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脳の特性を活かしただれにでもできる簡単シンプルな英単語記憶法のポイント

おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。

僕は学生時代、英単語の暗記には本当に苦しめられました。
同じ経験をした方も多いことと思いますが、今日ご紹介するのはTOEIC満点の著者、西澤ロイさんの『頑張らない英単語記憶法』 です。

果たしてTOEIC満点の英語の達人はどんな英単語記憶法を実践しているのか気になりますよね。
それが意外にもとても誰にでもできる簡単シンプルな方法なのです。

今回は著者の英単語記憶法のベースとなる部分をご紹介したいと思います。

 

脳の特性を活かしただれにでもできる簡単シンプルな英単語記憶法のポイント

★大切なのは復讐だった

 
下のグラフはドイツの心理学者エビングハウスが行った実験結果をまとめた「忘却曲線」と呼ばれるものです。
 
 
この図から言えるのは「1日(以上)経つとかなり忘れてしまう」ということです。
と著者が言うように、暗記した次の日には記憶は半分に、そして1週間経つとほとんど覚えていない状態になります。

しかし、復習を繰り返すとどうなるか、下のグラフをご覧ください。

 
 

 

これは1日後、2日後、3日後に復習を行った場合の忘れ度合いを示しています。一度でも復習することで、忘れ方が緩やかになり、それを何度も繰り返すことで、記憶がかなり定着することが見て取れます。

「記憶する」ということにとっていかに復習が大切かということがわかると思います。

★覚え始めは1日以上放置しない

エビングハウスの忘却曲線から分かる記憶のポイントは、

忘れてしまうのは、反復をしないからです。そして、反復さえすれば必ず定着します。頭の良し悪しではなく、それに尽きるのです。

特に、

覚え始めのタイミングでは、1日以上放置しないことが大切。特に、記憶力に自信がない方や、年齢的に記憶力が怪しくなってきたという方は、1日空けては絶対にダメです。

ではどれくらいの頻度で復習するのがいいのでしょう。

 最初は「5分」の学習を1日の間に何度も繰り返すと良いでしょう。先程のエビングハウスなどの記憶に関する調査によると、20分後や1時間後にはかなりの部分を忘れてしまうという報告がされています。
 つまり、新しい英単語を覚える際には、最初は1時間以内、可能ならば20分以内に繰り返すのが良いと言えます。

★覚えたい情報を長期記憶に入れるコツ

さて、ここからは本書で著者の薦める英単語記憶法をご紹介します。
例として接客や飲食関係の10個の単語を挙げています。

以下の英単語についてそれぞれ、口に出して読んだ後、日本語訳を思い出して、声に出してください。

1.stock 2.fitting room 3.change 4.buckwheat noodle 5.slurp 
6.yellowtaill 7.fried rice 8.delicacy 9.expired 10.refund

日本語訳は以下の通り。

1.在庫 2.試着室 3.おつり 4.蕎麦 5.(麺を)すする 
6.鰤(ブリ) 7.炒飯 8.珍味 9.期限切れの 10.返金

最初に

英単語を見て日本語訳がパッと思い出せるように、練習してみましょう。まずは英単語を口に出して読み、日本語訳を思い出して、さらに声に出してみましょう(例「stock(ストック)・・・在庫」のように言う)。
(単語の読み方を覚える際にも、音情報が短期記憶に入りますから、繰り返し口に出すことが思い出すことになり効果的です。)

全ての単語が2〜3秒以内にひと通りいえる状態になったら、そこからが本当のスタートです。
短期記憶から長期記憶に入れる作業です。

 次にやるべきことは「1〜2時間後の繰り返し」です。(記憶力に自信がない人はあまり空けずに10〜30分後が良いかもしれません)。

 

 そして、再び1〜2時間を空けて、また同じことを繰り返してみてください。この繰り返しが楽に行えるようになったら、今度は半日か1日くらい時間をおいてやってみましょう。

 

 1日空いても問題なく思い出せるようであれば、次は2〜3日くらい空けてみてください。このころになると、しっかりと記憶に定着していることが感じられるでしょう。情報が長期記憶に格納された証拠です。

脳は繰り返し覚えようとする情報を「重要なもの」と認識する特性があります。
そして「重要なもの」は忘れてはいけないので長期記憶しようとするのです。

ところで、この記憶方法は何度も繰り返すことが面倒くさそうと感じるかもしれませんが、著者が

 やるべきことは「思い出す練習」だけです。間を置きすぎず、忘れてしまう前にきちんと思い出すことができれば、1回の練習はすぐに終わります。

と言うように、回を重ねるほど短時間で終わるようになりスピードアップします。

★「単語カード」は最強の記憶ツール

 

順番で覚えないために単語カードでシャッフルする

単語リストをつかって記憶する時に1つ注意点があります。
それは単語の順番で「この次はこれ」のような感じで覚えてしまうっているケースがよくあること。
この対策として”シャッフル”した単語リストを使うことが効果的ですが、そこでオススメなのが「単語カード」です。

 シャッフルすることや何度も繰り返し思い出すことを考えると、この「思い出す」トレーニングには「単語カード(フラッシュ・カード)」を使うと非常にやりやすくなります。

使い方の注意として、

使い方としては、カードの表に「問題」(例えば英単語)を書きます。そして、裏に「答え」(日本語訳やイラストなど)を書いておくのです。
 そして、カードを順番にめくりながら(できれば)声に出して練習します(声に出すことで、口の筋肉を使ったり、自分の声が自分の耳から入ったりすることにより、さらに脳を使うことになるため効果的なのです)。

 

単語カードの便利な3点

(1)余計なものが目に入らずに済む
(2)自由にシャッフルできる
(3)覚えして待ったカードを外せる

★スペル(つづり)を覚えるためのトレーニング

 

書き取りをしっかりやろう

日本語⇒英語のトレーニングをやってみましょう。

やり方はまず先述の10個の単語のスペルをしっかり確認しましょう(この時点では書いたりせずに、目で見て確認するだけでOKです)。

ではトレーニングのスタートです。
「10個の日本語」を使って、まずは日本語を読み上げ、英単語を思い出し、口で言います(例:「在庫・・・ストック」と言う)。その上で、その単語のスペルを紙に書いてください(例:”stock”と書く)。

それではこれから、書けなかった単語に関して「書き取り」練習をしましょう。

その単語の書き取りを3回やってみてください。

 ここで確認したいのは「スペルを思い出そう」という意識を持って3回書くことができていたかどうかです。多くの方が無意識のうちに、答えを見ながらただ書き写してしまいがちです。それだと脳に対する負荷がほとんどかかりません。

記憶というのは脳の筋トレ。
つまり負荷をかけないと筋力アップしません。

 大切なのは「思い出す」ことですから、「何も見ないで書く」べきです。それで初めてスペルを思い出すことになりますよね。
 横に並べて書き取る場合には、その前に書いたものが目に入らないように手で隠すなど工夫をして、脳に対してしっかりと「思い出す」という負荷をかけるようにしましょう。

 何回くらい書けばよいかというと「2回連続で正しく(見ないで)書ければOK」だと考えるとよいでしょう。つまり、2〜5回くらいが目安ではないでしょうか。
 それ以上やっても正しく書けないときには、しっかりとスペルを確認して、短く区切って短期記憶に入れるところからやり直しましょう。

書き取りを1セットで終わりにしてはいけない!

2回連続で正しく書けるまで続けて1セット目を終了したとします。

 ただし、こうやって1セットやったところで安心して終わりにしてはいけません。最初の方に書いた単語がもう短期記憶から抜けてしまっている可能性があるからです。
 ですから、最低でももう1セット(合計2セット)は書き取るようにしましょう。(なお2セット目以降は、1回目で正しく書けた単語は問題なし(クリア)と考えてください)。

2セット目の書き取りを行います。
そして、1回で書けなかった単語だけを残して3セット目に進みます。

 あとは、1回で書けるまで、何セットでも繰り返しましょう。全ての単語が1回で書けたならクリア(ワーク終了)です。これですべての単語のスペルが記憶にしっかりと入ったことになります。

そしてさらに、

 あとは20分〜1時間ほど置いて、同じワークを繰り返すことで、きちんと定着するようにトレーニングをしていきましょう。

ここまででスペルを覚えるためのトレーニングの一連の流れとなります。

感想

いかがだったでしょうか。

記憶力は筋力と似ていて、トレーニングの回数と負荷を増やしていけば強くなる

経験上、この考え方には全く同意します。

高校時代、僕も英単語の暗記には本当に苦しめられたのですが、当時大学生だった従兄弟からの

・1冊の英単語集を繰り返し暗記すること(絶対あれこれ手を出すな)。
・その単語集を辞書のようにも使うこと。
・単語集とは別に長文問題で出逢った知らない英単語は文章中で覚えること。

などのアドバイスを実行したところから英語の成績が上がったのを覚えています。
とはいっても英語は最後まで苦手科目でしたが。

ともかく、暗記には徹底した繰り返しが一番効果的であるというのは経験上納得できました。
ただ、その繰り返しをどういうふうにするか?

今回は本書のテーマである英単語暗記についての一番根幹部分を紹介しましたが、とてもシンプルかつ徹底していますよね。

特にスペルの書き取りに関しては、負荷の書け方と絞り込んでもれなく覚える方法が参考になると思います。

僕も「覚えるという意識の負荷をかける」ことの重要さはわかっているつもりでしたが、実際の暗記の方法にどう落とし込めばいいかは、「なるほどこうすればよかったのか」と感心してしまいました。

早速実行しよう。

さて、今日ご紹介したのはあくまで英単語記憶の根幹部分。
この他にも本書では派生語で芋づる式に語彙を増やす方法や実際に使ってみる方法など上級者向けの英語力アップ方法も紹介されています。
こちらも是非本書で確認して欲しいと思います。

ただし、どんな勉強も暗記というものがベースにあってこそ成り立つもの。
避けては通れません。

そこで思い出してほしいのが「好きこそものの上手なれ」という言葉。

僕は学生時代、英単語暗記は苦手でとても嫌でしたが、世界史は大好きだったので、友人が「カタカナの名前が覚えられん」と苦戦していた外国人の名前を覚えるのは全然苦ではありませんでした。

むしろ、覚えれば覚えるほど楽しくなる感じ。

こういったメンタルな部分が記憶にはとても大切だと思います。
好奇心を持つ、英語を好きになる、あるいは英語を自在に使っている自分を想像してみるなど、とにかく英語LOVE状態になることが英単語記憶力アップに繋がりそうな気がします。

タイトルに「頑張らない」とありますが、英語LOVE状態だったら「頑張っている」意識もなく勉強できますもんね。

本書はあさ出版様より献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
Chapter1 英単語が自然と覚えられる心構え
Chapter2 使える知識を身につけるための効果的な覚え方
Chapter3 ボキャブラリーを”増やす”
Chapter4 ボキャブラリーを”深める”学び方

関連書籍

西澤ロイさんの「頑張らない」シリーズ

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