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佐藤優 (著)『調べる技術 書く技術』SBクリエイティブ 【本の紹介】佐藤優氏の高い生産活動を支える「インプット」の基礎とは

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こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。

今日ご紹介するのは、

佐藤優 (著)『調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意』 です。

当ブログの読者さんなら本屋さんに足繁く通っている方が多いと思いますが、いつ行っても佐藤さんの新刊が新刊コーナーにありますよね。

とにかくすごいペースで出版されていて、しかもそのどれもが専門性の高い。
いったいこのアウトプットを支えているインプットはどうなっているんだろうといつも思ってしまいます。

本書では佐藤優氏のインプット、アウトプットのメソッドの基礎の部分を紹介しており、このエントリーではインプットに注目したいと思います。

では早速、気になるポイントの読書メモをシェア!

『調べる技術、書く技術』読書メモ

★45歳までは「知的生産」、45歳以降は「知的再編」

 インプットを磨き、毎年2%ずつの付加価値を目指す。そして45歳になったら人生の折り返し地点だ。ここからは今までに積み上げてきた財産を生かすことへとシフトしていくといい。
 45歳までが「カードを増やす『知的生産』の段階」だとしたら、45歳以降は「今までに増やしたカードを組み替えて生かす『知的再編』の段階」といえる。

★調べる技術の基本は「読むこと」

 ではインプットとは具体的にどのような作業か。まず基本は「読むこと」、そして第二に「聞くこと」だ。職業によっては触れることや嗅ぐことなども重要な情報源となるだろうが、ベースは「読む」、そして「聞く」の2つと考えていい。

★教養力アップに使える「高校教科書」

 (基礎的な知識・教養を身に付けるためのインプットの)基本は高校の日本史A、世界史A、政治経済、数学Ⅰ・Aの教科書である。

 日本史Aと世界史Aは、扱う出来事が厳選されている分、解説にもしっかり紙面が割かれていて深い内容になっている。とくに日本史Aは近現代史に焦点が当てられており、現代のビジネスパーソンが押さえておくべき歴史的知識が満載されている。

 次の政治経済は、いうまでもないだろう。日ごろ触れ、理解しておくべきニュースは政治と経済関連のものがほとんどだ。現代の世界政治、経済の動向を理解する上では、高校レベルの政治経済の基礎知識は必須である。

 数学を学び直すのは、ロジカルに考える力をつけるためであり、どちらかというと、質の良いアウトプットを足元から支えるインプットと言える。とりあえず、数Ⅰ・Aをマスターするように努力してほしい。微分・積分や統計を理解するためには数Ⅱ・B、数Ⅲの知識が必要だ。

 さらに理想をいえば、物理・化学・生物・地学の理科4科目も学び直すことだ。

 哲学の教養をもって日々のニュースに触れてみると、いかに思想的な背景が時事問題に影響しているかがわかり、より深くニュースを理解できるようになる。どの国の政策やリーダーの発言にも、その国が歩んできた歴史、信じてきた思想が色濃く現れるものなのである。

佐藤優氏がすすめる「高校の知識・教養学び直し」の本

教科書

日本史A 改訂版 [日A311] 山川出版 文部科学省検定済教科書
老川慶喜、加藤陽子、鈴木淳、高埜利彦、高村直助
山川出版社
2017
詳説 政治・経済研究
藤井 剛
山川出版社
2016-04-01

書籍

★「本を読んでも自分の知識にならない」理由

 第一に、本の内容を理解したつもりだが、実際は理解していない場合だ。前項で挙げたような教科書と書籍で基礎的な知識、教養を身に付ければ、理解力が格段に上がり、それだけ記憶にも残りやすくなることに気づくだろう。

 第二の理由は、読書の技法が磨かれていない場合だ。ノートの取り方1つでも記憶の定着度は大きく変わる。

 第三に、読者が背伸びをしすぎている、あるいは焦っている場合だ。本の中には、積み上げ式に得た知識が必要とされるものも多い。基礎的な知識・教養を身につけても、それ以上のリテラシーが必要とされる本に挑戦しているのかもしれないということだ。その類の本は、その都度知識を補いながらでなければ理解できない。

 そして最後にもう一つ、読んでも知識が定着せず、行動まで至らない4つ目の理由として、本の内容が論理破綻しているケースが考えられる。

★新聞は、少なくとも2紙は購読

 情報収集において、もっとも重要なのは、1つの見方・考え方に偏らないことである。そして偏らないためには、いろいろな見方・考え方に日々、触れることが重要である。
 つまり複数の新聞を購読することには、ニュースの扱い方や社説、解説欄から、毎日、複数のものの見方・考え方に触れるという意味があるのだ。
 その意味合いからすると、思想的に異なる新聞を購読することだ。2紙なら読売新聞と朝日新聞、朝日新聞と産経新聞、産経新聞と東京新聞という具合である。

★『新聞ダイジェスト』で、各紙の要点を把握する

 『新聞ダイジェスト』とは、1ヵ月の間に新聞で報じられたニュースの要点をまとめた冊子である。これが、忙しいビジネスパーソンにとってはメリットが非常に多い。まず、主要テーマ別にまとめられているため、非常に手っ取り早く1ヵ月の世の中の動向がわかる。各種の「いいとこ取り」がしてあり、事実関係が把握しやすい。情報の即時性はないが、事後的に、各トピックをどの新聞が、どういう報じ方をしていたのかを比較検証できる。また、過去1ヵ月の主要トピックをいくつかピックアップし、各紙の「社説読み比べ」コーナーが設けられているのもいい。何紙も購読しなくても、各紙の論調の違いを大まかに把握できる。

月刊新聞ダイジェスト19年4月号
株式会社新聞ダイジェスト社
2019-03-20

★NHK NEWS WEB を常時ブラウザ表示して短時間で読む

 「NHK NEWS WEB」をつねにブラウザに表示しておき、手が空いたときに目を通すと言うのも、効率的な生の情報収集法である。もちろん無料で読める。
 職場環境によっては、定時のラジオニュースを聴く習慣をつけるのもいい。
 NHKでは毎時間0 0分ちょうどにニュースが流れる。高級官僚や、閣僚級の政治家は、車の移動中には必ず、このNHKの定時ニュースを聞いている。

★「ジャパンナレッジ」を参照する

 専門でない事柄について書く際には、必ず「ジャパンナレッジ」で事実関係を確認し、自分で自分の原稿を校閲しながら書いている。情報の更新も遅れておらず、今のところ最も安心して使える辞典・事典検索サイトといえる。
 「ジャパンナレッジ」は有料会員制だが、辞書的な理解は、すべての理解の土台となる重要なものだ。いい加減な土台を作れば、その上に築く建物も危うい。辞書的な理解が怪しければ、その理解に基づくアウトプットの怪しい出来になりかねない。知的生産力を高めるには、こういうところでケチらないことだ。

感想

◆「複眼思考」を養え

巻頭に

 私は、毎月平均2冊のペースで本を出し、抱えるコラムや連載などの締め切りの数はひと月あたり約90になる。ひと月に書く原稿の分量は、平均して1200ページ、字数にして約50万字にもなる。この膨大な創作活動は、膨大なインプットに支えられている。執筆のために、多い月では500冊以上の本に目を通す。

とあるように、佐藤優氏のインプット・アウトプット量が桁違いであることがわかりますね。
一般的な社会人の僕らには、このレベルのインプット・アウトプットは必要ありませんが、情報の収集と取捨選択のメソッドは非常に有用だと言えます。

特に今は、ネットで検索すればなにか情報を得られる時代。

しかて、一見便利になったように見えて、逆にこうなってくるとあふれかえる玉石混交の情報からいかに「玉」を見つけ出すかが重要になってきます。

佐藤氏が言うには、まずは理解力の基礎を構築すること。

高校の勉強レベルは押さえておきましょうねというスタンスです。
(この段階で結構ハードル高いですが)

それが出来た上で、新聞等信頼できる情報ソースを中心にしてインプットするというのが佐藤流の基礎の隣ります。
(佐藤氏は10紙読んでいるそうです)

しかしここで問題が。

新聞も発行する会社によってはかなり偏向ぶりが顕著に見られますよね。
特にA新聞とか、その対極にあるS新聞とか。

なので僕は一概に新聞は信頼できないと思っていますが、そのあたりの見抜く力というのは、実際に「読む」みながら、訓練して身につけていくしかないでしょう。

そのときに重要なのが、佐藤氏もおっしゃっていますが、「批判的思考力」をもってインプットし、「複眼思考」を磨くことです。

普通の読み方とは違って、もっとアクティブで能動的なインプット。
その意識の持ち方からでも、変えてみてはいかがでしょうか。

今回のエントリーではインプットにのみ注目しましたが、本来はアウトプットとセットとなるものです。
「読む」と「書く」の2つがセットになってはじめて知的生産となります。

もし、佐藤氏のインプットに興味を持ったなら、本書でぜひアウトプットに関してもお読みください。

「読む」ことと「書く」ことに対する意識がガラリと変わると思います。

本書はSBクリエイティブ様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 情報過多な時代の調べる技術、書く技術
第2章 【インプット】情報を「読む力」を高める
第3章 【アウトプット】読んだ知識を表現につなげるスキル
第4章 調べる技術、書く技術の「インフラ整備」のすすめ
おわりに

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