こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。
今日ご紹介するのは久々に読書術本。
鳩山玲人さんの『世界のエリートは10冊しか本を読まない』です。
まずタイトルで「えええ~っ、うっそ~」となりますよね。
僕も「まさか10冊しか読まないってことはないだろう」と思ってしまいました。
紹介する前に結論を言っておくと、10冊しか読まないのは課題解決に向けて10冊に本を絞って読むということです。
かなり釣りっぽいタイトルつけですが、中身は非常にシンプルで的を得た読書術ですよ。
といこうとで、早速その方法やポイントを紹介します。
桁外れの結果を出す、「ハーバード式10冊読書術」のポイント
★本を読む目的とは「課題解決」だけである
私がビジネス書や実用書を読む目的は、ただひとつです。
それは、直面する課題を解決するため。
ビジネス書において、最も大切なことは、本の内容を実践することです。そのために私は、本を読む時間と同じくらい考察する時間をつくっています。
「今の自分に当てはめると、本の内容はどのように受け取ることができるか」
「今の自分に当てはめると、本の内容はどのように受け取ることができるか」
「自分の課題に対処するために、何が役立つか」
という視点です。
読書とは、著者の主張を正しく理解するために読むのではない。
実際に課題解決に役立てるために読むのである。
★10冊読書術
私は、手元に置く本はいつも「10冊」に絞っています。
その上で、デスクの上など普段から目に付きやすい場所に置きます。
そして優先度や興味の度合いに応じて、10冊の中から、今日読む本を決めています。
1日に10冊全てに目を通しているわけではなくて、1冊のときもあれば、3冊のときもあります。
私は主に、移動中と入浴中に本を読んでいます。
一方で、10冊以外の「再読する可能性が高い本」と、「興味があって買ったものの、今の自分には合っていない本」などは書棚にしまっています。
★今の自分に必要な10冊とは
・直面する課題を解決するために読む必要がある本
・テーマに興味があって、「実践してみたい」と思っている本
・将来の自分にとって有益だと思える本
★本を10冊に絞る効果
(1)アテンションがはっきりする
アテンションとはつまり「注意」や「注目」。
本を10冊に絞ることで、
「今、自分がやらなければいけないことは何か」
「自分は今、何に興味・関心を持っているのか」
が明確になります。
10冊をデスクの上に置くことで、毎日、毎時間、その本のタイトルを目にすることになります。すると、そのたびに「今、自分が何をすべきか」を再確認することができるのです。「今、自分がやらなければいけないこと」や「興味のあること」が5つしかないのなら、もちろん5冊でもかまいません。
(2)リマインダーになる
リマインダーとは、物事を思い出させるもの。
一度読んだ本であれば、その本を見るだけで内容を思い出すので、やり忘れを防ぐことができます。
(3)実践につなげやすい
あなたが「どうしても本の内容を実践して、身につけることができない」という悩みを抱えているのであれば、それは、自分が取り組むと決めたものにものにフォーカスできていないからかもしれません。本を10冊に絞ることで、やるべきことが絞られるので自然と実行に移しやすくなるはずです。
★10冊の本は定期的に見直す
目の前に置く10冊は、何ヶ月もそのままである必要はありません。やるべきこと、目の前の課題に合わせて10冊のリストは変化していくべきです。私は、1ヶ月に一度、10冊を見直します。
リストの入れ替えをすることで、常に「今の」自分に必要な本を意識し続けることがてきます。
★課題を解決する「本の選び方」6つの基準
(1)「はじめに」と「おわりに」を味見する
本の「はじめに(まえがき)」と「おわりに(あとがき)」には、その本が自分に合っているのか・合っていないのか、読みやすいか・読みにくいかを知る手がかりがあります。たとえば次のような言及です。
・「どうしてこの本を書こうと思ったのか」
・「この本には何が書いてあるのか」
・「この本を読むと、どのようなベネフィットが得られるのか」
・「本を読み、実践することでどのような体験や変化が得られるか」
(2)「教授」で選ぶ
人気教授には、わかりやすい、特出した実績がある、ファシリテーションがすぐれている、時代の要請に応えているなど、人気が出た理由があります。そして、人気教授の著作には、彼らをスターに押し上げたエッセンスが端的にまとめられていますから、課題解決に役立つ可能性が高いと考えることができます。
(3)「注目している人」が読んでいる本を選ぶ
尊敬している人、注目している人、好きな人など、自分にとって良い影響を与えてくれる人物、インフルエンサーがすすめる本も、本を選ぶときの意思決定の材料になると思います。
(4)「社会人向けの公開講座」の推薦図書を選ぶ
(社会人向けの公開講座やビジネスセミナー)では、授業の理解を深めるための推薦図書のリストを紹介してくれることがあるので、リストに挙がった本を自分なりに味見して、課題解決のヒントになる本を見つけることがあります。
(5)「図」や「絵」が豊富な本を選ぶ
ビジネスの複雑な概念を理解しようとすると、文字だけではやはり限界があります。そんなときには、図解が理解の役に立つことがあります。図、イラスト、グラフ、表などのビジュアル表現は、言葉では説明しにくい内容を的確に伝える役割があるからです。
(6)「書店ランキング」を活用する
選びぬいた10冊意外にも、流行、話題、トレンドを知るためや、時代を感じるために、ベストセラーや新刊本を読むことがあります。
目の前の10冊を中心に読書をしながらも、余力があれば、年に一度、(年末年始など)1、2冊でもいいので、「年間ベストセラー」にランクインした本を読んでみるのもおすすめです。そうすれば、時代の傾向や流行をつかむことができると思います。
感想
◆10冊というのは非常に現実的
以上「ハーバード式10冊読書術」のポイントを紹介しましたが、簡単に要約すると
「10冊読書術」とは、自分の課題に直結する本を10冊だけ選ぶ。
10冊をデスクの上に置く。
そして、その都度、参照する。
ということです。
このインプットの部分で本を絞るというメソッドは、これまで当ブログで紹介してきた読書術の中でも度々登場してきました。
たとえばこちら。
100円ノート術でおなじみの奥野宣之さんは新書3冊に絞ってインプットするという方法を提唱しています。
この方法はかなりハードルが低いのはいいですが、やはりトップクラスのビジネスパーソンが 仕事上の課題解決に使うにはかなり物足りないでしょう。
かと言って、解決したい課題に関連する本をAmazonで芋づる式に購入して全部読むという方もおいでましたが、その方法は仕事を抱えているビジネスパーソンには物理的に無理でしょう。
となると、厳選した本を10冊程度というのは非常に現実的かと。
ただし、どの本を選ぶかという選書眼の問題が非常に重要になってくるという大きな問題は残りますが。
まぁ、これも経験を積むと”鼻が利く”ようになってくるので、まずは実践ですね。
◆日本人の読書に対する意識
さて、本書を読んでいて面白かったことの一つに、日本人とアメリカ人の読書に対する意識の差がありました。
それは本の使い方につながっていくのですが、
日本の学生は、本をインプット=覚えるべき知識として読んでいますが、アメリカの学生は、本を問題解決の処方箋としてとらえ、アウトプットの手助けとして読んでいる
というのです。
また、日本の国語教育では
著者の主張を正しく理解する
ことに主体をおいていて、
自分が登場人物の立場だとすれば、どう判断し、実行に移すだろうか
その次のことを考え、予測する
という訓練が欠けているというのです。
これは大いに納得。
本来、少なくともビジネス書を読む目的は課題解決が主な目的のはずなのに、結局著者の主張を理解するだけで終わっているんですね。
だからビジネス書を(自己啓発書も同じ)たくさん読んでも何も変わらない人がほとんどなのです。
ああ、耳が痛い。
みなさん、ビジネス書を読んだらその内容の一つでも実行しましょう。
◆著者のオススメ本もリストされています
最後に本書後半では、著者の今現在の「10冊」や、ビジネス名著の読み方アドバイス、さらにブックガイドも掲載されています。
たしかに名著揃いですので是非本書のブックガイドを参考になさってください。
ということで、課題解決のために読書をしたいあなたに。
本書はSBクリエイティブ様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
第1章 あなたの読書はなぜ結果に直結しないのか?
第2章 「最強の10冊」をいかに選び、使うのか
第3章 桁外れの結果を出す!非常識な本の使い方
第4章 わたしならこう読む!ビジネス名著の読み方〈実践編〉
巻末付録 ブックガイド 本書内で紹介した最強の本リスト
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