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生産性を高めて忙しさから脱出、自分の時間を取り戻すためのポイント

 

おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。

「ブラック企業」とか「過労死」といった言葉をよく聞く一方、「人工知能」とか「自動運転」など新しいテクノロジーが既存の仕事を奪っていく予測もよく聞くようになりました。

労働環境がどんどん変わっている時期だということを実感するのですが、ではどうしたらいいのか。

その答えのひとつを提示してくる本が、人気ブロガーちきりんさんの新刊、『自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』 です。

社会はブロガーちきりんさんが提示する答えとは一体何なのか、早速そのポイントを紹介していきましょう。
 

 

生産性を高めて忙しさから脱出、自分の時間を取り戻すためのポイント

 

★「生産性」と「社会の高生産性シフト」について

 

生産性とは

ちきりんさんは、今後各個人が社会の中で「自分の人生を生きる」ために必要になってくるスキルは「生産性」を高めることだと言っています。

では「生産性」とは何なのでしょう。

生産性とは「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のことです。
<中略>「希少資源がどの程度、有効活用されているかという度合い」だと考えてください。

また、「生産性」は職業だけでなく、自分の時間を取り戻してオリジナルの人生を楽しむためには生活にも必要となってくるといいます。

「生産性の高い生活」とは、

生産性が高い生活とは、「時間やお金など人生の希少資源を最大限有効に活用し、自分が欲しいモノを手に入れる生活」です。

ということです。

いずれにしても、「生産性」とは以下の図式で求められます。

生産性は、「インプット=希少資源」と「アウトプット=手に入れたい成果」の比率として計算されます。つまり生産性とは投入した希少資源(時間やお金など)に対する成果の割合(比率)であり、希少資源がどれくらい有効に活用されたかというレベルを表す指標なのです。

高生産性社会へのシフトとは

なぜ「生産性」を高めることが必要なのか。
それは今後社会が高生産性社会へとシフトしていくからです。
それはいったいどういう意味なのでしょう。

高生産性社会へのシフトとは、「社会全体が、生産性が高まる方向にどんどん動いていく」という意味です。

そして、高生産性社会では

今後の社会では生産性の高いものが残り、生産性の低いものが淘汰されていく

ということが簡単に予測されます。

★「自動化しやすい仕事」が淘汰されるわけではない

ここで間違いがちなのは、新しいテクノロジーが取って代わる仕事は単純作業や機会化しやすい仕事だけではないということです。

(これから)なくなる仕事の多くは人工知能やロボットによって代替されるわけですが、それらは必ずしも「自動化しやすい仕事」ではありません。
 そうではなく、淘汰されるのは人工知能やロボット(以下〝キカイ〟)が担当したときと、人間が担当したときの生産性の差が極めて大きい仕事です。今は人間がやっている仕事で、それをキカイに担当させれば一気に生産性が上がる——そういう仕事から順にキカイに置き換えられ、その結果が社会の高生産性シフトにつながるのです。

例えばこれまでは難関資格を通らなければできなかった、それゆえコスト(人件費)が高い会計士や弁護士といった仕事も人工知能に奪われる可能性が高いのです。

★お金と時間は、両方とも”見える化”しよう

さて、我々にとって希少資源とは何でしょう。
それはお金と時間です。
どちらも大切なものですが、時間はお金に比べて見えにくく量を把握しにくいことから軽んじられる傾向があります。

 大半の人が「希少だ=いつも足りない!」と感じているお金と時間。どちらも希少資源ですが、この2つには大きな違いがあります。それは「お金は見えやすいが、時間は見えにくい」といことです。
 見えにくい時間は、見えやすいお金に比べてしばしば軽んじられます。有限感の持ちやすいものは、そうでないものより貴重に感じられるからです。

時間を見える化する工夫

そこで、時間を見える化する方法を著者は紹介しています。

図9には、横に12個、縦に10個のマス目が並んでいます。ひとつのマス目は1ヶ月を表し、横一列で1年、縦10段で10年です。マス目の合計数は120個。20代も30代も40代も120ヶ月しかありません。  今20代の人は、この120個のマス目のうち、すでに終わった部分を塗りつぶしてみてください。そうすれば20代があとどれくらい残っているのか、視覚的に確認できます。30代、40代の人も同じです。こうやって「時間を見える化」すれば、お金と同様、時間もとても大切な資源だと思い出せるでしょう。

お金を有効に使う

一方のお金に対しては、考え方を変えることを推奨しています。

 一方のお金については、いかに使う額を減らすかという節約術に頭を悩ませる人が多いのですが、それよりも「できるだけ有効に使おう!」と考えるほうが有益です。
 家計簿をつける目的としては、貯金や節約、無駄使いの抑制などが挙げられます。でもここではちょっと発想を変えて、「先月(or この半年で)もっともお金が有効活用された支出はなんだったか?」という視点で、お金の使い方を振り返ってみてください。無駄遣いをあぶり出すのではなく、もっとも有効に使われた支出=もっとも生産性が高まったお金の使い途をリストアップするのです。

大事なのは無駄遣いを減らすことではなく、価値ある支出を増やすことなのだということを忘れないようにしましょう。それがすなわち「お金の生産性を上げる」ということなのです。

★インプットを制限する具体的な方法

さて、ここからは「生産性」を上げるための具体的な方法を、本書よりいくつか抜粋していきます。
いずれも希少資源のひとつ「時間」に関する方法です。

1日の総労働時間を制限する

「何時まで働いても大丈夫」と思っていると生産性はあがりません。

 まずは今の仕事を、特定の時間で終わらせると決めてしまいましょう。たとえば、今、夜の9時までかかっている仕事は6時に終わらせると決めてしまうのです。そして、そのためには仕事のやり方をどう変えればいいのか、よく考えてみるのです。

 

ありえないと思えるくらい時間の足りない予定表を作る

個別の仕事に使う時間から予定表を作成するという人は多いと思いますが、その時のポイント。

 大事なのは、ありえないと思えるくらい時間の足りない予定表を作ることです。そうしないと生産性は上がりません。5時間で終わる仕事を4時間で終わらせるという目標では、少しばかり手や眼を速く動かし、休憩時間を削ると(=インプットを増やすと)達成できてしまいます。そういう「ほんの少し背伸びをしたくらいの目標」では、私たちは大きく仕事のやり方を変えようという気にならないのです。 だからどの仕事にも割り当てない時間をたっぷりと確保し、各仕事は「こんな短い時間ではとても無理」という状態にしてから、「その時間内で終わるやり方」をゼロベースで考える——これが生産性を上げるための秘訣なのです。

忙しくなる前に休暇の予定を立てる

これは手帳術や時間術でよく使われる方法ですが、先に自分のための時間を確保してしまうのです。

 もうひとつお勧めなのが、「忙しくなる前に」さっさと休暇の予定を決めてしまうことです。「ヒマになったら休暇をとろう」と考えている人の多くが休みをとれていません。なので、ヒマになるかどうかよくわからないタイミングで予定をいれてしまうのです。そうすれば仕事の締切が強制的に前倒しになり、「どうすればこの厳しい締切を守れるのか?」と考えざるをえなくなります。つまり休暇の予定を先に入れるのは「休暇をとるため」ではなく「生産性を上げるため」なのです。

★無駄な時間を減らすための具体的な方法

 

「すべてをやる必要はない!」と自分に断言する

次に無駄な時間を減らすための方法ですが、ここではまず意識改革からスタートです。
「全てをやらなければならない」、「すべてに全力投球する」という意識を捨てるのです。

仕事には「どうでもいいような仕事」や「優先順位の低い仕事」も多く含まれています。
大切なのは「重要で価値の高い仕事」にこそ時間を使うことです。

「すべての仕事をやる必要なんてまったくない。重要な仕事だけ終わればいいんだ」と思っていると、難しくても重要な仕事に最初に手をつけることができます。「これが一番重要な仕事なんだから、この仕事さえ終わればいい。これさえ終わっていれば、他の仕事は終わらなくても問題ない」と割り切れるからです。

 

 「全部をやる必要がある」と考えている人の多くは、やれば終わることからやり始め、付加価値の低い作業で仕事時間を埋め尽くしてしまいます。これでは肝心の重要な仕事では成果が出ません。
 誰でも「重要な仕事からやるべきだ」「重要な仕事により多くの時間を使うべきだ」とアタマではわかっています。でも実際にそうするのは難しい。その「難しいけれど正しい方法」を実践するために役立つのが、最初から「すべての仕事を終わらせる必要はない」と考えることなのです。

まず「やめる」

 

「やらなくてすむ方法が見つかったら、やめたい」と考えていても、いい方法が見つかることはありません。そうではなく、最初に「やらないと決めてから、やらなくてすむ方法を考える」のが、時間を捻出するポイントなのです。

時間の家計簿をつける

 

自分の生活のなかで、「生産性の低いこと」「止めるべきこと」を探すには、1週間でいいので、朝から晩まで何をしていたか、1時間ごとの詳細な行動記録を作ってみるのが役立ちます。そうするとなににそんなに時間がかかっているのか、手にとるようにわかります。

何にどれだけ時間を使っているかを記録するのに最近ではスマホアプリを使うと簡単に記録できます。

僕が使っているのはこちら。

これは有料アプリですが、無料アプリもたくさん出ているのでぜひ使ってみてください。
自分が何に時間を使っているかわかっているつもりでも、驚くような結果が出ると思います。

感想など

 

◆「働かないで欲しい」と望まれる人たち

いかがだったでしょうか。

今回のエントリーでは生産性を上げるためのスタート地点、「時間」を節約することや取り戻す具体的な方法に焦点を当ててみました。

ぜひ1つでも実行してみてほしいと思います。

さて、全体を通しての本書のテーマは、「生産性」を上げることなのですが、とにかくインパクト大でショッキングだったのは、高生産性社会へのシフトで「働かないで欲しい」と望まれる人たちが誕生するという部分。 

ベーシックインカム制度が実現できるかどうかはわかりませんが、高生産性社会では生産性が低く、働くことで社会にマイナスの価値を出している人たちは、どこかの段階で「働かないで欲しい」と望まれることになると。

そう言えば本書には「これ堀江貴文さんのことだな」と思わせる内容の記述がありますが、先日読んだこちらの本には関連した記事がありました。 

この本は著者永江一石さんのブログ記事をまとめたものですので、「More Access! More Fun! 永江一石のITマーケティング日記」 の以下の記事をお読みいただければと思います。

で、この記事の中で堀江貴文さんのこんなツイートが引用されています。

これ、まさしく「働かないで欲しい」と望まれる人たちに対してのツイートですよね。 

ただ、この方あまりに敵の多い方なので、あらぬ方向から攻撃を受けたようですが、堀江さんが言っていることはとてもよくわかります。

もちろん、僕は「仕事がデキる」高生産な人ではありませんが、平気で人の時間を奪う人が職場にいるんですよね。
 
本書中にも

言い換えれば、デキル人とは圧倒的に生産性の高い人であり、残念な人とは自分と周囲の人の時間を平気で無駄にする、生産性の低い人のことなのです。

とありますが、こういう人に限っていつも遅くまで残業しているんですよ。 

まぁ、仕事が遅いからなんでしょうけど、本人は「めちゃめちゃ忙しい」「俺は頑張っている」と勘違いしている。

しかも「残業するのが当たり前」と思っているから、早く渡して欲しいデータや書類を就業時間終わり頃に回してきて「ごめん遅くなって、明日までにお願い」なんてことを言ったりする。

自分が普段残業が常態化しているから、他人に残業させるのも平気なのです。

また、最近特に思うのですが、一番始末に負えないのがパソコン苦手な50代のオジサマ、オバサマたち。 

この世代の仕事ができる人と、できない人の差がハンパない。
中でもパソコンを毛嫌いする人たちの劣化ぶりはすさまじい。
この人達の犠牲になるのはたいてい若手なのですが「ちょっとおしえて〜」からはじまる時間泥棒ぶりはもう犯罪レベルです。 
 
本来生産性を上げるためのツールであるパソコンで自分や周りの人たちの生産性を下げる状態になっています。

でも、ここで注意して欲しいのが、この人達も最初からこんなんじゃなかったということなのです。

今、40代以上の人はよくわかっているはずです。そういう人の多くは最初からトロかったわけではなく、組織の中で「周りがトロいから、自分も全力で走る必要はない」と考えているうちに何年もかけて熟成され、自分自身もトロくなってしまったのです。 

パソコンスキルにしたって、僕が働き出した20代のころには、この先輩方はDOSパソコンを使いこなしていたんですよ。

「一太郎」とか「ロータス」とか、僕も教えてもらっていたんです。

それがいつの間にか時代から取り残されることになってしまった。
結局「変化についていく努力」をしなかった積み重ねが、現在の残念な結果となって現れているわけです。

 
そして、この人たちを見ての教訓は、誰でもこうなる可能性があるということ。
これは怖いですね。
 
そうならないためにも「生産性」を意識した働き方にマインドセットを変えていくことが肝心ですね。
これこそが現代社会のサバイバル能力の基礎となるものだと思います。

◆「時は命なり」

さて最後に希少資源について思ったことを。

希少資源には「お金」と「時間」の2つが挙げられていますが、みなさんはどちらがより大切だと思いますか?

僕は圧倒的に「時間」だと思っています。

そのきっかけはもう10年近く前になりますが、大病を患ったのがきっかけでした。

その時、自分が死ぬかもしれないという現実を突きつけられて、「人生は有限だ」ということを痛感したのです。

まさに「時は金なり」どころではなく、「時は命なり」なのです。

それ以来僕にとっていちばん大切な「資源」は「時間」になりました。

「お金」ももちろん大切ですが、はっきり言って「時間」があれば「お金」は稼げるんですよね。
でも、「お金」で「時間」はなかなか買えない。

しかし極稀にお金で時間を買うことができるんです。
たとえば長距離を移動するとき、高速バスではなく新幹線や飛行機のチケットを買う。
ルンバや食器洗い機を購入することは家事にあてる時間をお金で買うことです。

本書にもいくつかそういった具体例が登場しますが、生活のなかでよく観察していると「お金」で「時間」を買うことができるシーンがたまにあります。

そういったチャンスに目を光らせる、アンテナを張り続けることも高生産性につながると思います。

ぜひ自分の時間を取り戻し、自分の行きたい人生を生きるためにも本書を参考にしてもらいたいと思います。

目次

はじめに

序「忙しすぎる」人たち
1高生産性シフトの衝撃
2よくある誤解
3どんな仕事がなくなるの⁈
4インプットを理解する  希少資源に敏感になろう
5アウトプットを理解する  欲しいモノを明確にしよう
6生産性の高め方①  まずは働く時間を減らそう
7生産性の高め方②  全部やる必要はありません
8高生産性社会に生きる意味
終それぞれの新しい人生
さいごに  〜人生のご褒美〜

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