映画から歴史的教養や雑学を学ぶ教養的映画鑑賞、17回目の今日は『ズールー大戦争』です。
1800年代初頭のアフリカを舞台にしている映画というのは珍しいのですが・・・
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はじめに:『ズールー大戦争』、アフリカの戦士たちの姿はいいのだが・・・
アフリカのズールー王国で1820年代に活躍したシャカ王と英国軍との戦いを描く作品。
ストーリー(Amazonより)
19世紀、強大な帝国を支配したズールー族の王シャカと、アフリカ大陸に入植を目論むイギリス軍との壮絶な戦いを描いた作品。
歴史教養的見どころ
◆ズールー戦争の前段階
この作品、いわゆるズールー戦争とは違います。
ズールー戦争に関してはウィキペディアのこのページを読んでください。
歴史上、「ズールー戦争」と呼ぶのは1879年の戦いであって、この映画で描いているのはそのはるか前の段階、シャカ王が活躍した1820年代のこと。
そしてストールー自体は創作です。
◆奴隷船のシーンは参考になる
奴隷船が商品である黒人を運ぶシーンがあります。
当時の奴隷船の様子がうかがえます。
が、私の年代だとあの名作『ルーツ』の奴隷船のシーンが強烈に残っていて、ちょっと物足りない。
映像的に刺激が少ないほうがいいという方には本作品がいいかも。
◆アフリカの戦士たち
この映画で見て欲しいのはアフリカの戦士たち。
近代装備をしている英国軍との比較が面白いです。
本当に盾と槍だけ。
実際の史実では、「ズール戦争」で、一旦はズールの戦士たちが英国軍に勝利するのですから、戦争ってわからないものですね。
このあたりはベトナム戦争も通じるところがあります。
ただし、シャカ王が英国軍の支援を受けていたという事実はないようですし、また、この映画では英国軍との戦闘シーンはほとんど登場しません。
最後に個人的な感想を
これぞパッケージ詐欺といった映画でした。
そもそもタイトルの「ズール大戦争」と映画の内容が違うし、「シャカ王率いるズールー族とイギリス軍の壮絶な戦い」とうたっていながら戦闘シーンがないという・・・。
更にいうと、ストーリー自体も歴史的事実を元に創作されたお話しで、王が奴隷商人に捕まって売られていくなんて荒唐無稽すぎる。
正直いってひどい映画だった・・・
基本データ
監督: ジョシュア・シンクレア, マリー・ルイス・シンクレア
主演:デヴィッド・ハッセルホフ
公開:2013年
91分
こちらがまともな作品らしい。
今度観てみます。
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