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栗田正行(著)『9割の先生が知らない! すごい板書術』学陽書房【本の紹介】現役高校教師に学ぶ、あなたのセミナーがもっと効果的になる黒板の使い方

こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。

今日は当ブログでもおなじみ、現役の高校の先生であり、また先生向けの著書を多数執筆している栗田正行先生の著書、『9割の先生が知らない! すごい板書術』をご紹介します。

本書は基本的に、学校の先生のための黒板テクニック集です。
学校の先生型に大いに活用していただきたいのですが、先生意外にも活用できる人がいると思います。

例えばプレゼンテーターやセミナー講師の方々。 
これまで色々なセミナーを受講してきた経験から言うと、昨今プレゼンテーションソフトを使ってのセミナーがほとんどですよね。

そしてどの講師の方々もさすがにみなさん洗練されたスライドを用意されています。
素晴らしいです。

ですが、質疑応答の時間に黒板(ホワイトボード)を使って質問に回答することや、さらに深く説明することってあるじゃないですか。

そのときの黒板の使い方が上手な人を、残念ながら僕は見たことがないのです。
スライドが洗練されているだけに逆に黒板の使い方との落差がひどく感じるぐらい。

そこで今回は本書で紹介されいてる板書術の中から、こういうふうに黒板を使うとプレゼンやセミナーがもっと効果的になりそうなテクニックをピックアップしてみました。

なお、前提条件として、プレゼンテーションソフトでの説明画面が正面中央にあり、その横にサブディスプレイ的に黒板があるという設定で説明します。

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栗田正行(著)『9割の先生が知らない! すごい板書術』より、あなたのセミナーをもっと効果的にする黒板の使い方のポイント

★授業を「参加型」にする

 

(1)黒板に発問を書く
みんなで同じテーマについて考えることが用意になります。発問の答えを自由に黒板に書かせてもいいですね。

(2)黒板に問題や課題を書く
同じ問題を解くからこそ、お互いに教え合うことができます。今、何について考えているかを教室の全員が共有することが大切です。

(3)黒板に授業のポイントを書く
 授業の重要な部分を明確にして子どもたちとシェアすると、その授業での達成感・満足度が上がります。共に学んでいることを実感できるのです。

プレゼンテーションソフトを使ってのセミナーはとても効果的ですが、大きな欠点が一つあります。
それは今映写されているスライドしか見れないことです。

そのセミナーで重要でみんなが共有すべきテーマや課題、そのセミナーで伝えたいポイントがあるなら、スライドが進行していってもいつでも確認できるように、黒板に書いておくという方法が効果的です。

★早く「チョーク」を渡す

 

子どもたちに積極的に授業に参加してもらうために、1つの手法として子どもたちにチョークを渡すというのがオススメです。なぜなら、チョークを渡された子どもたちは、自ら考え、自ら書くという行動をすることになるからです。

長時間に渡るセミナーの場合、上手な講師は受講者をあきさせないために(あるいは気を抜かさないために)適度にワークを導入したりします。
その延長線上で受講生にチョークを渡すというのもありだと思います。
なんといっても人前で発表したり問題を解くことほど気合が入ることはありませんからね。
緊張感が高まります。

★板書を「みんなで」確認する

・みんなで板書内容を読み上げる
・「顔を上げてください」「筆記用具を置いてください」など板書に集中する魔法の一言を伝える
・板書内容についての発問する

板書の目的の一つは、子どもたちがノートに書く内容を伝えることですが、板書内容の共有をきっかけにして、子どもたち同士の学び合い、学習活動を活発化させていきたいものです。

前述のチョークを渡すのは敷居が高いという方には、この方法がいいのではないでしょうか。
みんなで大切なテーマやポイントを唱和する。
これも受講生の注意をひきつけ、伝えたいことに意識をいかせるいい方法だと思います。

★「箇条書き」を活用する

 

「KISSの原則」とは「Keep It Simple & Short」の頭文字を取ったものもので、とにかく「単純に」「短く」まとめることがわかりやすい文章にするために重要です。
それを無意識に実践できるのが箇条書きです。

長々と書いているものを箇条書きにするだけで見やすさ・わかりやすさが変わります。

最初に「黒板の使い方が上手い人を見たことがない」といいましたが、板書ってそんなに難しく考える必要はないのです。
シンプルにポイントを箇条書きにするだけでもいいのです。
これなら誰でもできますよね。

★「目立たせ方」のバリエーションを持つ

 

具体的な板書の目立たせ方

・傍点をつける
色使いを変える
・枠をつける
アンダーラインを引く
大きさを変える
太字にする

注意点。どこもかしこも目立たせると板書が見づらくなります。
強調したい部分はどこか、その視点を持って板書を書いていきましょう。

シンプルな箇条書きからさらにちょっと進化したいならこういった”目立たせ方”を知っておくといいでしょう。
ただし色使いは気をつける必要があります。
黒板の場合、青色や緑色のチョークは見えにくい場合があります。
黒板で目立つ色は黄色>白色>赤色の順、ホワイトボードでは赤色>青色>黒色の順です。

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栗田正行(著)『9割の先生が知らない! すごい板書術』:感想など

最初に書いたように、今回は前提条件としてプレゼンテーションソフトでのスライドがメインで映されていて、その横にサブモニター的に黒板を使うことを前提にして、効果的な板書術を紹介して見ました。

この方法、言い換えれば、次々と進んでいくスライドがフローの情報であるのに対して、黒板はストックの情報といえます。

最近ではスライドの全画面を印刷したものをレジュメ代わりに渡される場合もありますが、これを嫌がる講師の方も少なからずおいでるのも事実。

なんでもスライドを印刷したものをわたしてしまうとセミナー中に受講者が寝てしまうからだとか。

そういう講師に限って文字を大量に盛り込んでわかりにくいスライドを作っているのに、受講生の理解度とは関係なくどんどん進んでいくんだよなぁ。だから寝るんだよ。

受講する側の経験から言わせてもらうと、スライドはスライドで進んでもらってけっこう。
一生懸命話を聞いて、メモもとります。

ですが話の合間に、テーマや課題、重要ポイントを何度も確認したいものなんです。
そういう目的でストックとなる情報を提示する黒板の板書術ってかなり効果的だと思うのですよ。

でも板書の方法を普通学校の先生でもない限り習わないですよね。

そこでこの本を参考にしてほしいのです。

本書後半にはこのエントリーで紹介した基本的な板書術以外に、さらにステップアップした板書のフレームもたくさん紹介されています。

このテクニック、先生方だけのものにしておくのはもったいないですよ。

プレゼン業務の多い方、セミナー講師業の方、ぜひ参考にしてください。

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本書は著者の栗田正行様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 まずは板書の基本を押さえよう!
第2章 子どもの対話を生み出す板書テクニック
第3章 子どもの思考を引き出す、使える板書フレーム!
おわりに

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