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「究極の接客業」には営業のヒント満載【書評】信長(著)『シャンパンタワー交渉術』講談社

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おはようございます、一龍です。

今日はちょっと変わった著者の本をご紹介。
何と著者は歌舞伎町ナンバーワンホストの信長さん。

指名年間850本、年収3000万オーバーを実現する著者のお客様との交渉術やいかに。
営業職の方、必見です!

はじめに

ホストと聞くとサラリーマンからすれば「チャラいお兄ちゃんの仕事」「お酒を飲んで、女の子と遊んでいればいいお気軽な仕事」というイメージがあると思います。

実際そういう人もいるのでしょうが、この著者のように生き馬の目を抜くような歌舞伎町でナンバーワンホストとなるにはそんないいかげんな姿勢ではなれないでしょう。

そこにはそれなりの努力や工夫があるはずですし、それはビジネスパーソンにも役立つ内容であるはずです。

華やかなホストの世界の裏側でどのようなどのような努力や工夫がなされているのか。
今回はそのポイントを、交渉術を中心にピックアップしてみました。

「太い客」をつかむためのナンバーワンホストのポイント

★カッコよさよりも好印象を

 いかに人間は中身が大事だと思っていても、第一印象が悪ければ、そもそも話を聞いてもらえません。第一印象が悪ければ、中身の良さを伝えるきっかけすらなくなってしまうからです。つまり、見た目も立派なコミュニケーションの武器なのです。
もちろん、お客様との関係をより良いものにするためには中身が磨かれていないとだめなのですが、最初の最初、「10分間プレゼン」では印象を良くすることが最重要事項です。

★人は興味を持つと前のめりになる

 興味のある話題は、相手の「表情」「雰囲気」「仕草」「声の大きさ」「声のトーン」を観察していればわかります。
特に、姿勢が前のめりになっている場合、あいづちの回数が多くなっている場合は、間違いなくその話題に興味があるといえます。<中略>
私は特に、相手の背中がソファーに付いているか離れているかで、興味のありなしを判断しています。ソファーにぴったり背中を付けていたら興味がないと判断し、ソファーから離れはじめたら興味があると判断します。これは高い確率で当たります。

★自分の会話をスマホで動画撮影してみる

友達と普通に会話しているところをスマホで動画撮影すると、普段自分が人からどう見えるのかよくわかります。そして魅力的な姿で会話できているか確かめるとができます。鏡は、自分の一番いい顔しか映しません。しかし、動画を見るとそうではないので最初は「これは俺じゃない!」と言いたくなるくらいショックを受ける人もいるかもしれません。私も自分の動画を見るのは今でも恥ずかしいです。それでも、人からはそのように見えているので、客観的に見て改善していくように心がけています。

★「聞いて」のサインを見逃さない

 聞いてほしいときのサインは、気をつけて観察していればすぐにわかります。相手がいつもより口数が多かったり、前のめりになってしゃべったりしているときは、聞いてほしいときです。声のトーンは高くなり、話すテンポは速くなります。
「聞いて」のサインを察知したら、徹底的に聞きます。「うん、うん」とあいづちを打ちながら聞いているだけでお客様は満足してお帰りになることもあります。お客様の話を黙って聞くだけで5万円をお支払いいただいた、そのようなことはざらにあります。

★会話の7つの鉄則

1.準備をする
日頃から幅広い話題に対応できるよう、情報収集の努力が必要です。
2.否定をしない
楽しく会話を続けるには、自分の意見がどうであろうとも、相手の意見を決して否定してはいけません。
3.ポジティブな発言をする
ネガティブな話など、お金を払って聞きたい人はいません。常に前向きでポジティブに、お客様に「気持ちがいい」と思ってもらえる会話をすることを意識しています。
4.興味を示す
「相手に好きになってもらいたければ、こちらから先に好きになりなさい」と言われるように、まずは相手に興味をもつことが大事です。
5.会話にオチをつける
オチといっても、必ずしも相手を笑わせるような面白いものでなければならないということはありません。そのとき思ったこと、感じたことでもいいので、必ずオチをつける練習をすることが大切です。
6.会話の途中で質問をする
質問をすることで相手は「この人、私に興味があるんだな」と思ってもらえます。人は誰でも好かれたい、わかってほしいという感情があります。大切なのは、「人に必要とされている」という根源てきな欲求を満たしてあげることです。
7.感情を込める
相づちを打つときは、「へえー!」「なるほど!!」と感情的に反応し、さらに、相手の言葉をオウム返しします。

★お客様のことを考える時間=売り上げ=収入

 ホストにとって重要なことは、どれだけお客様のことを考えるかということです。私は、「お客様のことを考える時間は、やがて売り上げや収入に繋がる」と考えています。
お客様に喜んでいただくことだけを考えていたので、一流の人を完全コピーすることを目標にして、同僚はあまり参考にしませんでした。それが結果として、今の成績に繋がっていると思っています。

★「自分自身が気持ちよく過ごせるかどうかを原則に行動する」

 私にとっては、「自分自身が気持ちよく過ごせるかどうか」を、もっとも大事な原則としています。
付き合いたくない人とは付き合わず、なるべく付き合いたいお客様とだけ付き合うことが、結局はストレスを減らし、仕事の質を上げることに繋がるからです。

★高額な商品を買っていただくために、信用の口座残高を積み立てる

 シャンパンタワーに繋げるためには、日頃の営業が大事です。
その際は、結果に焦点を当てるのではなくプロセスに焦点を当てることで、モチベーションを保つことができます。具体的には、「お客様を何組呼ぶ」「1日いくら売り上げる」といった結果ではなく、「毎日必ず50人にメールを送る」といったプロセスに焦点を当てるのです。
プロセスに焦点を当てることで、毎日、精神的な達成感を感じることができるので、長く継続することができます。お客様の心のシャンパングラスもひとつずつ積み上がっていき,やがてはシャンパンタワーに繋がるのです。

★交渉の7つの極意

1.お願いしない
(御願い営業をせず)いかにお客様の方からお店に来たい、シャンパンを入れたいと思ってもらえるかを重視しています。
2.決断権を持つ
決定権はホスト側が持たないといけません。特に、条件を付けて自分の思い通りにしようとするお客様には、厳しく接しないといけません。そうしないと、安く見られてしまうからです。
3.安売りをしない
特に干すとは、ホスト自身がブランドなので、安売りはいけません。自分の値付けについても自分が決定するべきです。
4.接触頻度を高める
お客様に連絡してアポをとって会ったり、どこかへ旅行に行ったときはちょっとしたお土産を買ってきたり、喜んでもらえそうな小さな物をプレゼントするとか、時間が空いたらお茶するとか、小さな積み重ねをしていくうちに、強い信頼関係ができてきます。
5.フットワークを軽く
ちょっとしたお願いを何度も聞いてあげることで、相手への信用度はどんどん高まっていきます。
6.引き際も大事
お客様と長期的に良好な関係を築き、ストレスのない仕事をすることを目指しているので、私は自分の成績のためだけに押し売りのような営業、相手を言いくるめるような営業はしないようにしています。
7.心理的なハードルを取り除く
「最低料金で構わないよ」と言って価格のハードルを下げ、お客様にお店に来ていただくのです。

感想

◆まずはその努力量を見てほしい

ホストという職業にもつイメージは人それぞれでしょうが、まずわかっておいてほしいのは著者は相当の努力家ということです。

本書巻頭部分には、

 仕事に活かすために雑誌と書籍を毎月50冊くらい購入し、これまで1000冊以上のビジネス書を読んできました。ビジネス書に書いてあったことを、ホストも同じかなと思って試したところ、うまくいったという経験もたくさんあります。

という一節が登場します。

その他にも、1日18時間キャッチをしたとか、90キロから70キロにダイエットしたとか、1日にメールを150件送ったとか、かなりマッチョな努力をしてきたことが伺われます。

一般のビジネスパーソン、営業マンでこれだけの読書量はじめ、努力をしている人はほとんどいないと思います。

さすがに歌舞伎町ナンバーワンホストともなるとちがいますね。

ホストという職業を色眼鏡で見る前に、素直にその圧倒的な努力量を見ていただきたい。
そしてまだまだ自分に取り入れられるもの、努力できる領域があるということを受け入れたいですね。

◆ホストもビジネスパーソンも営業のポイントは同じ

さて、その読書の中から彼が導きだした「交渉術」のポイントが

1.「売らない売り込み」を意識すること
2.信用という名の口座残高を増やすたと
3.自分自身が魅力的な人間になること

この3つのポイントは、営業関係のビジネス書を読めば必ず登場するベーシックな内容です。

華やかなホストの世界のイメージとはかけ離れた観もありますが、結局のところ人対人の仕事ということで、押さえるべきポイントは同じなのでしょう。

実際、本書で語られている著者のテクニックは、上記3ポイントをベースにしたものです。

販売する商品は「楽しい時間」。

仕事や生活にどうしても必要なモノを売り込むわけでなく、それでいて結構高額で、お客様は買い物にシビアな女性のみ。

ホストの方が一般の営業よりかなりシビアなところもあるでしょうが、上記の3ポイントの応用でナンバーワンホストとなっている実例があるわけですから、この3つは実行するしかありません。

たった3つです。
でもお客の目で見ても、この3つができている人って少ないですよね。

◆会話だけでビジネスをする「究極の接客業」には「お客様本意」のヒント満載

例えば「魅力的な人間になる」という項目があります。
信長さんはそのための”準備”をしっかりしています。

髪型、服装などの第一印象。
会話のためのインプット。
パーソナル情報の記録と確認。
こまめな連絡。

これらは接客業だからとは思わずに、ぜひ一般の営業マンも意識して真似してほしいです。

特に見た目。
というのも、清潔感のない営業マンって結構多いからです。

例えば、お客様に失礼だからと夏でもスーツにネクタイのスタイルの方いるでしょ。

そこでちょっと考えてほしい。

スーツにネクタイ姿で汗だくの営業マンと、半袖ノーネクタイだけど爽やかな営業マン、どちらの話を聞きたいですか?

実は私のところへ来てくれる某ディーラーさんと某銀行さんがそうなんですよ。
お二人とも仕事はきっちりしているし、人柄もいい方なのですが、夏場はあまりお話ししたくないという・・・(笑)。

会社で決められているんでしょうけど、「お客様本意」というのはまだまだ改善の余地ありですね。

著者がいうようにホストは「究極の接客業」です。
「ちゃらい」とか「楽な商売」などと思っていたら大間違い。

むしろ「お客様本意」という点では一歩も二歩も先に進んでいる。
営業マンならじっくり読んで研究してほしい一冊です。

本書は 献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

会話だけでビジネスをする「究極の接客業」
第1章 交渉の相手は「信頼関係」
第2章 交渉は「聞く」「見る」から始まる
第3章 相手を気持ちよくさせる会話術
第4章 クライアントを落とすトップホストの実践交渉テクニック
第5章 ホストのウラワザ交渉術
おわりに コミュニケーションがすべて

関連書籍

交渉術ということで、こちらの本はいかがでしょう。

以前出版されていた本が文庫化されて出版されます。

Amazonの内容紹介より

論理術、説得術、交渉術、問題解決術、人心掌握術…
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なぜ、「ヤクザの言い分」に従ってしまうのか?
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ホストとは対極にある交渉術。
こわいけど興味津々です。

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