
映画から歴史的教養や雑学を学ぶ教養的映画鑑賞、22回目の今日は『ノア 約束の舟』です。
前回の 『天地創造』のノアの方舟のエピソードを見てこの映画を見たくなったのですが・・・
色んな意味で期待を裏切られた作品でした。
タップできる目次
はじめに:『ノア 約束の舟』、大洪水伝説をもとにしたファンタジー
ストーリー(Amazonより)
ある夜、ノアは眠りの中で、恐るべき光景を見る。それは、堕落した人間を滅ぼすために、すべてを地上から消し去り、新たな世界を創るという神の宣告だった。大洪水が来ると知ったノアは、妻ナーマと3人の息子、そして養女イラと共に、罪のない動物たちを守る箱舟を造り始める。やがてノアの父を殺した宿敵トバル・カインがノアの計画を知り、舟を奪おうとする。壮絶な戦いのなか、遂に大洪水が始まる……。
歴史教養的見どころ
洪水伝説を基に作られたファンタジー

結論から言うと、「映画から歴史的教養や雑学を学ぶ教養的映画鑑賞」というこのコーナーのコンセプトから言って、この映画は見る必要なし!
ということです。
ダーレン・アロノフスキー監督がノアの方舟のエピソードをもとに作ったファンタジーで、いわゆる旧約聖書のオーソドックスな内容を知るのにはまったく向かない作品です。
方舟の映像は、本当に長方形の立方体で「方舟」にふさわしいものですが、それ以外はかなり旧約聖書とは逸脱しています。
舟を作っているのが岩の巨人だったり、ノアはやたら強いし、敵対する集団と徹底的に戦いますし。
かなりハードボイルドな仕上がりです。
セム的一神教の本質は表現されているが・・・

夢で大洪水で人々が死ぬ夢を見たノアは、人間を消滅させることが神の意志だと信じます。
そして、人間は消滅しなければならないと信じて、生まれたばかりの孫を殺そうとします。
このあたりの物語は、非常に厳しいセム的一神教の本質を表現しています。
しかし、その他は旧約聖書から見るとツッコミどころ満載です。
例えば冒頭に天地創造のイメージ映像のようなものが流れますが、なんと進化論的な映像なのです。
つまり、海の中で生物が誕生して、陸に上がり、トカゲのような生き物から恐竜、そして哺乳類が登場します。
これいいんですかね?
旧約聖書によると天地創造の5日目に神は生き物を創造して、6日目には人間を作っています。
宗派によってはこれは受け入れがたい映画ではないかと察せられます。
実際批判も多かったようですが。

最後に個人的な感想を
当ブログのこのコーナー的にはこの映画はスルーでいいと思います。
が、単純にエンターテイメントとしてこの映画を見るのなら見て損はないかと思います。
さすがに昨年の作品ですからCGの映像が見事。
特に大洪水の描写は素晴らしいです。
まぁ、娯楽と割り切ってご覧いただくということで。

基本データ
監督: ダーレン・アロノフスキー
主演:ラッセル・クロウ
公開:2014年
138分
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