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【薄っぺらい正義を斬る!】百田尚樹(著)『偽善者たちへ』新潮新書 レビュー

【薄っぺらい正義を斬る!】百田尚樹(著)『偽善者たちへ』新潮新書 レビュー

おはようございます!

今日ご紹介する本は
百田尚樹(著)『偽善者たちへ』新潮新書
です。

では早速、気になるポイントの読書メモをシェア!

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百田尚樹(著)『偽善者たちへ』:読書メモ

メディアに見えていないこと (2018/05/11)

 メディアや一部野党は自分たちが国民の目にどのように映っているのか考えたことがあるのでしょうか。 

 まさか、メディアの報道を信じて国民のほとんどが反政府だと思っているとしたら、とんでもない能天気です。一連の「モリカケ」「セクハラ」問題で大手メディアは競って内閣支持率の低下を報道しました。40%を切っただの、ひどい場合だと20%台と、まさに瀕死の印象与えるものでした。各メディアは自社の調査が統計的に優位であることを必死にアピールしましたが、20ポイント近くの差が出ていたら誤差の範囲とはとても言えません。つまり信頼性は相当に怪しいと見るしかありません。

 選挙では開票時刻の時報と同時に当確マークを出せるほど精度に自信のあるリサーチ力を持ちながら正当に行使しない現代のマスコミなんて、真実を伝える報道機関ではなく国民を平気で騙して国を危うくする工作集団と同じです。

野球と愛国心 (2017/04/07)

ワールド・ベースボール・クラシックに際して

 それにしても、スポーツにおいてはこれほど日本大好きな人たちが、どうして普段の生活では愛国心を持って満たさないのか、いささか不思議です。

 日本の目と鼻の先では日本本土に向けてミサイルが配備され、南では怪しげな艦船が我が物顔で行き来している昨今、じっと指をくわえて見守るだけではいけないのです。

 スポーツにルールがあるように、国際社会にも守るべき決まりごとが存在します。それを犯す国には毅然とした態度で抗議を行い、是正させなければなりません。スポーツの試合なら負けても次の試合で頑張ればまた勝つこともできますが、国際社会においての負けは取り返すことのできないものとなります。日本の国土と生活の安寧を守るためには我々国民は観客であってはいけないのです。一人一人ができとした選手であることを忘れてはいけません。

前科と人権は (2015/09/11)

2015年8月に大阪府寝屋川市で中学生2人が拉致されて殺された事件で、犯人に同じような犯罪の前科があったことに関して 

 事件が発生して人権が語られる時、往々にして被害者もそれではなく加害者のそれが中心となります。

 他人の人権を脅かす者、犯罪者は社会に存在しては困るのです。人権派はすべての人に更生の機会をと言いますが、更生する者は1度で更生します。もっと言えばそもそも最初から犯罪なんかおこしません。その意味では再犯で捕まった犯罪者は、更生の意思なしと判断していいと思います。

 少なくとも、人を殺したり他人の体に傷をつけたりした者が、再び同じ罪を犯した場合、死刑ないし終身刑でいいと私は思っています(日本の刑法には終身刑がありませんが)。

憲法ボケ (2017/05/12)

 「文化の日」に放送される「日本国憲法」に関する特番に関して

 この憲法があったから日本は70年間戦争しなくて済んだと本気で思っているのでしょうか。大和魂には「丸腰の相手を襲う事は恥だ」という精神もありますが、そんな国は世界中どこを探しても他にありません。

 最優先されるのは自国の利益であって、そのためには道理なんて関係ないのです。国家間にあっては「力こそが正義」なのです。自分の国を守るためには、他国に攻め入られないだけの最低限の力は絶対に必要です。自衛隊の存在は国家を維持するためには必然であるのです。憲法改正を戦争するためのものだと決めつけている人がいますが、本当に戦争したい人なんてどこにいるのでしょうか。

 軍事力あるいは経済力など相手に対して影響を及ぼす手段が無ければ、外国との交渉なんて成り立ちません。交戦権のないわが国は経済的部分でプレッシャーをかけてきましたが、それも限界があります。北朝鮮は日本をどんなに威嚇しても決して噛み付かないことを知っているので、わが国上空に平気でミサイルを飛ばしてきます。

 私はなにも軍事力で相手を威圧して言うなりにしろと言っているのではありません。話し合いをするにしても、その前提としてある程度の力を見せることができなければテーブルにすら着けないことを、すべての国民はもっと知るべきです。

中国に褒められたい人がいる (2015/06/19)

2015年の安全保障関連法案に対して東京で行われた「反安保法案デモ」の中国の人民日報の報道に対して

 当時、東京で「反安保法案25,000人デモ」が開かれたことについて、中国の人民日報は国際面の3分の1を使って取り上げたといいます。そして日本民衆の戦いを褒め称えたそうです。 

日本のでも褒め称えるなら、同じことを中国国民がやっても褒め称えるべきでしょう、と。民主化のデモをする自国民に対して、機関銃を打ちまくって戦車で轢き殺すような国に褒められたくはありません。

韓国の犯罪 (2015/10/23)、ライダイハンの悲劇 (2018/06/16)

 ベトナム戦争時、韓国兵は多くのベトナム女性をレイプしたと言われています。そしてその結果、父親不明で生まれた混血児は数千人〜1万人と言われています。彼らは「ライダイハン」と呼ばれてベトナムの社会問題の1つになっています。ライダイハンの語源は、ベトナム語で「ライ」は「混血」、ダイハンは「大韓」を意味し、韓国人男性とベトナム人女性の間に生まれた子供を指します。彼らはベトナム解放軍は、敵軍の子と呼ばれ、迫害を受けてきました。実に痛ましいことです。

 慰安婦の場合はあくまでも金銭が介在して両者合意の上での性行為ですが、韓国兵士がベトナムで行ったものは合意も何もない暴力による強姦です。われらは戦時における性の被害者だと言い張っていた韓国が、実は最も憎むべき加害者だったと突きつけられたのも同然です。言い逃れようしようにも、前述のようにベトナム国内には現在も1万人の生き証人が存在します。さあ、うする、韓国。

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百田尚樹(著)『偽善者たちへ』:感想

火の粉が飛んでくる前に目を開け

本書は、有料個人サイト「百田尚樹チャンネル」の会員向けに配信しているメールマガジンの文章に加筆・修正し、まとめたものです。

したがって、扱うネタも多岐にわたります。

また、歯に衣着せぬ発言の百田さんが、会員向けのクローズドの場所で書いた文章ということで、より一層辛辣で毒舌ぶりを発揮していて、読んでいて痛快・爽快。

副題のとおり、世の中の「薄っぺらい正義」を嗤うネタ集、というよりぶった斬る内容となっています。

ただ、読んでいて感じるのは笑ってばかりいられないということでした。

というのも、たとえば本書は第1章がマスコミ関連となっていますが、今現在のマスコミの体たらくぶりがもうどうしようもないレベルで、本当にこのままで大丈夫か? と。

香港があんな状態なのに、エリカ様なんてどうでもいいわ。

もっと伝えないといけないことってあるだろうに。

それに、国会。

最終章に「野党の愚」という章がありますが、なんか本書でネタにされている時期よりも更に悪くなっているような気がするんですよね。

経費が1日3億円かかる国会で、桜を見る会の5000円がどうのこうのなんて、もうみみっちくて、「なにやってんだ!」と怒鳴りたくなります。

「モリカケ」のほうが、まだ扱うネタとしては大きかった。

しかし、みなさんによく考えてもらいたい。

なにより情けないのは、こんなマスコミや野党を生み出しているのは僕たちなんですよ。

テレビのワイドショーでエリカ様報道を喜んでみている人たち。

桜を見る会で鬼の首を取ったように反安倍ツイートをする人たち。

マスコミが駄目だとか、野党が駄目だとか、誰かのせいにしているけれど、結局こんな状態になっているのは国民の責任なんですよね。

海の向こうには核を持った独裁国家があり、その国に近づこうとしている国が隣国で、さらにその向こうの大国では民主主義をなりふり構わず弾圧するようになっている。

決して対岸の火事ではなく、その火の粉はいつ日本に飛んできて発火してもおかしくないのに、その時にならないとスイッチが入らない。

結局、これって日本人の特質なのでしょうか。

井の中の蛙というか、人が良すぎるというか。

本書を読んで、少しは問題意識と危機感を持ってほしいものです。

「平和という麻酔」は必読

さて、本書では様々なテーマを扱っていますが、僕が今一番読んでほしいのは、第3章の「平和という麻酔」です。

その理由は、憲法改正の是非を争点にした選挙が近いうちにあると僕は睨んでいるからです。

まぁ、安倍総理の考えひとつなのですが、本気で憲法改正に着手するなら、もうそろそろタイムリミットなのではないかと。

で、そのときに本当にしっかり考えて判断してもらいたい。

憲法9条をかがげれば平和が続くという妄想を払拭して。

せめて、国際社会においては「力なき正義は無力」ということを、本書を通じて理解するきっかけにしてほしいと思っています。

若者に賢明な判断を期待したい

ところで、マスコミや野党の体たらくぶりは目を覆いたくなるようなレベルですが、若いネット世代はこの影響をあまり受けていないような気がしています。

本書でも、内閣支持率の話が登場していますが、若いネット世代はテレビをあまり見ないことが幸いしているのか、オールドメディアの偏向報道を見抜いています。

それは、インターネットの登場で、オールドメディアでは発言の場を与えられなかった人たちが発信できるようになったからではないでしょうか。

一方、古い世代、特に団塊の世代は、相変わらずオールドメディアに情報源を依存している人が多く、しかも思考が凝り固まっているので「薄っぺらい正義」から抜け出せないでいる。

結局選挙結果は数の論理で決まるから、我が国はなかなか古い体質や思考から脱出することができないでいますが、世の中が変わるのは時間の問題だと僕は思っています。

ただし、時間がかかりすぎる。

そこで僕は言いたいんです。

もう若い人に任せませんかと。

今の若い人のほうがよほどバランスがとれていますよ。

最後に蛇足ですが、

「教育委員会の偽善」というテーマで書かれていたものの中に、

秋田県の教育委員会が教科書採択に関して現場の教員に丸投げ状態で、本来教科書採択の権限は教育委員会にあるのに、実際には何もしておらず、責任放棄といわれても仕方がない状態だった。

といった内容のものがあります。

もちろん、最終決定権は教育委員会にありますが、僕も高校教師時代に、自分の科目の教科書選定を毎年していて、どの教科書にするかを採択し、教育委員会に報告をあげていました。

ただ、高校の場合は特に学校ごとに教科書を選ばせてもらえないと困るのです。

なぜなら、その学校にあったレベルの教科書を採択するのに、現場の先生でないと判断できないからです。

義務教育はまた事情が違いますが、すくなくとも高校の場合は、使う教科書を教育委員会に勝手に決められては逆に授業に支障をきたすことになりかねません。

ということを付け加えておきます。

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百田尚樹(著)『偽善者たちへ』:目次

 はじめに
第1章 薄っぺらい正義
第2章 人権派という病
第3章 平和という麻酔
第4章 韓国と中国の本質
第5章 野党の愚

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