こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。
今日ご紹介するのは、元銀行員で『お金が貯まるのはどっち!?』シリーズの著者でもある菅井 敏之さんの最新著書、『あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』 です。
突然ですが、みなさんはお子さんにどんなふうにお金の教育をしていますか?
常々、これからの時代はファイナンシャル・リテラシーが重要だということはよくわかっていますが、普段の子育ての中で子どもたちにどうやってマネー教育をしていくかということには頭を悩ませますよね。
本書には「なるほどなぁ」と納得できる具体例が多数紹介されているんです。
ということで、今回は子どもへの「お金の教育」の方法を中心に読書メモをしてみました。
では早速、気になるポイントの読書メモをシェア!
『あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』読書メモ
★「定額おこづかい制」はサラリーマン感覚を育ててしまう
子供に毎月定額のおこづかいをあげる、というのは、実は不思議なシステムです。
その月の働きや達成度いかんにかかわらず毎月の給料が口座に振り込まれる・・・これはまるで、入社したらよほどのことがないかぎり定年まで勤められる終身雇用制の会社で、年齢に応じてお給料が毎年昇給してきたかつての起業サラリーマンのようなもの。〈中略〉この”サラリーマン感覚”を育ててしまうのが、「月々支給のおこづかい制」だと私は感じています。
オーナーの目線とヴィジョンを育てるためには、まず、この受け身の意識=「受給者意識」から脱却しなければいけません。
わが家では、幼い子供へのおこづかいは「働きに応じて」あげていました。
誰かが困っていることや悩んでいることを「発見」して、それを「解決」することで「お金がもらえる」ということが、ビジネスの基本だと考えるからです。
★ビジネスの基本は”進取の気性”
進取の気性とは、新しいことに自ら進んで取り組めること。
人に言われずとも自律的に動ける人間であるということ。
1 人の困っていること不便に感じていることを「発見」したこと。
2 問題や悩みを「自分の能力で解決」できたこと。
3 自分が動いたことによって「感謝」されるという喜びを得たこと。どんな時代になっても、このビジネスの基本は変わりません。
働いて得るお金を「単なる労働の対価」としてだけ考えていると、「稼ぐ力」を伸ばすことはなかなかできません。単純な労働の現場では、働く喜びややりがいは薄くなりがちです。自分だけにできる仕事である、という「誇り」や「喜び」も残念ながら抱きにくいものです。
子供に「稼ぐ力」を身につけさせるには、まず、自分が動いたことが、誰かの喜びにつながる「働き」を考えさせ、見つけさせることから始めましょう。
★子どもを家族の「なんでも解決マン」に認定!
私が提案したいのは「家庭内ビジネス制」です。
誰かの悩みを「発見」し、自分の働きで「解決」すると、そこに「お金が発生する」。つまり、進取の気性をフルに発揮して、家庭内ビジネスの担い手とするのです。ビジネスの基本の考え方を身につけさせることを、毎日の生活に組み込んでしまいましょう。
まず、子どもを家族の「なんでも解決マン」に任命します。
〈中略〉
家族の『困っていること』を発見し、まず解決法を考える。それを行動に移したらおこづかいが発生するという仕組みです。
★「なんでも解決マン」はビジネスセンスを育てるだけではない
自分の力で、困っていた人が笑顔になり、しかも報酬がもらえる! 子どもたちは、どんどん想像力を働かせて家族の役に立てることを探していくでしょう。みんなの状況をよく見て、判断し、想像力を働かせて解決方法を考えて、動くでしょう。これは、将来につながるビジネスセンスを育てると同時に、もっと大きな発見を子どもにもたらすはずです。
自分の「能力」で人の役に立つものは何か気づくこと。
「人に親切であること」と「人に優しくあること」が、どれだけ自分を豊かにするか、とういことです。
「人に親切であること」と「人に優しくあること」が、どれだけ自分を豊かにするか、とういことです。
★ライフプランで未来の支出を「見える化」
「お金を稼ぐ力」とともに自立に必要なのがお金を管理する力。「お金を管理する力」には、それを支えるふたつの力が必要です。
未来のことを、考えることのできる力。
未来のために、がまんする力。このふたつの大きな力を育てるために、家族全員のライフプランを作りましょう。
ライフプランとは文字通り、人生の計画。家族全員の未来の年表と支出予想をまとめたものと考えてください。
収入がわからなくても、支出の予測はつくのです。
子どもが進学する時期や、自分の定年の時期はわかります。そして、そのとき必要になるお金もだいたい予想がつきますね。
これをきちんんと「見える化」しておくことがライフプラン作成のいちばんの目的。〈中略〉
具体的なライフイベント、人生の節目にあわせて、大まかな数字を予想し「見える」ようにしておくのです。
★1か月分の家計を「現金で見せる」
第1回の「家族の経営会議」を開くときに、必要な準備がふたつあります。
1 家計の実態を把握すること。
2 1か月分の収入を現金で用意すること。クレジット&キャッシュレス社会のいま、実感として見えにくくなっているのが「家計」です。月々の家賃や住宅ローン、車のローン、光熱費、食費、保険料や教育費の積み立て、携帯などの通信料・・・ぱっと答えられない方が意外と多いのではないでしょうか。
さらに子どもたちにかかるお金もできるかぎり具体的に見せられるように準備します。学費や給食費、お稽古事や塾の月謝はこれくらい・・・といったことです。家庭の経営に、どれくらいのお金がかかっているのかをしっかり把握するのです。
これは、家計見直しの大チャンス。家計の実態を把握できていなければ、会議は開けません。
1か月分の収入を現金で用意したら、これは家賃、食費、通信費、保険、貯金、光熱費、これは学費、給食費、塾の月謝・・・と、子供の目の前で分けていきます。
家計の担い手が1ヶ月に得る収入、そのなかから生活費にどれくらいかかっているか。月々の貯蓄額や赤字額。また、自分にかかっている教育費や将来への投資がどれくらいのものなのか、ということが、これ以上ないくらい実感として迫ってくるはずです。
感想など
◆目指すのはオーナー感覚
まず、いきなりガツンとやられたのは、「定額制お小遣い」はサラリーマン感覚を育ててしまうという指摘。
年齢とともに増額していくお小遣い制って多くの家庭で採用していると思いますが、これって確かに終身雇用制での昇給制度と同じですよね。
現在はもうすでに終身雇用なんて消滅しているわけですし、働き方やお金の稼ぎ方も多様化しているわけですから、そういった時代にふさわしいお小遣い制度でファイナンシャル・リテラシーの基礎を養っていくべき。
これは大いに納得ですが、問題は何をどう教えるか。
だって僕も親からお金の教育なんて受けたことがないですから。
そこで本書の出番なわけですが、ではどんな方向を目指すのかというと、「オーナー」の目線、ヴィジョンをもたせるというのが基本的な本書の趣旨。
そして、そのための方法として例えば、「なんでも解決マン」に子どもを認定して、成果に応じて報酬をもらうというお小遣い制度にしていくというのは本当に目からウロコでした。
いや、この発想はなかったわ。
これ、本当にいい方法だと思います。
◆ロングスパンのライフプランを一緒につくろう
そして「ヴィジョン」にも関係してきますが、家族全員が参加して、「ライフプラン」を作成して将来必要なお金を「見える化」するというのも納得。
僕の親は、「こどもにお金の心配をさせない」という考えで、あまりお金の話はしませんでした。
多分そういう家庭は多いのではないでしょうか。
その結果、僕なんかは将来のお金の問題も「まぁ、なんとかなるさ」といったすごくアバウトな感覚しか持っていません。
物事に楽観的なのはいいことではありますが、やはり、将来何歳ぐらいのときにどれくらいお金が必要になるからそれまでにどのように備えるか、ということを大まかに考えるきっかけは必要ですよね。
このライフプラン作成をやってみると、大学進学や結婚など、「えっ、こんなお金がいるの?」と絶対驚くはずです。
また、具体的に月々に何にどれくらいお金が必要かというのを現金で”見せる”ということもすごくいい方法だと感じました。
恥ずかしながら、僕もよくわかっていませんから。
本書にも書かれていますが、親も一緒にマネー感覚を磨く方法として、一度やってみるのがいいと思います。
◆会計知識はこれから必須
あと、本書でも書かれていますが、財務会計知識は必須ですね。
いわゆるバランスシートというやつ。
これ、どの”マネー本”にも必ず登場しますよね。
僕はどうも苦手でこれまで避けて通っきましたが、これから個人事業主になるし、覚悟を決めてこの機会に勉強しようかと思います。
本書の巻末付録には先述の「ライフプラン」と「財務諸表」の作り方の解説が掲載されています。
会計士のような専門的知識は必要ないわけですから、大まかな自分の「財務諸表」ぐらいは作成していけるよう頑張ってみようと思います。
ということで、子供と一緒にファイナンシャル・リテラシーを磨くことができるアイデアが満載の本書。
あなた自身の啓発書としてもぜひおすすめです。
本書はオトバンク様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
第1章 「大金持ち」の知恵袋
第2章 「稼げる人」の知恵袋
第3章 「貯められる人」の知恵袋
第4章 「増やせる人」の知恵袋
第5章 「もらえる人」の知恵袋
あとがき
巻末付録
ベーシックコラム1 ファイナンスの基礎「財務表」
ベーシックコラム2 家族のライフプランの作り方
関連書籍
同著者の既刊本。
今日ご紹介した本と合わせてどうぞ。