
こんにちは、なおさん(@ichiryuu)です。
2020年、映画館で観る2本目は「1917 命をかけた伝令」です。
戦争映画は僕の好きなジャンルの上に、第一次大戦の映画は少ないので、この作品の公開を楽しみにしていました。
そして今日見てきたのですが、これはすごい! 期待以上の秀作です。
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「1917 命をかけた伝令」【映画レビュー】圧倒的な臨場感、あなたは戦場を駆け抜ける
戦場をリアルタイムで体験する

もうこの映画を語るときに、「つべこべ言わずに今すぐ映画館に行って見ろ!」この一言に尽きます。
ストーリー自体は単純です。
舞台は1917年4月のフランス西部戦線。
ドイツ軍と睨み合いをしているイギリス軍の若い兵士、ブレイクとスコフィールドに伝令の命令が出ます。
それは、撤退するドイツ軍を追撃している1600名の部隊にそれはドイツ軍の罠だから攻撃を中止するように伝えるものでした。
期限は明朝まで16時間。
それまでに敵の陣地を突破して、攻撃を中止させなければなりません。
1600名の命がかかっている上に、その部隊にはブレイクの実の兄もいます。
二人はすぐに出発します。
ということで始まるのですが、この時点でいい映画の要素が揃っているんですよね。
ストーリーがシンプルで、主人公の目的がはっきりしていて、それを達成する方法もわかっている。
ただ、そこにはものすごい難関が待ち構えていて、おまけにタイムリミットがある。
だけどやるしかないし、やるだけの価値がある。
もうハラハラドキドキの種がいっぱい。
この種をしっかり芽吹かせたのがサム・メンデス監督(「007 スペクター」など)のアイデアでした。
全編ワンカット(風)
そのアイデアとは全編ワンカット!
いや、現実には不可能で「全編ワンカット風」なわけですが、とにうく長回し撮影で、映像が途切れない。
カメラは常に主人公を捉え続け、主人公の移動に合わせてどんどん情景が変わっていきます。
イギリス軍の塹壕の中からスタートし、死体が転がっている戦場を抜け、ドイツ軍の塹壕に入り、そこを抜けると農家の廃屋があり・・・
まるで、一本の絵巻物を見ている感じ。
しかもカメラは主人公の後ろをついてくだけでなく、前に回り込んだり、肩越しにこれから進む牧草地隊を映し出したりと、二人の目線も体験させてくれます。
つまり、観客はずっと主人公の見ているものを見、周りの風景を感じ、その場でいるような臨場感を体験します。
二人が感じるように一緒に緊張し、ホッとし、恐怖を感じ、使命感に燃えます。
その結果、映画が終わった瞬間、暫し呆然としてしまう。
その理由は、主人公と一緒に走ってきた自分も、使命を果たしたからでしょう。
それぐらいこの映画の臨場感は凄まじい。
特に最後の突撃する兵士の中を走り抜けるシーンは息が止まります。
ストーリーと撮影技術が見事に合致した超秀作。
これは映画館で見るべき映画です。
歴史映画としても価値あり
なお、この映画は歴史教養映画としても価値がありそう。
というのも、第一次大戦を描いた映画がそもそも非常に少ないのです。
当時の戦場の状況を窺い知ることができる映画としては「戦火の馬」が秀作。
第一次世界線がその戦いの中で近代兵器の戦争へと移行する様が伝わってきますし、タンクや毒ガスも登場します。
その点では「1917 命をかけた伝令」は廃棄されたタンクがチラッと、複葉機同士のドッグファイトもチラッとという感じで、少し物足りない気はします。
ですが、塹壕での生活のリアルな様子がよく描かれています。
とくに面白いのは英軍と独軍の塹壕の違いも見れることです。
やっぱりドイツ人の気質でしょうか、塹壕もきっちり作っていますね。
この映画はそういう当時の戦場の状況を知ろうとする目線で見ても面白いかもしれません。
「1917 命をかけた伝令」レビューまとめ
ということで、まとめとしては一言。
「つべこべ言わずに今すぐ映画館に行って見ろ!」ですね。
ちょっとこれでは乱暴すぎるレビューですが、見れば絶対納得です。