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吉沢久子(著)『ほんとうの贅沢』あさ出版【本の紹介】生涯凛として自分の足で立つ生き方のポイント

おはようございます、一龍です。

今日ご紹介する『ほんとうの贅沢』の著者、吉沢久子さんは97歳にして現役の生活評論家でエッセイストでもあります。

そしてさらに驚くのは夫と死別した65歳から一人暮らしを続けているということ。

そんな「自立」した著者の人生訓は凛として清々しく、滋味深いものでした。

今日は本書から、年齢に関係なく自立した人生をおくるためのヒントとなる箇所を、幾つかピックアップしてみました。

『ほんとうの贅沢』より自立した人生をおくるポイント

★老いてこそ、自分の足で立ちたい

老いてこそ、自分の足で立ちたい。
人によりかからず、自分らしくいたい。
自立したい。私はそうありたいのです。
「自立」という言葉は、すごく偉そうに聞こえるかもしれません。
ただ、私はこれをとてもシンプルに考えています。
自分の頭で考え、考えたことを行動に移せる。
それが、自立ではないでしょうか。

本当にこの一文と出会ったとき震えるほど感動しました。
「自立」という言葉で表現していますが、”自分の足で立つ”というのは人間の根源、そして尊厳につながること。
死ぬまで、一生”自分の足で立つ”ことを貫いた人生を送りたいと思います。

★なるべく人に頼らない

 一人暮らしは私にとって、最高のわがままです。とても気楽で、贅沢な幸せだと私は思います。
 自分の生き方を自分で決める自由のあることが、幸せなのです。
 私はこの贅沢を貫いていくために、なんでも自分でしなければならないと、いつも気を張っています。
 「なるべく人に頼らない」ことを、常に心がけているのです。

この姿勢。
なにも一人暮らしのお年寄りの教訓というだけではないと思います。

職場を見渡しても、人任せ、人に頼った働き方をしている人は大勢います。
もちろんひとりではできないことも多々あるでしょう。

しかし、最初から人をあてにするのではなく、「なるべき人に頼らない」という基本姿勢は絶対に持っておきたいと思います。

★人の「どこ」を見るべきか 

 人の悪いところなんて、三つの子どもでもわかる。
 意地悪な人とか、妙な格好している人とか、一目見れば子どもだってすぐにおかしいとわかるだろう。
 でも、人のいいところは大人じゃないと見抜けない。
 だから、いいところを見たほうがいい。
 そのほうが自分の心の養いになる。

 私は夫からよくそう言われました。

 人のいいところ、優しいところ、美しいと思えるものは、どんなに小さくても見逃してはならない。
 嫌な面は、見えても見るな。

 そう言われつづけました。

人生でかかえる問題の原因の多くが”人間関係”だと思います。
だからこそ一人暮らしは最高の贅沢なのですが、社会で生きていく以上いろいろな人と関わることは避けられません。

ならばせめて、人の嫌な面は見ずに、いいところ、優しいところ、美しいところだけを身て生きていきたい。
そのほうがきっと楽しい人生になると思います。

★人付き合いは”八分目”でも多すぎる

 そうして学んだことは、どんなに親しい相手であっても、相手の心に踏み込み過ぎてはいけないということでした。
 腹八分目といいますか、人付き合いでは八分目でも多すぎるかもしれません。<中略>

 ここまでは、踏み込まれたくない。

 この境界線の引き方は、人それぞれです。<中略>

 そうなのね。
 私とは違うのよね。

 と受け止められれば、大人の付き合いになるでしょう。
 自分の価値観と、相手の価値観の違いを知り、受け止める。
 それが、八分目のお付き合いと私は思うのです。

人間関係は”適度な間合い”が大切だと最近つくづく思います。
親身になってくれる人というのは本当にありがたいですが、人それぞれ誰にも入られたくない”自分の領域”があるものです。

そこを超えるからトラブルになる。
これは親兄弟もいっしょです。

お互いの国境ラインを知った上でのお付き合いができる間柄が、一生の友となると思います。

★「孤独」とうまく付き合う

 ひとりでもいいじゃない。

 わたしはそう思います。

 ひとりは孤独。

 そう思う人もいるでしょう。
 でも、孤独でいいではないですか。
 孤独な自分と、道連れになっていけばいいではありませんか。

僕は孤独が好きです。
孤独を楽しむのは最高の贅沢だと思います。

もちろん気のおけない友たちとワイワイやるのも大好きです。
友との楽しい時間も人生でとても貴重な時間だと思います。

しかしこれはONがあるからOFFがあるように、両極を知ることで、どちらもさらに素敵な時間となるような気がします。

常に誰かがいないと寂しいと思う人は、実はまだ本文くらいしか人生の贅沢を知らないのかもしれません。

★「自分を知る」と生きやすくなる

 自分という人間がどれだけのものか。

 私たちは、それを知っておかなければならないと思います。
 自分がどれだけちっぽけなものなのか、という意味ではありません。
 自分ができること、やるべきこと、そして自分はどうありたいと思っているかを、知っておくということです。
 「自分を知る」というのは古い言い回しかもしれませんが、それによって人は生きやすくなります。
 やるべきこと以外のところで、無用な努力や競争をしなくてすむからです。

長く生きれば生きるほど、あらゆる”可能性”が小さくなっていく。
それは事実かもしれませんが、そんなふうな考え方はしたくありません。

むしろ、自分の可能性が深化していく、研ぎ澄まされていく、そんなふうにとらえて生きていきたいと思います。

★下り坂の風景も楽しい

 人生における下り坂とは、要するに、歳をとって、人生の折り返し地点を通り過ぎ、仕事もプライベートもある程度の結果を出したあとのことです。心には余裕が出ています。周りに目が向くようになり、若い時には見えなかった色々なことが見えるようになります。
 そして、下り坂の風景もいいものだな、と気づくようになるのです。
 ここでもし、できなくなったことや、失ったことばかりを惜しんでいたら、自分を取り囲む美しい風景も色あせて見えてしまうでしょう。ですから、今あるもの、できることに焦点を当てることが大切だと、いつも自分に言いきかせています。

僕はまだ著者の半分も生きていませんが、それでもできないことが徐々に増えてきています。

ですが、それもまた楽しいと思いたい。
土日もなく必死に働いてきた若いころには見えなかったものが少し見え出したからです。

この先、子どもたちが巣立っていけばまた少し余裕ができるでしょう。
さらに先には退職後の生活があります。

今できること、将来したいこと。
常に今から前の方向を見て生きていきたいと思います。

『ほんとうの贅沢』まとめと感想

ほんとうに久しぶりにいい本を読んだなというのが正直な感想です。

著者の人生観、生き方がとても凛として清々しく、心地良い読後感に包まれました。

これまで「こんなふうに歳を取りたい」とか「こんな素敵なお年寄りになりたい」と思える人はたくさんいましたが、吉沢さんの本は「こんな人生観で生きていきたい」という感じ。

この微妙なニュアンスの違いはなんなのかというと、この本を読んでも不思議と”年寄り臭さ”を感じないからです。

これは僕の推測ですが、その原因は吉沢さんが”現役”だからだと思うのです。

自分の足で立つ生き方の肝の部分というのは、生涯現役というのが一つのキーワードなのかもしれません。

わたしも生涯現役のプロブロガーを目指そうかな。

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本書はあさ出版編集者の小川様から献本していただきました。
ありがとうございました。

『ほんとうの贅沢』目次

はじめに
1章 いくつになっても「自分の足」で立つ
2章 自分なりの「価値観」を持つ
3章 「踏み込まない」「踏み込ませない」人付き合い
4章 「自分らしく」生きるとは
5章 人生をどう「しまう」か
おわりに

『ほんとうの贅沢』関連書籍

吉沢久子さんの著書を紹介しておきます。

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