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考えるスキルを身につけたければ、まず「なんとなくを言葉にする力」をトレーニングしよう

おはようございます、一龍です。

普段、「なんかうまくいっかないよなぁ」とか「どこかがおかしいよなぁ」といったことを職場で感じることはありませんか?
でも、その原因を顕在化することはかなり難しいものです。

今日ご紹介する 『誰も教えてくれない 考えるスキル』 には、問題を顕在化し、解決していく方法が解説されています。

今回はその最初のステップに当たる部分をご紹介します。

 

なんとなくを言葉にするポイント

 

★「なんとなく」しか分かっていない

著者は業務プロセスや開発プロセスの改善、リエンジニアリングのコンサルティングを行うことがあり、その際には次の4つのすテップで進めていくといいます。

「機能の洗い出し」→「現行プロセスの定義」→「ギャップ分析」→「代替プロセスの定義」

この4つのステップのうち、もっとも苦労するステップは「代替プロセスの定義」だと思われがちですが、実は「現行プロセスの定義」なのだそうです。

いま自分たちがやっていることを図や文章で表現することができないのです。

それはなぜか。

 自分たちが今何をどのように加工して、どんな成果を生み出しているのか、ということを自覚していない。「なんとなく」なんですね。仕事もなんとなく、作業もなんとなく、プロジェクトもなんとなく、これでうまくいくはずかありません。突き詰めて考えるには、なんとなく思っていることをきちんと定義し、思考の基盤をつくる必要があります。

哲学でもそうですが、なんとなく思っているだけではそれは思考になっていません。
なぜなら我々は言葉で思考するからです。
言葉にできて初めて思考となり、それを表現して他の人に伝えることができるのです。

問題解決も同じで、対象となる課題や問題を解決するためにはその周辺の事象も含めて言葉で定義しなければならないのです。

★なんとなくを言葉にするトレーニング方法

では、問題解決の第一歩であるなんとなくを言葉にする力はどんなトレーニングをすれば身につくのでしょう。

著者は次の3つの方法を紹介してくれています。

一つ目

 一つは、具体的な例について考えてみることです。普段、例えば「計画」というワードを定義しようと思ったら、普段自分たちが「計画」と呼ばれることをしているときに、何をしているのかを思い返してみる。そして、「これってつまりは何をしているんだ?」と言葉にしてみる。

普段あたりまえにこなしている業務を、その本質を意識してみる。
そして言葉にして表現してみる。

2つ目、

 2つめは「そうでないもの(反対語)を考える」という方法です。「二項対立で考える」と言ったりしますね。例えば、「男と女」「生と死」「善と悪」なんかが代表的な二項対立です。人間は二項対立でしか物事を理解できないといわれています。言葉の意味は、そうではないもの、対立するものの言葉と比べてみて初めてわかる。生きているとはどういうことかを知るには、死んでいるということと比べてみて初めてわかる。

対立するものと比較することで、思考の対象の本質が際立ってくるということです。

3つ目は

 あとは、「似た言葉との違いを考える」というやり方もあります。「これとこれって微妙に違うけど、どういう違いがあるのだろう」ということですね。似ているけれども違う、その違いにこそ、意味があります。違いに着目することで、それ自体を理解するというやり方です。

本書でも例として取り上げられている「戦略」と「戦術」の違いなどは職場でもよく使う単語ですからトレーニングとして考えてみるのもいいですね。

似ているけれど違いに注目することで、その言葉の本質がよりクリアに理解できます。

★絵にしてみる

さらになんとなくを言葉にするトレーニングの細かいアドバイスを幾つか紹介しましょう。

例えば「絵にしてみる」というのもいい方法です。

「似た言葉との違いを考える」方法のひとつとして、本書では「問題」と「課題」の違いを絵にしてみてくださいというお題が登場します。

皆さんできるでしょうか?
私は考えこんでしまって手が止まってしまいました。

この言葉の違いを得にするというのはかなり難しいですよね。
でも、この考えこんでしまうのが大切なところ。

 いかがでしょうか。描けましたでしょうか。絵にするプロセスが大事です。絵にするというのは、本質を抜き出してそれを表現することです。なんとなくわかっていること、なんとなく思っていること、感じていることを明確にしなければ絵は描けません。そのプロセスが非常に重要です。絵にするというのは、関係性を把握する上でも役立ちます。

ちなみに本書で紹介されている絵はこちら

問題とういのはギャップとして表されています。
そしてこの絵から「課題」とは、そのギャップを埋めるために取り組まなければならない具体的テーマ、施策だということが導き出されます。

★ワンフレーズで言い切る

なんとなくを言葉にする場合、わかりやすさもポイントになると思います。

では、わかりやすく表現するためのポイントは何でしょう。
著者は「ワンフレーズで言い切る」ことだとアドバイスしています。

 定義するときは、いつでも頭の中から引っ張り出せるように「ワンフレーズで言い切る」のがコツです。「コントロールとはギャップの把握と是正措置である」「マネジメントとは機能する状況を作ることである」「分析とは事実を明らかにすること」みたいにです。そうやって、自分の中に定義をたくさんストックしていく。すると、思考の基盤がだんだん強化されていきます。そして自分が話している中で、「あ、これ、定義できていないな」という言葉は使わない、もしくはその場で定義してから使うことが重要です。

文章術でも文章をできるだけ短くすることが、わかりやすい文章を書くコツとされています。

普段から、自分の業務を「ワンフレーズで言い切る」ことを意識して定義しておけば、伝わりやすい指示ができるようになるはずです。

逆に定義できていないと、マネージャーとしてブレる原因になりそうです。

★ ビッグワードや包括定義は使わないか、定義してから使う

最後にもう一つアドバイス。

使用者によっていろいろな意味に取れる、大きな意味で使われるビッグワードや包括概念に関しては潔く使わないか、あるいは自分自身で定義して、もしくはチームで共通した定義を共有してから使うようにしましょう。

でないと、間違って伝わったり、チームでバラバラな認識を持つことになります。

これは文章を書くときも同じ。
著者はいいます。

 文章を書くときもそうです。ビッグワードや包括概念は使わないことです。他人の文章を読んでいて、「この人はわかっていないな」「定義が自分の中でできていないな」というのはすぐにわかります。包括概念をあいまいなまま、自分でもよくわからないまま使っているのです。きちんと自分の定義ができている人は、包括概念であってもその言葉の使い方が明確です。

そして、

 今まで自分が作成した文章を読み返し、その中で使っている言葉が定義できているかどうかを確認してみてください。これから文章をつくるなら、よくわからなくてなんとなく使っている言葉がないかどうか確認してみてください。それが掘り下げて考えるということです。「定義をしていない言葉は使わない」「自分の中で定義できていない言葉を使わない」という癖をつけてください。

これはかなりドキッとした部分です。
これまでブログを書いてきましたが、自分ではブレてないつもりでも、全然「定義」できていませんから、ちょっと読み返すのは怖いですね。

普段から文章を書く仕事の方はぜひ、自分が使っている言葉の定義をしてみてはいかがでしょう。
そのトレーニングを積むと考えるスキルの基礎が養われるとともに、ブレない文章が書けるようになると思います。

なぜなら、文章の基礎は思考だからです。

感想とまとめ

本書でも書かれていますが、不思議なことにロジカルシンキングの方法は学校では教えてくれません。
「考えるスキル」は自分で身につけるしかないのです。

そういうと非常に難しいことのように思ってしまいますが、本書では5つのステップに分けて解説してくれていて、段階を追って自分で意識してトレーニングしていくことで、身に付けることが可能となっています。

その5つのステップとはこちら。

5つの「思考スキル」

「なんとなくを言葉にする力」
「関係をつなぐ力」
「構造化する力」
「エッセンスを抜き出す力」
「抽象の階段を上り下りする力」

このうち、最初の「なんとなくを言葉にする力」だけを今回紹介しました。

なぜかというと、これが一番難しく、しかも重要だと考えるからです。

人間は必ず言葉で思考します。
そして、言葉で他人に伝えます。

乱暴な言い方ですが、そこに問題が存在していても、それを言葉で表現できなければ、その問題は存在していないのも同じなのです。

なぜなら、認識できないし、伝えられないからです。

「なんかうまくいっかないよなぁ」「どこかがおかしいよなぁ」というのは実際の現場で多くの人が感じることができます。

これを言葉で表現できてはじめて問題解決のスタートとなるのです。
本書のメソッドを普段から練習して、「言葉にする力」をぜひ身につけたいですね。

◆まとめ

 

・普段、自分たちが何をしているかを考える
・言葉にしてみて定義する
・定義はワンフレーズで言い切る

本書は著者の芝本秀徳様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

まえがき
第1章 みんな悩んでいる
第2章 問題解決プロセスと、5つの思考スキル
第3章 なんとなくを言葉にする力
第4章 関係をつなぐ力
第5章 構造化する力
第6章 エッセンスを抜き出す力
第7章 中傷の階段を上り下りする力

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