い、これ早速取り入れます。
といっても、うちの上司はたよりなくて・・・
それから逆に、頑張りすぎない、戦略的に休むという考えも納得。
当ブログもワタクシのあきっぽい性格にもかかわらず2年以上続いたのも“戦略的に休む”ことをしてきたから(←ただ単に遅筆なだけ)
ともかく、本田流のいいところは、「すぐに実践できるハードルの低さ」と少ない努力で高い効果を期待できるところ。
まさにレバレッジの権化!
なまけものを自認する方、これだけアイデア満載でこのお値段は確実に ♪お値段以上
一読の価値ありですよ。
【関連書籍】
【本から学んだことを実践しよう】
「同じ服をたくさんそろえる!」
これ本気でやってみようかなと思います。
着るときに迷わないだけでなく、本田さんが言うように結局お気に入りの服ばっかり何度も着てすぐにだめにしてしまうので。
今日は土曜日だしユニクロのチラシ入ってるよな・・・よしよし。
【管理人の独り言】
朝、出勤する時に夏休みでまだ寝ている子供を見ると無性にハラガタツのはワタクシだけでしょうか?
最近の小学生はラジオ体操はないわ、自由研究は自由だわ、宿題のワークは薄いわ、絵日記は4日分だけだわ・・・・
この国はどうなってしまうのか?
ゆとり教育反対! 詰め込み教育復活希望!
子供に暇を与えるな!
そして、大人に休みくれ・・・。