こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。
今日ご紹介すのは、藤井美保代さんの新刊、『仕事で「ミスをしない人」と「ミスをする人」の習慣 』 です。
藤井さんの著書は、今まで何度か当ブログでも紹介してきましたが(関連書籍欄参照)、事務改善と業務効率化のプロフェッショナルとして書かれたガチの仕事術本は、僕自身大きく影響を受け、仕事の仕方がよりミスが少ない方向へ改善された経緯があります。
今回は仕事のテクニックと言うよりは、やや、仕事に対する心構えとか姿勢と言った点にポイントをシフトした内容となっていますが、今回もいろいろと参考になる内容となっています。
では早速、気になるポイントの読書メモをシェア!
読書メモ
★ミスをしない人はダブルチェックを疑い、ミスをする人はミスをする人はダブルチェックして安心する。
(ミスが発生するのは)ダブルチェックを習慣化した結果、チェック自体の質がよくなく、いい加減なダブルチェックが増えているからだと思います。
また、過剰なチェックに時間を取られるあまり、本来やるべき仕事に時間をかけられず、時間が足りないから、焦ってミス繰り返される・・・。
「ミスをしない人」は、「ダブルチェックさえすればミスが防げる」とは考えていません。「これがベストな方法なのか」と、ダブルチェックそのものにも疑いの目を向けています。
★ミスをしない人は先送りをポジティブに撃退し、ミスをする人はネガティブに引きずられる。
「ミスをしない人」は、先送りがもたらすネガティブな未来を想像できるだけでなく、すくに取り組むことで拓けるポジティブな未来に思いを馳せられます。
苦手なことにもすぐとり組める人は、大きな仕事の塊を小さな塊にほぐしてから、1つずつとりかかります。そこが大きな違いです。
大きな塊を小さく分解することを、「チャンクダウン」と言います。
仕事をチャンクダウンしたら、あれこれ考えずに「まずはやってみる」。これも「ミスをしない人」に共通する行動習慣です。
「やる気は高めるものではなく、迎えに行くもので。とりあえず始めてみて、意外にもスムーズに進んだなという経験が積み重なれば、それが習慣化さもていきます」(脳研究者 池谷裕二)
★ミスをしない人は情報が流れる関係を築き、ミスをする人は情報が遮断されている。
ミスは、職場の情報が滞ったときに起きやすくなります。
また、情報が流れていれば、ミスの防止だけでなく、仕事の質向上にもつながります。
そして、情報が滞りなく流れるかどうかは、職場の人間関係が遠聞く影響します。
日常的に手気軽に質問や相談しあえるおはよう関係を築いている人には、自然と情報は流れるでしょう。
情報が流れる関係を築いている人、すなわち「ミスをしない人」には、ある共通点があります。
自分から進んで「おはようございます!」と挨拶し、 忙しそうな同僚を見れば、「 お疲れ様。何か手伝うことある?」と声をかけます。 主体的に周囲に働きかけ、 円滑な人間関係を築こうとするのは、「ミスをしない人」の特徴です。
情報が流れる関係を築いている人は、「話しかけられやすい人」でもあります。自分からまわりへ働きかけるだけでなく、まわりからも挨拶されやすく、声をかけられやすい雰囲気を心がけています。
★ミスをしない人は社内に情報インフラを築き、ミスをする人は仕事がタコツボ化している。
自分の苦手な分野を担当するときでも、それを得意とする人の知見を借りることで、ミスなく質の高い仕事を成し遂げている人がいます。
そういう人を、ぜひ観察してみてください。社内の人たちの強みや得意分野を知ったうえで、気持ちよく知恵を貸してもらえる関係を築いているはずです。「ミスをしない人」は、社内に情報インフラを築き、それを仕事に活かしています。
一方で、「ミスをする人」は、得意なことも苦手なことも、すべて自分で抱え込もうとします。苦手なことも自分一人で解決しようとすれば、ミスが生じたり、仕事の質が下がったりするのは当然のことです。
仕事を抱え込めば、その人しかその仕事のことがわからない状態を生み出します。これを「仕事のタコツボ化」と呼びます。
★ミスをしない人はノートのとり方を重視し、ミスをするストはノートに書く文字を重視する。
ノートに書くという行為には、必ず目的が存在します。「何のためにノートに書くのか」という目的がまずあって、その手段としてノートに書くという行為があります。つまり、なんらかのアクションにつなげたり、仕事に役立てたりするために、ノートに書くのです。
ノートに書く目的、3つ
1つ目は、備忘録としてのノートです。
2つ目に、物事の理解を深め、仕事の質を高めるために書くノートがあります。
3つ目は、学んだことを実績につなげるためのノートです。
★ミスをしない人はメモにひと手間加え、ミスをする人はメモするだけで満足する
職場の様々なミスを分析していくと、「うっかり」が原因のミスは、なんと日常で起きるミスの8割を占めるほど多いのです。
この「うっかり忘れ」を未然に防ぐために、メモを活用します。
メモしたことを行動に移すためのひと手間をとっているかどうか。これが「ミスをしない人」と「ミスをする人」の分かれ道です。
行動に移すには、「いつやるか」を決めて、To Doノートに転機することが最初のステップとなります。
メモ帳に書いた「やるべきこと」のうち、うっかり忘れが多いのは、すぐ実行に移さなくていい仕事です。
つまり、先々にやるべきことは、時間が経つと、どこにメモしたかわからなくなったり、メモした事自体を忘れてしまったりするのです。
締切まで余裕があり、翌日以降に持ち越せる仕事については、「いつやるか」を決め、To Doノートのその日の欄に忘れずに転記します。
To Doノートでその日にやるべきことを意識していても、うっかり忘れることもあります。その防止策として、行動に移す動線上でのリマインドが効果的です。その行動を取るにあたって必ず使うものや目にする場所に、「やるべきこと」を書いた付せんを貼っておくのです。
★ミスをしない人は1日3回段取りを見直し、ミスをする人は朝、段取りを組んで安心する
段取りは、1日の仕事を始める前に立てましょう。ミス撲滅は、朝段取りの習慣から始まると言っても、過言ではありません。
ただし、「ミスをしない人」は、それで十分とは考えていません。朝に段取りを組んだあとも、1日のうちに何度か段取りを見直します。
私が推奨する見直しの階数は、朝の段取りを含めて3回です。
朝に段取りを組んだら、次に見直すタイミングは、昼休みの前です。午前中に片付けるべき仕事がどれだけはかどったのかを振り返り、段取りからズレがある場合は、午後の仕事も見通しながら段取りに修正を加えていきます。
午前中にやり残した仕事を午後に持ち越せば、その日のうちに完了できない仕事が出てくる可能性があります。そうならないために、とるべき選択は3つあります。
1つ目は、今日中に終わらない仕事を明日に持ち越すこと。
2つ目は、予定した仕事は今日のうちにすべて片付けること。そのために締め切りを強く意識して、普段よりも1割程度のスピードアップを図ります。
そして3つ目は、午後に予定している仕事のうち優先順位の低い仕事を「やらない」と決めること。こうした見直しを午前中が終わった時点で行います。
次に、修業の2時間前に3回目の見直しを行います。残りの2時間で終えられる仕事とそうでない仕事を見極め、上司やまわりの人とも相談して対策を考えます。
★ミスをしない人は仕事の目的を理解し、ミスをする人はとりあえず仕事をする
目的が曖昧だと、何のためにその仕事をやるのかよりも、その仕事をこなすこと自体が目的になりがちです。
仕事の指示を受けるときに役立つのが、「はきもの」のフレームワークです。
「はきもの」とは、「は:その仕事が発生した背景」「き:期限」「も:その仕事の目的」「の:作業の能率を上げるための情報」のことです。
仕事の目的をしっかりと理解し、期限を把握し、さらに仕事の進め方に関しても合意をとっておくことで、ミスのない、質の高い仕事へとつながっていくのです。
感想など
◆仕事は総合格闘技
久しぶりに藤井美保代さんの著書を読ませていただきましたが、先述したように、ガチのテクニック本というよりは、仕事に対する感変え方とか姿勢に重点を置いていて、ミスをする人としない人のマインドを比較した内容となっています。
もちろんそれをベースにミスをしないための仕事術が解説されていますので、すぐに直接仕事で使える内容にもなっています。
実践的なところは流石の一言です。
で、内容に関して感じたことを。
今回本書を読んで感じたのは仕事のマルチ化が進んでいるし、それに対応しなくてはならない時代なんだなということでした。
おそらくビジネスシーンが少し変わってきたんだろうと推測します。
どういうことかというと、以前同著者の本を紹介していたのは2012〜2013年頃なんですね。
その頃に比べて、一人の労働者がやらなくてはならない業務の多様化、マルチ化が進んでいる気がするのです。
もちろん大きな会社だと経理とか営業とか役割分担かはっきりしているんでしょうけど、どんどん人員削減されて、一人何役もこなすというのが当たり前になってきているのを実感します。
で、本書もそんな時代にあった内容に少しシフトしてきているような印象を受けました。
人間ってそうそう求められるものに対応できるほど器用じゃないんですよ。
でも、業務が多様化している。
こういう時代に強い武器となるのがコミュニケーションを含む、人間関係を築く能力。
本書に登場するメソッドでも、情報が流れて着やすいように人間関係に気を配るとかあるように、円滑な人間関係を築いて、自分の欠けている点を補うというのも重要なテクニックになっています。
なんだか、色々なテクニックが必要とされる総合格闘技の様相を呈しているのだ現代のビジネスシーンなんじゃないですかね。
もう昔のように一つのことに特化した”職人”基質では職場でうまくいかないのかもしもません。
一匹狼的な人が「仕事さえできればいいんだろ、文句は言わせないぜ」といった姿勢で結果を残せていたのはもう過去の話のような気がします。
ただ、どんなに仕事の内容が変わっても、やるべきことが広範囲になっても、仕事でミスせず、うまく回せる人の資質というのは基本的にこれまでと同じ何じゃないかとも思います。
ミスをしないための仕事術がしっかり網羅されている本書は、自分の仕事に対する姿勢を見直すテキストとしてぜひご活用ください。
本書は著者の藤井美保代様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
第1章 考え方編
第2章 情報編
第3章 段取り編
第4章 整理整頓編
第5章 コミュニケーション編
第6章 ビジネスツール編
第7章 気づく力編