本を耳で読む Amazon Audible 30日間無料体験キャンペーン実施中

予期せぬ成功をイノベーションにつなぐポイントとは

おはようございます、一龍です。

世の中には、偶然の発見や発明が大ヒット商品になった例がたくさんあります。
そういったラッキーヒットはどうすれば生まれるのでしょう。

今回は『イノベーションと企業家精神【エッセンシャル版】』 から、予期せぬ成功をイノベーションにつなぐポイントをご紹介します。

 

予期せぬ成功をイノベーションにつなぐポイント

 

★イノベーションのための7つの機会

本書の中でドラッカー氏はイノベーションの機会として次の7つを挙げています。

イノベーションのための7つの機会
第1の機会 予期せぬ成功と失敗を利用する
第2の機会 ギャップを探す
第3の機会 ニーズを見つける
第4の機会 産業構造の変化をしる
第5の機会 人口構造の変化に着目する
第6の機会 認識の変化をとらえる
第7の機会 新しい知識を活用する

で、どれも至極納得なのですが、私が非常に意外で、面白いなと思ったのが、この順番に対しての解説。

 ただし、これらの7つの機械の順番には意味がある。信頼性と確実性の大きい順に並べてある。一般に信じられていることとは逆に、発明発見、特に科学上の新知識に基づくイノベーションは目立ち重要ではあっても、信頼性は低く成果は予測しがたい。
 これに対し、日常業務における予期せぬ成功や予期せぬ失敗のような、不測のものについての平凡で目立たない分析がもたらすイノベーションのほうが、失敗のリスクや不確実性ははるかに小さい。またその殆どは成否は別として、事業の開始から成果が産まれるまでのリードタイムがきわめて短い。

なんと、「第1の機会 予期せぬ成功と失敗を利用する」というのが一番イノベーションを起こす信頼性と確実性が高く、しかも成果が産まれるまでのリードタイムが短いというのです。

★予期せぬ成功はほとんど無視される

 

 予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。これほどリスクが小さく苦労の少ないイノベーションはない。

としつつも、

しかるに予期せぬ成功はほとんど無視される。困ったことには存在さえ否定される。

と言っています。
本書ではメイシーというニューヨークの百貨店の例が登場しますが、なぜ予期せぬ成功はほとんど無視されるのかというと、

マネジメントにとって、予期せぬ成功を認めることは容易ではない。勇気が要る。同時に現実を超駆使する姿勢と間違いを素直に認めるだけの謙虚さがなければならない。予期せぬ成功をマネジメントが認めないのは、人間誰しも、長く続いてきたものが正常であって、永久に続くべきものと考えるからである。自然の法則のように受け入れてきたものに反対することは、すべて異常、不健全、不健康として拒否してしまう。

からなのだそうです。
これ、すごくわかりますね。
コンフォートゾーンから出られないというか、変化を認めたくない心理が無意識のうちに働いているわけです。

また、予期せぬ成功は気づかれない、注意もされない、利用されないまま放っておかれるということもよくあるといいます。

では、どうすれば予期せぬ成功を見逃さず、イノベーションにつなげることができるのでしょう。

★仕組み作りとマネジメントの問い

ドラッカーは

予期せぬ成功がもたらすイノベーションの機会を利用するには分析が必要である。

として、予期せぬ成功とは ”兆候である”、”イノベーションに対する要求でもある”のだから、予期せぬ成功が必ず目にとまる仕組み、注意を引く仕組みをつくることが大切であるとしています。

マネジメントが手にし、検討すべき情報の中に適切に位置づけることである。

そうした仕組みを作ったうえで、

そのようにして提示された予期せぬ成功のすべてについて、マネジメントたる者は次のように問わなければならない。

として、4つの問を挙げています。

(1)これを機会として利用することは、わが社にとっていかなる意味があるか。
(2)その行き着く先はどこか。
(3)そのためには何を行わなければならないか。
(4)それによって仕事の仕方はいかに変わるか。

しかしこの4つの問は、至極ごもっともなのですが難しいと思いませんか?
これができるのは相当の”目利き”のような気がします。

ドラッカーも予期せぬ成功は要求するとして、

正面から真剣に取り上げられることを要求する。間に合わせではなく、優秀な人材が取り組むことを要求する。マネジメントに対し、機会の大きさに見合う取り組みと支援を要求する。

としています。

気がつき、見抜くことができるかどうか、それはマネジメントの腕次第。
と言ってしまうと乱暴ですが、実際本書を読んでいると、マネジメントが大きな機械をみすみす見逃した例や、またその反対にビッグチャンスを掴んだ例がたくさん登場します。

機会はわれわれの想像する以上にたくさんあるようです。

あとはそれに気がつき、見抜くことができるかどうか。
まずは仕組み作りで腕が問われるところでしょうか。

本書はダイヤモンド社、市川様より献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

第1部 イノベーションの方法
第2部 企業家精神
第3部 起業家戦略

関連書籍

あの一大ブームを巻き起こしたベストセラー、『もしドラ』の続編。
今日ご紹介した『イノベーションと企業家精神』を題材にしています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA