映画から歴史的教養や雑学を学ぶ教養的映画鑑賞、6回目の今日は「スパルタカス」です。
三頭政治が成立する直前に起こった大反乱。
共和制から帝政への過渡期のローマの姿が見られます。
はじめに
はじめに、お断りしておきますが、私が観たのはこちら
「新しいほうがいいや」と、何も考えずに選んでしまったのですが、「スパルタカス」といえばやっぱりこちらの作品ですよね。
いずれカーク・ダグラスのスパルタカスも見ることにしよう。
さて、上記作品ですが、Amazonの内容紹介では
ローマ帝国に突如現れた剣闘士・スパルタカスの活躍を描いたアクション史劇。見世物として命を懸けることに不満を募らせたスパルタカスは、奴隷たちと軍隊を組織し、自由と尊厳を求めてローマ軍に立ち向かう。
と紹介されていますように、本来は自由を求めて闘う感動巨編なわけですが、当ブログのこのコーナーでは「感動」は二の次。
歴史的教養や雑学を得られるシーンを探していきます。
歴史教養的見どころ
◆内乱の1世紀から三頭政治への過渡期のローマ
史実では、スパルタカスの反乱は前73年から前71年。
三頭政治が始まるのが前60年。
平民派と閥族派の対立、同名都市の反乱など「内乱の1世紀」と呼ばれる時代から、三頭政治に移る直前に起こったのがスパルタカスの反乱でした。
古き良き伝統の共和制を守りたい元老院ですが、もはや共和制では立ち行かないことも顕在化している。
映画でも元老院派と権力を握りたいクラッススの衝突がしばしば登場します。
◆クラッススのキレキレぶり
この映画では、そのクラッススこそが見どころ。
世界史の教科書を見ても、この人名前しか登場しません。
すなわち、
「ポンペイウス・カエサル・クラッススの三人が私的な政治同盟を結んで三頭政治を始めた」
と、それだけです。
私も、「カエサルに大金を貸していた人」「パルティアで戦死して、三頭政治で一番最初に脱落した人」ぐらいしか知りませんでした。
なるほど、スパルタカスの反乱を鎮圧したのが出世の糸口だったのか。
それにしても、この映画でのクラッススのキレキレぶりは凄い。
本当にこういう人だったのかは分かりませんが、タイミング的には焦る気持ちも分かります。
というのも、ポンペイウスは若くして海賊退治で名声を得ています。
盟友のカエサルも遅咲きながらガリアで着々と戦果を挙げている。
「自分も!」と意気込んでいるところへ降ってわいたのがスパルタカスの反乱だったわけです。
しかしこの方、後にパルティアで戦死することで分かりますが、軍事的才能はあまり恵まれていなかったようで、この映画でもスパルタカスに手こずります。
◆政治家=軍指揮官であること
ローマの政治家は大変でした。
政治家として認められるには、軍の指揮者としても才能がなくてはならなかったからです。
このあたりの感覚は、今の政治家にもほしいものです。
最後に個人的な感想を
「女性も平等を!」と言うセリフが登場しますが、これはいくらなんでも行きすぎかと。
本当に言ったのでしょうか?
基本データ
2004年のアメリカのテレビドラマらしい
監督:ジョン・ケント・ハリソン
出演:ゴラン・ヴィシュニック
174分
こういうシリーズもあるんですね
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