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いきたい場所で生きるために、移住を考えている人へのアドバイス

おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。

今日ご紹介するのは以前当ブログでも著書を紹介したことがある米田智彦さんの新刊、『いきたい場所で生きる 僕らの時代の移住地図』 です。

本書では国内、国外の移住成功例が紹介されています。

今回はそのうち国内移住成功者からの「移住を考えいている人へのアドバイス」を紹介。
田舎暮らしの僕からみて納得行くもの、重要なポイントをピックアップしてみました。

今移住を考えているという方はぜひ参考にしていただけたらと思います。

 

移住を考えている人へのアドバイス

 

★移住のメリット・デメリットを数値化して考える

 

東京にいるメリットってなんだろう? と考えます。
 自分は、東京にいるメリット、札幌に帰るメリット・デメリットを各項目ごとに数値化して、最終的に判断しました。結果、札幌に帰ることが、東京にいるより倍くらい点が高かったのです。実際にやってみて、もっと差があるように感じています。

川村健治さん(北海道) 

東京に住むことはメリットもデメリットもあります。
例えば本書で取り挙げられているメリットは

・賃金が高い
・娯楽が多い(さまざまなイベント開催など)
・文化度が高い(美術展やコンサート)
・外国人が多く異文化に触れられる
・世界への玄関口としての羽田・成田空港の存在
・教育・医療施設の充実

一方デメリットとしては

・生活コストが高い(主に家賃)
・通勤ラッシュと通勤時間の長さ
・自然が少ない
・安易で危険な誘惑か多い(ドラッグや闇金など)
・人間関係が希薄
・犯罪件数が多い

などが考えられます。

しかしこのメリット・デメリットは人それぞれ。

例えばデメリットとしてあげられている「人間関係が希薄」に関していうと、人間関係が濃すぎるのが嫌でど田舎の実家からプチ田舎に飛び出した僕にとってはこれはメリット。

同じように価値観は人それぞれなので、一般的な価値観に基づいて移住を考えることはかえって思考の妨げとなるかもしれません。

そこで、自分自身の価値観や人生観に応じてメリットとデメリットを拾い出し、数値化して比較検討する方法を試してみるのはどうでしょう。

このメリットとデメリットをピックアップする作業で、「なぜ移住するのか」という根本的な課題や目的も「見える化」されると思います。 

★収入源を確保する

 

 ソフト面のメリットがたくさん揃っていても、「働く場所と収入」というハード面が失われると、しんどいものがあります。  
逆にそれされ確保しておけば、田舎暮らしのメリットをフルに感じることができると思います。
 いままでつとめていた会社から受託というかたちで仕事を受けておくなど、都市部と離れていてもできる仕事をあらかじめつくっておき、収入源を確保しておくことをお勧めします。

藤村さやかさん(宮城県)

移住する上で大きな障壁となるのが収入でしょう。
ほとんどの場合、東京と同じ額の収入は期待できません(東京の賃金が突出しているんですよ)。
また、したい仕事、働く場所があるかどうかもわかりません。

そこで、移住先で仕事を見つけ、収入を確保し、生活が安定するまでのつなぎの方法として、それまで務めた会社から受託というかたちで「在宅ワーク」するというのは一つの有効な方法だと思います。

★「◯◯の魅力」を見つける

 

土地の魅力、人の魅力といった「◯◯の魅力」。その自分にとっての「◯◯」に当てはまる魅力を見つけられれば、移住という選択肢が自然と自分の前に現れてくると思います。

(斉藤千里 新潟県佐渡市)

このアドバイスをしてくれている斎藤さんご夫妻の移住地選びの条件は、「海があって、ワインが造れそうな場所」だったそうです。

移住地選びは難しいですが、その場所が自分がしたいことをするのに適しているのか、その場所に自分がしたいことをすでにしている人がいるか、という観点から探すのも一つの方法かと思います。

★住居・都市部へのアクセス・行政サービス・地域性や気候も検討する

 

 その土地で何をしたいのか明確なビジョンを持って移住されることをお勧めします。
 また、移住する際にポジティブな面ばかり重視しがちですが、住居・都市部へのアクセス・行政サービス・地域性や気候等をよく検討されることも重要です。

(横手亮介・友理さん 茨城県)

移住して何をしたいかという明確なビジョンは絶対必要だと思いますが、したいことができるというだけで移住先を決めるのは危ないと思います。

横手さんがアドバイスするように、住居・都市部へのアクセス・行政サービス・地域性や気候など、生活する上で重要な検討ポイントがたくさんあります。

田舎在住の身で言わせてもらうと、地方の田舎レベルははっきり行ってピンきりです。
行政サービスも一律ではありません。

そこで生活をするわけですから、近くにスーパーなど食料を購入できる場所があることは必須です。
また、小さいお子さんがいるなら特に、病院も近くにないと心細いでしょうし、どうやって学校に通うかというのも課題となってきます。

さらにいえば、田舎暮らしを満喫したいという人でも、たまには映画館に行きたい、図書館で本を借りたい、スポーツ観戦もしたい、という方もいるでしょう。

南国育ちの人が雪国で生活するのもハードルが高いでしょう。

いくらその場所にやりたい仕事があったとしても、こういった生活に関する課題は、じわじわとボディブローのように効いてきて、「移住は失敗だったかな」と公開する原因になります。

こういった点もしっかり検討してみることをオススメします。

★共感できる”人”と”文化”があるか

 

 共感できる”人”と”文化”があるかどうかが大事な気がしています。
 何もないところから自分たちでつくっていくこともできますが、やはりある程度下地や素養のある土地のほうが馴染みやすく、また、自分たちが何か事を起こしていくうえでも、とっかかりをつかみやすいと思います。
 現地に行くとネットにない情報がたくさんあるので、実際に見てまわり、その土地の人たちに話しかけたり、生活の一部を見聞きしたりすることが、”人”と”文化”を知る一番の近道だと思います。

(津田賀央さん 長野県)

移住先でやっていけるか。
それはひとえにその土地の”人”と”文化”に共感できるかにかかっていると思います。

そして”人”と”文化”はネットやパンフレントで入手できる情報ではわかりません。
実際に現地に行って、1週間とか1ヶ月とかショートステイしてみることが、その土地の人たちや生活を知るとても有効な方法だと思います。

本書では「試住」をすすめていますが、いきなり移住してしまうのではなく、まずは「試住」をしてみることをオススメします。

住んでみないと見えてこないことって必ずありますから。

★まずはその街に染まる

 

 愛媛といわず、四国に移住することをオススメします。東京に比べると生活コストは三分の一ほど。その分収入も下がりますが、時間が得られることが大きな違いです。また、仕事自体を新しくつくることができるのは地方ならでは。
 どこの街にも在住者がいます。そのひとたちと仲良くなりましょう。昔ながらの暮らしというか、近所との付き合いや季節の果物や野菜の交換、回覧板の交換といった変わらないやりとりが大きなつながりになってゆき、そこに暮らす人と自分の色が混ざって来ることが大事だと思います。
 郷に入れば郷に従えというように、まずは街に染まることも必要です。

(松波雄大 愛媛県)

「郷に入れば郷に従え」、まさにこの言葉に移住が成功する最重要ポイントが詰め込まれていると思います。
近所付き合いが嫌、自治会の活動に参加したくない、はっきりいってそういう人は移住しないほうがいいと思います。
移住するとしても、ある程度都会の地方都市で東京都変わらない生活を送るしかないでしょう(その移住生活に意味があるのかわかりませんが)。

移住先の人と文化に染まる覚悟を持って実行してもらいたいと思います。

★オンリーワンになれる

 

 都会で当たり前のスキルも地方ではオンリーワンになる可能性があります。
 攻めの姿勢で町の人といっしょに地域おこしをやっていける営業力のある人が、移住を良いイメージに持っていくと思います。

(土井隆 鹿児島県)

土井隆さんはITスキルを持った方ですが、ITスキルのような高度なものでもなくても、田舎に行けばオンリーワンのスキルというのはたくさんあります。

たとえばあなたがカフェでのアルバイトの経験しかなかったとしても、カフェのない田舎に行けばオンリーワンのスキル保持者となります。

「自分には何もない」と思っている人も、田舎に行けばオンリーワンに無る可能性があります。
ごくありふれたスキルだとしても、それを生かせる場所を探すという考え方もアリかもしれません。

感想など

以上、『いきたい場所で生きる』に登場する14例の国内移住者のアドバイスから、実際に田舎に住んでいる僕が「ここが移住成功のポイントだ!」という点をピックアップしてみました。

簡単にこの本について触れておくと、本書では国内移住、海外移住あわせて29例が紹介されています。
登場する移住地は以下のとおり。

[本書に登場する主な移住地]
(国内)
北海道・札幌/岩手・遠野/宮城・気仙沼/新潟・佐渡/茨城・久慈/千葉・南房総/長野・軽井沢/ 長野・富士見/京都市/和歌山・熊野/愛媛・松山/高知・嶺北/鹿児島県・長島/福岡市/沖縄・那覇
(国外)
ドイツ・ベルリン/オランダ・デンハーグ/オランダ・ロッテルダム/オランダ・アムステルダム/ スウェーデン・ストックホルム/ポーランド・ワルシャワ/アルゼンチン・ブエノスアイレス/フィジー・ナンディ/ シンガポール/マレーシア・クアラルンプール/ベトナム・ホイアン/カンボジア・プノンペン

本書に掲載されている地図で見てもらうとこんな感じ。

 

僕は海外移住については何も言える立場ではないので(うらやましいなぁというぐらい)、今回のエントリーでは、国内移住についてのみ、田舎在住の立場から、ほんのすこし上から目線で語らせていただきました。

移住の成功のポイントは上記したように、

・はっきりしたビジョンがあるか
・そこに人や文化など魅力があるか
・「郷に入れば郷に従え」

といったところだと思いますが、都会育ちの方が田舎に移住することはそんなに簡単なことではないと思います。
はっきりいってハードルは高いです。

本書は成功例が紹介されいますが、そのハードルとはどういったものかを知ることができる良いテキストとしてこちらのブログの記事を紹介しておきます。

「時間セレブ」さんのこちらの記事です。 

このブログの管理人姫姉様の愛媛県への移住失敗関連記事、ぜひお読みいただけたらと思います。

独身女性で、その土地に頼れる人がなく、家の修繕などDIYの経験も道具もなく、虫や害獣が苦手で、その土地でしたいこともはっきりしない。

それはムリですよ。

結局この方はその後、東京や京都などでショートステイして、そちらは楽しんでいるようですので、都会が合っている方なんですよね。

もし、はっきりしたビジョンもなく、「デュアルライフに憧れて」とか、「都会に疲れて」といったメンタル面だけで移住をしようと考えている方は、ぜひ本書と、反面教師として先述のブログをお読みいただけたらと思います。

自然の中でのんびり田舎暮らし

といったイメージだけで移住したら後悔することになるでしょう。
田舎暮らしはそれほど甘くないですよ。

一番ポイントとなるのは人間関係。
良くも悪くも人付き合いが濃密になる(というか、地域にもよるでしょうがほとんどプライバシーはない)ことだけは覚悟した方がいいです。

ところで、僕は本書とは逆方向で、田舎を拠点に東京にもベースを持つデュアルライフを目指しています。

人が多すぎようが、満員電車がストレスだろうが、東京というすべてが集中している”場”はやはり魅力的なんですよ。

その魅力をかなぐり捨てて、「やっぱり移住したい!」という強い意志があるなら、本書はオススメ。
そのビジョンにリアリティを与えてくれると思います。

本書はDiscover21社様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。

目次

プロローグ
第1章 移住について、いま知っておきたいこと
第2章 国内での移住を考える
第3章 国外への移住を考える
第4章 働きながら移住する僕ら
エピローグ

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