おはようございます、一龍です。
今日ご紹介するのは私が生き方においてすごく影響を受け、目標としているブロガーさんの一人でもあるちきりんさんの新刊です。
はじめに
ちきりんさんといえば、月間200万PVをこえるこちらのサイト
を運営する人気社会派ブロガーさんであり、毎回「そういう物の見方が出来るのか」と、着眼点とか物事を見る角度とかに驚かされるものです。
そして著書もしかりなのですが、今回ご紹介するちきりんさんの本は、Twitterでのつぶやきをまとめたというちょっと変わった本です。
しかしTwitterでのつぶやきと聞いて「えっ、なんか手抜き?」などと侮ってはいけません。
まずは本書に掲載されているツイートから、私の胸に響いたものを独断と偏見でピックアップしたのでご覧ください。
ポイント
★生きること
あたしのブログでは、「世の中は理不尽で、決して平等なんかではないけれど、だからこそ他人を妬まず、自分の持っているカードでいかに楽しく生きるかを考えましょう!」ってことを伝えたい。
どんなスゴイ人からアドバイスを貰っても、それで人生が変わったりはしない。人生変えるのは、誰かじゃなくて自分だってわかってるし。
大事なことは、自分で自分の足に、足枷(あしかせ)をはめないこと。足枷が付けられている人の半分以上は、それを自分でつけている。
「愚痴を言う」、「他人を嫉む」、「誰かに評価して欲しいと願う」・・・人生を無駄にしたければ、この3つをどうぞ。
あたしに必要なのは「自由であること」。それを犠牲にしてまで手に入れたいモノは何もありません。
でもね、自由に生きたい人なんてほんとは少数派なんです。多くの人は縛られて生きる方が圧倒的に幸せです。私だって、そういう人生が(最初から)手に入っていたら、そう生きたと思う。
★働くこと
今、5分かけて話したことは、いったい何時間かけて考えたことなのか? ってのが、話してておもしろい人とそうじゃない人の差だよね。5分考えたことを5分話す人と、100時間考えたことを5分話す人がいるんだもん。おもしろさが違ってあたりまえ。
「頭がいい」とかより「稼ぐ力がある」方が、これからの世の中、圧倒的に有利だと思う。
★ゆるく考えよう
大事なのは「個」なのよ。「全体」ではないんです。
仕事っておもしろいけど、一日の時間を占領する割合が多すぎる。特殊な人(柳井さんとか孫さんとか)を除けば、23才から43才くらいまで20年くらい働いて、その後は仕事以外のことをメインにした人生設計でいく、という選択肢ももっと普通になっていいと思う。
「皆が持っているもの」を手に入れるために人生の時間を使っていたら、自分が本当に欲しいモノを手に入れるための時間が足りなくなりますよ。
★ビジネス
「将来の夢は野球選手!」という子供に加え、「将来、自分の球団を持つ!」とか、「自分で会社作って世界に広げる!」っていう夢を小学生くらいの子が卒業作文に書くようになってほしい。大人はそれが可能な夢なのだと教えてあげよう。
市場で評価され、誰かがあなたの作りだしたものに対して、自分の財布から、必死で稼いだ貴重なお金を払ってくれるということの意義を、みんなが実感すれば、組織も国も立ち直れる。 「価値を出せばお金につながる」というサイクルをみんなが実感することが大事なんだよ。
★ぐろーばりぜーしょん
愛国っていうのは、自分の国が他国より優れている!という気持ちじゃなくて、自分の国がいい国だと誇りに思えること。気に入らない国にすぐに爆弾落とす国とか、何かというと暴動して関係ない店を壊す国とか、今の日本がそういう国でないことを心から誇りに思うでごじゃる。
アマゾンやグーグルなどが租税回避をして税金を払ってないと怒る人が多いけど、彼らがそのお金を自社内で次の画期的な商品やサービスの開発に回すほうが、税金として政府に差し出して無駄に使われるより、よほど人類の未来のためになる。
★自立&未来へ
使命が明確になり、それに向けて動き始めると、人生のピークは過去ではなく、未来にあるとわかる。『多眼思考』より。
感想
◆文字数と思考の深さは関係ない
以上、本書で気になったというか、自分の心に響いたツイートを選んでみました。
選んだツイートのテーマに偏りがあるのはご勘弁を。
「目次」の欄を見ていただければわかるのですが、テーマとしては「少子高齢化と男と女」というのもあるのですが、今現在の自分の興味関心がそちらに向いていないのと、やはり「生き方」とか「働き方」といった分野で共感するところが大きいのでこういうチョイスとなってしまいました。
それはともかく、このツイートたちをお読みになってどう感じたでしょうか。
普段からちきりんさんのブログや著書や、それこそツイートも読んでいる私ですが、ツイートを集めた本と聞いいて、正直言って「それはどうなのかな」と思っていました。
ブログなら字数に制限がないから自分の考えをしっかり伝えることができます。
しかし、140字しかない(連続ツイートもありますが)Twitterではどうなのかなと。
しかし上記の一部ピックアップしたものを読んでいただければわかると思いますが、短い文章でもしっかり問題提議できていて、自分の疑問点や考えをはっきり表現されていますよね。
というか、むしろ字数が短いほうが論点がはっきりして伝わりやすいのかもしれません。
もちろん「100時間考えたことを5分話す」というツイートのように、140字の言葉のバックにはこれまで積み重ねてきた知識や大量の思考の時間があることはいうまでもありませんが。
とにかく、本書を読んでまず感じたのは、文字数と思考の深さは関係ないということでした。
◆自分の頭で考えることが多眼思考のスタート
さて、本書のタイトルは『多眼思考』です。
それぞれのツイートは短いものですが、対象のテーマはそれぞれで、ちきりんさんの「モノを見る眼」を理解できます。
世間一般で常識とされているものや問題にもされず見過ごされているモノに対してちきりんさんによって「第2の眼」を得ることができます。
しかしそこで止まってしまってはもったいないし、だいいちそれは「多眼」ではない。
むしろこの本は「多眼思考」のスタートとしなければならない本だと思うのです。
自分の頭で考え始めることで「第3の眼」得ることができて、そうすることで「多眼思考」となるのではないでしょうか。
と、偉そうに提案していますが、実際には私はちきりんさんを尊敬しているので、考えるというよりは「うんうんそうだよね」と共感するように読んでしまいがちなのです。
でも少し疑ってかかる、自分の頭で考えてみようという姿勢を取るのが大事。
たとえそれが自分が好きな作家さんでも。
難しいんだけど、自分に身近な問題なら考える材料もありますよね。
例えば
日経マネーが「貯金額の世帯平均の都道府県ランキング」を載せてて、1位の東京以外は、香川、徳島、富山、奈良と地方が続くのを「富裕層は四国にいる。地方に多い」とかまとめてて笑えた。それ、貯金がゼロに近い18歳や23歳の若者が都会に出てしまうから世帯平均貯蓄額が上がってるだけです。
というツイートも掲載されていました。
我が香川県が世帯平均貯蓄1位とのことですが、香川に関しては若者が都会に出てしまうからというのはちょっと違うと思うのです。
長引く不況でも高校生の有効求人倍率が1倍を切ったことがない香川県は、進学で他県に出て行く若者は確かに一定数いるのですがそれほど大きい割合ではない。
では何が原因かというと、貯蓄をせっせとするのは香川県の歴史と県民性によるものが大きいのです。
といった感じで身近な問題なら自分で考えられますよね。
まずは自分が好きなコトや知っているモノを対象に考える癖をつけていくといいと思います。
◆発信することでさらに多眼に
さて、もうひとつおすすめしたいのが、自分の考えを発信するということ。
ブログでもTwitterでもツールはなんでもいいです。
自分の考えを不特定多数の人に発信する。
「集合知」という言葉でインターネットやSNSは語られることが多いですが、自分の考えを公表してそれに対して意見をもらうことでさらに「多眼」を獲得することが出来る時代。
炎上とか怖い部分はありますが、この「発信できる」というツールを獲得しているというのは今を生きる我々の大きな特典だと思います。
これを活用しない手はないですよね。
一人の頭のなかではどんなに意識しても「多眼思考」は難しいもの。
しかしインターネットを利用すれば、多数の人で補いあうことで「多眼」を得ることが可能になってきます。
そういう意味で「多眼思考」というのはこれからの思考といえるのではないかとも、本書を読んで感じました。
そしてもうひとつ、Twitterでしょうもないことばっかりつぶやいてるけど、ちょっと使い方考えなおそう(笑)。
目次
生きること
働くこと
社会
少子化と高齢化と男と女
ゆるく考えよう
ビジネス
ぐろーばりぜーしょん
自立&未来へ
関連書籍
ちきりんさんの考え方やものの見方に触れたいならこちらの本もお読みください。