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久世浩司 (著)『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』SBクリエイティブ【本の紹介】逆境でも強気でいられるためのレジリエンスの鍛え方

おはようございます、一龍です。
近年、鬱病など心の病で不調を訴える人が増えてますよね。
私の職場にもストレスが原因と思われる体調不良でダウンする人が毎年出ています。

その一方で、大量の仕事に追われ、大きな責任を背負っているにもかかわらず、むしろいきいきと働いている人もいます。

どうすれば逆境や困難、強いストレスに強くなれるのでしょうか?

今日は久世浩司(著) 『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』から、 「逆境力」=「レジリエンス」のトレーニング方法を紹介します。

『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』より、レジリエンスを鍛えるポイント

★レジリエンスとは

まず、「レジリエンス」という言葉について

レジリエンスとは「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」と定義される、いわば「逆境力」と言える力です。

そしてこのレジリエンスを発揮するには、主に3つの段階があるそうです。

第1が、ストレスや失敗、逆境後に精神を深く落ち込ませない「底打ち」です。
第2が、落ち込んだ気持ちをスムーズに元の状態に回復させる「立ち直り」です。
第3が、困難を乗り越えた経験を振り返り、意味を学ぶ「教訓化」です。

こころの強い人というのは、このレジリエンスが強いわけですが、これらは誰でもトレーニングすることで強くなるそうです。

だれでも逆境やストレスに負けないこころの強い人になれるのです。

それでは上記の1〜3のステップにそって、トレーニング方法を紹介します。

★心を鎮める「マインドフルネス呼吸法」

逆境に負けないレジリエンスを高めるための最初のステップは、精神的落ち込みを「底打ち」することです。

 ネガティブ感情に対処するには、まずそのエネルギーの強い感情を沈静化しなくてはいけません。そこでおすすめなのが「3分間マインドフルネス呼吸法」です。

その方法は

 ストレスを感じたら、静かな場所を見つけて、腰を下ろしましょう。両手は膝の上に軽く置いて、意識を鼻腔に集中します。そして鼻から息をゆっくりと吸い、その後同じく鼻から息をゆっくりと吐く呼吸を行います。目安は吸うのが4秒、吐くのが6秒で、呼吸の1ラウンドが約10秒となります。これを約3分間続けます。

 

深い呼吸が心を落ち着かせる作用は昔からよく言われますよね。
ほんの数分、静かに無心に落ち着ける場所を普段から探しておくといいと思います。

★ネガティブ感情を解消する「気晴らし」の習慣

これは経験的に皆さんも納得されると思いますが

 しつこいネガティブ感情を解消するには「感情の気晴らし」が有効です。

 その方法には、主に4つの系統があります。

 1つ目が、エクササイズやダンス、各種スボーツなどの「運動系」です。
 2つ目が、隙な音楽を聴き、楽器を演奏する「音楽系」です。
 3つ目が、ヨガや瞑想、散歩などをして息を整える「呼吸系」です。
 4つ目が、感情を文字で書き出すことで沈静化する「筆記系」です。

この4つ、もちろん個人の好みで実行すればいいと思います。
運動苦手な人が無理に運動系をやってもストレスが溜まるだけですから。

ただ、「運動系」が世界的には流行っているというか多数派のようで

 これらの中でも、ビジネスの世界で一流と言われる人は、「運動系」に大変高い関心を置いているように思えます。その理由は、健康維持もそうですが、それを超えた「ウェルビーイング」、つまり肉体を最適な状態に保ち、心も幸せにさせることに熱心なエリートが世界中で増えてきているからだと思われます。 

★あなたの足を引っ張る7種類の「思い込み犬」

もう一つネガティブ感情に対処する方法を紹介しましょう。

 ネガティブ感情に対処するには、根本原因である「思い込み」を知る必要があります。

実は、逆境やストレスの根本原因の多くは、根拠の無い単なる「思い込み」の場合が非常に多いのです。
ただしこの「思い込み」はかなり強力な障害です。

これらの対処方法で本書ではユニークな方法を紹介しています。

 心理学者のイローナ・ボニウェル博士は、それらのマイナスの思い込みを7種類に分類しました。わかりやすく理解できるように、それぞれに「犬」の名前をつけています。

その7つの「犬」とは

批判犬、正義犬、負け犬、諦め犬、心配犬、謝り犬、無関心犬

の7つです。
これらの「犬」を私たちは知らず知らずのうちに、心の中に飼っているんですね。

 皆さんの心のなかにも、過去の人生のどこかで頭の中に住み着いた「思い込み犬」が何匹かいるはずです。その「思い込み犬」が、不安に直面すると、心の中でワンワンと吠え出し、胸をざわつかせ、値だティブ感情を発生させ、問題行動の引き金となってしまうのです。

著者は言います。

「そんな思い込みは、捨てなさい!」と口を大にして言いたいです。思い込みに支配されて暮らすと、どうしても弱気になってしまうからです。

ともか思い込みを捨てましょう。
目の前の問題は意外と難しく思い込んでいるだけの場合が多いものですよ。

なお、本書巻末に全7種類の思い込み犬カードが付録として付いています。
「思い込み」をどうしても捨てられない、もしくは自分の思い込みが何かわからないという方は、本書でしっかり自分の思い込みの見つけ方と対処法について学んでみてください。

★「立ち直り」のための4つの習慣 

さて、ステップ2です。

 ステップ2が「立ち直り」です。落ち込んだ心理を元の状態までスピーディーに回復する段階です。ここで必要となるのが心理的な筋肉である「レジリエンス・マッスル」です。この立ち直りのための心理的な筋肉を鍛えるには4つの方法があります。

その4つとは

1「やればできる」と信じる自己効力感を身につける
2 自分を特徴づける「強み」を活用する
3 心の支えとなる「サポーター」をもつ
4 感謝のポジティブ感情を高める

ここで一つお伝えしておきたいことが。
それは

 これらの技術は、仕事でストレスを感じるたびに訓練することができる

ということです。
特に特別なトレーニングの機会など用意しなくていいんです。

日頃の仕事でのストレスを利用して自分の心を強くたくましくトレーニングするという逆転の発想で、仕事に向かえばいいのです。

★時折立ち止まり、振り返りの時間を持つ

 レジリエンスのステップ3が「教訓化」です。

 逆境力の高い人は、時折立ち止まって、振り返りの時間を持つ習慣を持っています。一人きりになって過去を振り返り、その体験にどんな意味があったのか、どんな教訓が隠されていたのかを内省するのです。

その内省の時には

・困難を乗り越えるために、どんな「強み」を発揮したのか?
・過去の辛い体験には、何か共通点はないか?

といった問いかけを静かに、じっくりと自分に行うのです。

よく、起こることは必然といいますよね。

 体験した時には逆境に思えても、後から振り返ると自分を成長させ、一皮むける貴重な機会となる場合もあります。

逆境を貴重な学びに変えましょう。

 内省と教訓化は、逆境後の成長を振り返り、自分の内面にある貴重な経験値を結晶化する有意義な習慣です。

『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』まとめと感想

本書冒頭に、未来への見通しがつかない「VUCA」な時代という言葉が登場します。

「VUCA」とは「不安」「不確実」「複雑」「曖昧」の英語の頭文字をとった略語ですが、変化の激しい現代を言い得て妙ですね。

企業の寿命が10年と言われる世の中ですから、我々は今現在特に問題がなくても、何かしら漠然とした不安をずっと持ち続けるのが常態化していると思います。

こういった時代を生きる我々は仕事のスキルアップはもちろんしていくべきでしょうが、メンタルな部分のトレーニングもこれからは欠かせないと思われます。

実は本書は、今日ご紹介した部分が最初の3分の1。
いつも「強気」でいるためには、これだけでは不十分です。

 ただ、どんな状況でも「強気」でいるためには、もう一つの心理的な力が必要となります。

それは「希望力」と言われる力です。
本書後半では

「希望理論」に裏打ちされた「ウェイパワー」と「ウィルパワー」を身につければ、逆境から立ち直るだけでなく、強気に前進することができるのです。

とあるようにあと二つの重要なスキルが紹介されています。

レジリエンス力がアップし、逆境に対してある程度耐性がついたと感じたら、あるいはすでにレジリエンス力がある程度高いと思う方はぜひ後半で紹介しいる「ウェイパワー」と「ウィルパワー」のトレーニング方法も試してみてください。

本書はSBクリエイティブ株式会社、編集者の木村様から献本していただきました。
ありがとうございました。

 

『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』目次

はじめに
第1章 誰もが逆境に直面する時代に必要な「レジリエンス」
第2章 「希望力」とは何か?
第3章 希望力を高める習慣① ウェイパワーを鍛え、多くの見通しをもつ
第4章 希望力を高める習慣② ウィルパワーを鍛え、心のスタミナを浪費しない
おわりに

 

『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』関連書籍

久世浩司氏の前作はこちら。

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