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かなりショッキング!長谷川慶太郎・田原総一朗両氏による『2020年世界はこうなる』から中国の動向予測のポイントをまとめてみた

おはようございます、一龍です。

中国に端を発する株安が続いていて、中国の景気減速が気になるところです。

今日は、長谷川慶太郎、田原総一朗両重鎮による対談、『2020年世界はこうなる』から、中国の今後についての部分をピックアップてみました。

かなり厳しい、危険な予測がされています。

 

長谷川慶太郎、田原総一朗氏による今後の中国動向予測のポイント

 

★高級マンションがゴーストタウンになった理由

 

長谷川:中国には浙江省、広東省とか、いろいろな省がありますが、各省の幹部・役人が、中央政府の打ち出した目標経済成長率の達成のために「(各省の)経済成長率を何パーセントに上げろ」と部下に命令するわけです。目標の達成が各省の幹部・役人にとって一番の出世につながるからです。達成できないと左遷されてしまいます。ですから成長率を上げる手っ取り早い政策を模索するわけです。その結果、浮上してきたのが「不動産投資」で、これが中国全土での高層マンションの建設ラッシュにつながったわけです。高層マンションを建設した当初、確かに売れて資金の回転が効いていた段階もありました。それがアッと言う間に過剰になってしまった。ですから今はピタリと売れなくなりました。価格は暴落し、膨大なカネが焦げついているのです。

★経済成長を達成するための4つの条件

 

(1)民族対立がない事
(2)農地改革をしている事
(3)教育システムが確立しているか
(4)民主主義である事

長谷川:今言った4つの条件すべてが実行されていません。ですから中国経済は間違いなくつぶれます。

★習近平の指示ではない南シナ海の岩礁埋め立て

 

長谷川:南シナ海における滑走路建設は、習近平の指示ではないのです。これは「南海艦隊」が勝手にやっている事なのです。

 

長谷川:中国海軍というのは「北海艦隊」「東海艦隊」「南海艦隊」の3つの艦隊からできています。この3つの艦隊は、それぞれ独立しています。それで、お互いにものすごく仲が悪いのです。この3つの艦隊を統合した合同演習は一回もありません。ただ、もともと人民解放軍は共産党を守る軍隊でした。しかし今では、共産党と人民解放軍の立場は逆転したと考えていいでしょう。人民解放軍の下に共産党があるのです。共産党は革命政党をやめて国民党になった。国民政党となり、改革開放路線を推進し、経済発展を遂げようと思うと、共産党は「平和」を追求しないといけません。そうなると軍隊である人民解放軍の存在が問われる事になります。一方、人民解放軍は「現在の堕落した中国社会・経済を築いたのは、改革開放路線を推進している現在の共産党」という思いが強いのです。だから中国人民解放軍は、共産党の命令には従いません。

★7つの軍区に分裂する中国

 

長谷川:はい。はっきり申し上げますと、中国は近いうちに分裂します。というのは中国人民解放軍には7つの大軍区(「北京軍区」「瀋陽軍区」「蘭州軍区」「南京軍区」「成都軍区」「広州軍区」「済南軍区」)があります。この7つの大軍区が全部独立を宣言することになるでしょう。そもそも各軍区で使われている言葉が違いますし、風習も主食も文化も全く違います。たとえば東北山省にある「瀋陽軍区」は一番戦闘力の強い部隊を持っていますが、主食は何かというと小麦とコウリャン(イネ科の穀物)です。一方、南の広東の「広州軍区」は米です。それほど違いがある。これを統合すること自体がムリなのです。

 

長谷川:ですから中国経済の破綻をきっかけにして、各軍区で中国国内はバラバラになります。必ず分裂する。その事が目に見えています。

感想

長谷川慶太郎氏と田原総一朗氏の対談というよりは、田原氏の質問に長谷川氏が答えるという形式の問答集といった感じで進んでいく本書。

長谷川氏にバッサリ意見を切られてしまう田原さんというのは妙に新鮮でした。

さて、今回は本書から中国関連の部分をピックアップしました。

中国経済の減速、バブル崩壊はすでにいろいろなところで語られています。

ショッキングだったのは、習近平氏ではこの経済危機を乗りきれないということ。
そして、経済崩壊を機に、中国の各軍区の解放軍が独立して内戦状態になるという予測。

そうなると日本としては経済的な影響だけでなく、軍事面でも巻き込まれる可能性が出てきます。
また、本書では語られていませんが、難民が押し寄せる可能性もあります。

この中国分裂の時期については、長谷川氏もわからないとおっしゃっていますが、経済危機が引き金になりそうだということですので、そう遠くない将来という感じがします。

中国はまた春秋戦国時代になるのでしょうか。

それにしても長谷川慶太郎氏、御年90歳近く、アラナインティーですよ。
ですが、この情報量と分析力。

天津爆発事故のその後についても、まったくおっしゃるとおりですし、本書で語られていることがいちいち「そう言われると辻褄が合う」というものばかり。

本当に恐れ入ります。

なお、中国の今後の予測に関連して、北朝鮮の拉致問題にも触れていますが、拉致問題のバックにある外務省の抱えている問題というのが非常に興味深かったです。

真偽のほどは僕には図りかねませんし、日本のマスコミは書かないことなので、この内容については是非本書でご確認ください。

本書はSBクリエイティブ様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに 田原総一朗
第1章 誰にも止められない中国崩壊
第2章 アメリカ、ロシア、日本はどうなる
第3章 なぜ共産主義は国家をダメにするのか
おわりに 長谷川慶太郎

関連書籍

中国の動向をテーマにした長谷川慶太郎氏の著書。

三橋貴明氏のこちらの2冊も注目です。

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