讃岐うどん日記、第19回目。
地元民に愛され半世紀、山神うどんの登場である。
絶品のしょうゆうどん【讃岐うどん日記】山神うどん
讃岐では「しょうゆうどん」なるものが昔から食べられていた。
昔々のこと、ワタクシがまだ高校生の頃の話しだ。
当時はまだ土曜日にも授業があり、土曜日の4時間目が終わると部活をしていなかったワタクシは腹を空かして家路につくのだが、食べ盛りの高校生にはこの空腹が耐えられない。
そこで、友達とうどん屋で一杯食べて帰るというのが毎土曜日の恒例行事だった。
ところが高校生には金がない。
ハイカロリーな肉うどんとか天ぷらうどんを本当は食べたいのだが、贅沢すぎる。
当然、毎回注文するのはその店で一番安い「しょうゆうどん」だった。
(確か一杯120円ぐらいだったと思う)
うどんのバリエーションの中でもっともシンプル、というか、これよりシンプルな食べ方はもううどん玉をそのまま食べるしかない。
どんぶりにうどん玉が入っただけのものに、味の素をふりかけて、さらにその上からしょうゆ(特別なものではなく普通のしょうゆだった)をかけるだけ。
ちなみにその店は今でも存在して繁盛しているので、名前は伏せておくが、正直言ってしょうゆうどんは不味かった。
しかしお金がないからこれしか食べられず、高校卒業するまで食べ続けたのである。
この高校生のときのしょうゆうどん体験がトラウマとなり、以後、しょうゆうどんは食べないことにしていたのである。
が、その店のしょうゆうどんをぜひ食べてみたいと思うきっかけと出会ってしまった。
それはこの本
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恐るべきさぬきうどん〈第4巻〉―誰も出るとは思っていなかった (2002/09) ゲリラうどん通ごっこ軍団 |
に登場する山神うどんの記事を読んでしまったためだ。
麺通団の田尾団長が絶賛なのだ。
場所は以前紹介した山下うどんの近く。
メインの県道脇に看板があるだけで、それを見落としたらまず地元民以外は通らないであろう細い道を入っていった先にその店はある。
こじんまりしたお店だ。
観光客の姿もない。
典型的な昔ながらの地元民に愛されるお店だ。
女将さんが暖かい笑顔でむかえてくれる。
注文は迷わず「しょうゆうどん(大)」
世の中には一目見た瞬間、「これは美味い」とわかるうどんがある。
この店のしょうゆうどんがまさしくそれだ。
見てほしい、この艶。
やや細麺の、何とも色気のある麺だ。
すだちを絞り、卓上にあったしょうゆをかける。
そして一口。
これが驚き。
見た目から柔らかい麺を想像していたのだが、しっかりしたコシがあるではないか。
か細く、上品で、繊細そうに見えて、じつは芯の強い大和撫子のような麺なのだ。
この麺面白い!絶品だ。
ワタクシのしょうゆうどんに対するトラウマは完全になくなったのであった。
さてこうなるとこの麺を他のメニューも試してみたい。
ということで日を改めて通うこととなった。
【後日】
こちらはかけうどん。
温かいうどんとなると、柔らかく優しい麺となる。
そしてこちらはぶっかけうどん。
のどごしが抜群だ。
【おまけ】
いなり寿司評論家の一龍が、理想のいなり寿司を探すコーナー!
なのだが、残念ながら山神にはいなり寿司がなく、仕方なくおにぎりを食べることにした。
ところがだ、このおにぎりが絶品なのだ。
ふわっと握っているのだが、箸で持ち上げても崩れない。
そして口の中でぽろぽろっと崩れていく。
この握り加減が絶妙なのである。
今までおにぎりはしっかり握っているものが好きだったのだが、この絶妙なフワフワ感には魅了されてしまった。
ぜひ試してみてほしい。
山神うどん お店情報
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とても魅力的な記事でした!!
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