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梅田望夫(著)『ウェブ時代をゆく いかに働き、いかに学ぶか』(ちくま新書)その2

 

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

  • 作者:梅田 望夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/11/06
  • メディア: 新書
 

 

こんばんは
2日ほどブログさぼってしまいましたので今日は一気に
梅田望夫(著)『ウェブ時代をゆく いかに働き、いかに学ぶか』(ちくま新書)
について語りますよ。

【目次】

序章 混沌として面白い時代
第1章 グーグルと「もうひとつの地球」
第2章 新しいリーダーシップ
第3章 「高速道路」と「けものみち」
第4章 ロールモデル思考法
第5章 手ぶらの知的生産
第6章 大組織vs.小組織
第7章 新しい職業
終章 ウェブは自ら助くる者を助く

すでにこの本に関しては、多くの書評ブログで取り上げられています。
今更私ごときがとやかく言うのはおこがましいし、私の文章力でこの本を語るには内容が非常に濃すぎる。
特に技術的なことはまったく理解不能(超文系なもので・・恥)

ですが是非読んで欲しい本なのです。
なぜならこれは単なるネット本ではないからです。
サブタイトルの「いかに働き、いかに生きるか」にもあるように、この本は「ネット時代の生き方本」なのです。

それで、私なりにこの本に「引き寄せ」られた次の2点についてのみ触れたいと思います。
それは
①ネットによって「仕事術・勉強術」「生き方」はどう変わるのか?
②「好きを貫く」生き方で「飯は食える」のか?
の2点です。

前作『ウェブ進化論』で羽生善治氏が「学習の高速道路と大渋滞」という概念を提示しています。
「学習の高速道路」とは

言語化された知がネットを介して容易に共有されるこれからの時代は、ある分野を極めたいという意志さえ持てば、あたかも高速道路を疾走するかのようなスピードで、効率よく過去の叡智を吸収できる

というもの。

これは多くの方が実体験として感じていることでしょう。

例えば、私は今年の目標の一つに「フォトリーディングの講習を受ける」というのを掲げていますが、なにぶん田舎に住んでいるもんで、そう簡単には講習を受けることはできません。
しかし、ネットで実際にフォトリーディング経験者の記事を読み、また自分のブログで疑問点を書けば丁寧に教えてくれる人もいる。
何を学ぶにしても「努力」は必要ですが、私のような田舎者でもまさしく「時間」「距離」「無限」の概念を揺さぶるインターネットのおかげで、ある程度のレベルまでは結構すんなり行ける時代なのだと実感するのです。

しかし、

高速道路を走りきったなと思ったあたり(「その道のプロ」寸前)で大渋滞が起こるのだと羽生は言う。同質の勉強の仕方でたどりつけるのはそこまで。誰にも機会が開かれるゆえ参入者も増え、しかも後の世代も次々に疾走してきては「その道のプロ」寸前での大渋滞にはまる。「その道のプロ」として飯を食い続けていけるかどうかは、大渋滞に差し掛かった後にどう生きるかの創造性にかかる。

そしてここで選択肢は二つ
渋滞を突き抜けて「高く険しい道」(専門性の高い)をゆくか、高速道路を降りて「けものみち」(新しい分野)をゆくかだ。

ここで現実の問題として考えてみましょう。
若者、学生、夢追い型ニートの方々、そしてある種の才能のある方なら「けものみち」もいいでしょう。
「オープンソース」のところで語られているような「人生をうずめて」没頭できることに幸せを感じるのであればその道を行けばいいですよね。
これができる人はある種、うらやましいです。

ですが、私も含め、ほとんどの家庭を持つサラリーマンにとっては、「けものみち」をいく勇気はありませんよね。
となると梅田氏は「高く険しい道」を提唱しています。
大組織に属し、その中で専門性の高いスキルを身につけしかるべきチャンスを待つ。

ここで、ちょっと話はそれますが、面白かったのでちょっと引用してみます。
まずは、大組織で成功できる人の要素

①「配属」「転勤」「配置転換」のような「自分の生活や時間の使い方を他者によって規定されること」を、「未知との遭遇」として心から楽しめる。
②与えられた問題・課題を解決することに情熱を傾けることができる。その課題が難しければ難しいほど面白いと思える。
③Whatへの「好き嫌い」やこだわりがあまり細かくなくおおらかで、一緒に働く人への「好き嫌い」があまりない。仮にあったとしても、苦手(つまり「嫌い」)を克服することを好む。
④「これが今から始まる新しいゲームだ」とルールを与えられたとき、そのルールの意味をすぐに習得してその世界で勝つことに邁進することに興味を覚える。
⑤多くの人と力を合わせることで、個人1人ではできない大きなことが出来ることに充実感を覚えるチームプレーヤーである。
⑥「巨大」なものが粛々と動く事への感心・貢献に達成感を感じ、長時間長期の「組織へのコミットメント」をいとわず、それを支える持久的体力に優れている。
⑦組織への忠誠心や仕事における使命感の方が、個の志向性よりも価値が高いと考える。

梅田氏のこの観察は面白いですね。
こういう人が組織で成功する、もしくは成功しなくても重宝がられるのはよく分かります。
自分はあまり当てはまらないなぁ。まぁこれ見なくても大組織で成功するとは思っていませんが(沈)。

もうひとつ面白かったのは組織や仕事にこんな兆候があったら危険だという注意事項

①「世の中と比べ、恐ろしくゆったり時間が流れている」組織、
②「毎日同じ事の繰り返しで変化があまりない」仕事、
③「新しいことを何もしない」ことが評価の対象となる社風、
④小さな事でも個に判断させず、判断の責任を集団に分散する傾向のある会社、
⑤幹部の顔ぶれを眺めたとき「その会社に関するプロ」ばかりが重用されている会社

これによると、かなり私の職場は危険です(撃沈)

さて、話を本筋に戻しましょう。

話がここまで来ると、スキルアップして転職するたびに収入を増やした勝間和代さんを思い出してしまったのは私だけでしょうか?
あるいは独立起業、もっというとロバート・キヨサキ氏のように二足のわらじまで私の場合はイメージしてしまいました。

多分私の場合は「サバイバル」のために組織に属しつつ、「高く険しい道」をいくほど「人生をうずめる」ことはなしに「好きを貫く」生き方を模索するタイプなのでしょう。
都合良すぎですかね?

でもきっと私のような「いつかは好きなことだけやって生きていきたい」タイプの方多いはず。
で、この本では「好きを貫く」生き方で「飯は食える」のか?を実証した人の例が載っています。

印象深かったのはジョナサン・コールトンというミュージシャン。
内容は本書を読んでいただくことにして、この例を読んだとき力がわいてきましたよ。
「これだ!」って感じでした。

【まとめ】
技術的なことはともかく、ネットに「好きを貫く」生き方の可能性を感じている方、見いだそうとしている方は必読の書だと思います。
少々梅田氏の性善説的な考えはどうかなとも思いましたが、私には力を与えてくれる本となりました。
是非お読みください。

 

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

  • 作者:梅田 望夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/11/06
  • メディア: 新書
 

 

【著者関連書】
梅田望夫(著)『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』(ちくま新書)
梅田望夫・茂木健一郎(著)『フューチャリスト宣言』(ちくま新書)
梅田望夫(著)『シリコンバレー精神』(ちくま文庫)

【管理人の独り言】
今朝の王様のブランチ 勝間和代特集見ました。
短い時間に情報詰め込み過ぎと感じましたが、動く勝間さんを初めて見て感動!
でね、自転車に乗ってる勝間さんを見てふと思いました。
「この人は知の高速道路でスピード違反して渋滞なんか関係なく遙か彼方に行ってしまう人なんだろうな」

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