こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。
今日ご紹介するのは、当ブログの古くからの読者にはおなじみ、美崎栄一郎さんの『スピードと成果が劇的に上がる戦略 最強の優先順位』です。
働き方改革が本格的にスタートして、仕事量は減っていないのに残業時間の制限が厳しくなっている職場も多いと思います。
今まで以上に効率よく仕事をこなしていくことが求められるわけですが、今回は「優先順位」について参考になるポイントを本書より紹介します。
では早速、記になるポイントの読書メモをシェア!
『最強の優先順位』読書メモ
★「緊急度と重要度のマトリックス」ではうまくいかない
大事なことを最優先すればいい。基本原則はこれで間違いありません。でも、現実の世界では、割り込み仕事が入るのです。
割り込み仕事、そして些末な仕事があることを前提にして、優先順位をつけていくことです。 優先順位づけとは、端的にいうと「今何をすべきか?」を決めることです。重要度や緊急度にかかわらず、抱えているすべてのタスクを処理できるよう割り振っていくことで、仕事が最適化され結果的に生産性が上がるのです。 その際に基準となるのが、「時間の価値」です。今という時間にその価値を最大化できる仕事を割り振るのです。
★優先順位を狂わせる6つの原因
優先順位が来る原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、自分以外、つまりまわりの環境や他人に原因がある場合、もう1つは、自分自身に原因がある場合です。
それらをさらに細分化していくと、次の6つに分けることができます。
1割り込み仕事が入ってしまうから
2邪魔が入って集中力が途切れてしまうから
3つい、他の仕事に手をつけてしまうから
4感情が揺さぶられるから
5もっといい結論があると思い、決断を保留しているから
6使えるリソース(時間、お金、人など)が不足しているから
★割り込み仕事によるダメージを最小限にする方法
上司や取引先が仕事を振ってくるタイミングを把握しておけば、スケジュールが狂うダメージを少しは抑えられるでしょう。
じつは割り込み仕事を俯瞰してみると、ある程度予測することが可能なのです。
★優先順位をつけることは、時間の価値を最大化すること
仕事の優先順位を決めるときに、まず念頭に置くべきなのは〝時間の価値〟です。
同じ1時間でも自分が置かれている状況によって〝価値〟が変わるのです。
ここでいう時間の価値とは、「その時間でやるべき仕事の種類」と、「1時間あたりの生産性」ということです。
そして、時間の価値を決める要素として、次の4つが挙げられます。1.今いる場所
2.まわりの環境
3.時間帯
4.体調この4つの要素によって、時間の価値が大きく変わるのです。
★”迷い”を断ち切る10のルール(抜粋)
予定が重なったときは必ず先約を優先する
私は、同じ日時に複数の予定が入りそうになったときは、先約を優先すると決めています。
「あとからのお誘いのほうがおもしろそう」とか、「条件がいい」というケースもあると思いますが、先約があるからとあきらめる習慣をつける。 予定を組み替えることは、結果としてかなりの労力を要しますから、決まり事にしてからは、断るのもとくに気兼ねしなくてすむようになりました。
締切日ではなく、発生日を基準にする
締め切りを基準に対応していると、時間の価値にかかわらず納期の迫る仕事を最優先で処理しなければいけなくなってしまいます。
・締切まで時間がある仕事→記憶が鮮明なしこと発生直後に着手
・毎月締切が訪れる仕事→材料がすべてそろう前から着手
・その他定期的な仕事→複数回分をまとめて行う
同時に複数の仕事を抱えてしまったら、慣れているほうを優先する
慣れている仕事は、やるべきことが明確なので仕事量を正確に見積もることができます。もし、以前同じ仕事を行った際に時間を計っていれば、どれくらいの時間が必要なのか、つまりいつ終わるのかが把握できるので、その後の計画を立てやすくなるわけです。
その段階で、「時間が足りない!」とわかれば、自分以外でも行える工程を人に振ったりアウトソーシングしたりできます。
明日の自分に期待しない
明日やろうと考えてしまうのが、なぜまずいのか。
確かに、明日の自分に仕事を渡してしまえば、今日の自分はラクになります。
しかし、結局そのパスを受け取るのは自分自身。あたり前の話ですが、翌日同じ仕事に対峙しなければならないわけです。
明日の自分が今日の自分より劇的にスキルアップしているという事はあり得ませんから状況は今日と変わりません。
さらに、もともと翌日やるはずだった仕事や新たに入ってくる仕事もあるわけですから、状況はより悪くなってしまいます。
まず、2日分の仕事を洗い出し、その中から体調が悪くてもできる仕事、たとえば、比較的簡単な事務作業などを選び片づける。そして、その日は仕事を早く切り上げ体調を戻すことに集中します。そうやって、体調を整え残りの仕事を翌日に処理すればいいのです。
★割り込み仕事を予測してスケジュールに組み込む
割り込み仕事を予測するための方法は非常にシンプルです。
①その日にあった割り込み仕事を記録する
②「その割り込み仕事が、本当は予測できたのではないか?」と振り返り、予測できたことと、予測できなかったこととに仕分ける
③予測できたことがわかった仕事に関しては、次のタイミングを予測してスケジュールに落とし込むこの3ステップを踏むことで、割り込み仕事によって仕事の優先順位が狂うことが、徐々に減ってくるでしょう。
感想
◆割り込み仕事は予測できる! に目からウロコ
現在は商品開発コンサルタントとして独立している方ですが、昔は花王に務めていたサラリーマン。
僕らも名前を知っている「アタック」の開発者でもあります。
そのサラリーマン時代に、裁量労働制が導入されたことで、「12時出社・5時退社」を実現したそうですからすごいですよね。
さて、美崎栄一郎さんの著書を当ブログではよく紹介してきましたが、それは美崎さんの著書が”使える”から。
そして、なぜ”使える”かというと、美崎さんが経営者ではなく、一兵卒だったからだと僕は思っています。
仕事術系のビジネス書にはもっともらしいことを書いているけど、本に書いていることを実践してもどうも現実に当てはまらないとか、使えない物も多いです。
大抵の場合それは、著者が経営者なんですね。
仕事を振る方と振られる方では、ちょっと仕事との向き合い方とか時間のスタンスが末端の社員とずれているんです。
その点、美崎さんの仕事術系の本は、どれも末端の社員の経験から書かれているため、ほぼそのまま真似して使うことができます。
本書でも、冒頭に上げている「緊急度と重要度のマトリックス」は、数多くのビジネス書で推奨される優先順位決定方法です。
ですが、美崎さんが言うように現実と乖離している部分があると僕も感じていました。
このマトリックスがうまく機能しない原因は「割り込み仕事」で、結果、「割り込み仕事」がはいった分残業することになります。
僕の前職も「割り込み仕事」が多くて、これだけは仕方ないと諦めていました。
しかし、本書を読んで目からウロコだったのは「割り込み仕事」は予測できるという点。
突発的なトラブル対処は別として、定期的な仕事は確かにある程度割り込んでくるタイミングが予測できるんですよね。
実際この本を読んでからは、飛び込んでくる「割り込み仕事」を逐一観察してみましたが、8割ぐらい予測可能なものでした。
おそらく、僕の前職が毎年定期的にまわってくる同じ仕事が多かったのもありますが、1年前のスケジュール帳を常にデスクの引き出しに入れておいて、「去年はこの時期にこの仕事をしていたな」と意識していると、かなりの確率で予測できるようになりました。
もしあなたの仕事が、毎年同じ仕事を繰り返すことが多い業種なら、この方法はかなり有効です。
もちろん、スケジュール帳をこまめにとっておく必要がありますが。
仕事の優先順位で迷っている方は是非参考にしてみてください。
目次
はじめに
第1章 なぜ、仕事の優先順位は狂うのか?
第2章 優先順位を決める4つの原則
第3章 「分割と集合」で仕事はうまくまわりはじめる
第4章 仕事の「ボトルネック」を見つけ解消する
第5章 “迷い”を断ち切る10のルール
第6章 驚くほど仕事がはかどる優先順位のつけ方
おわりに
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