讃岐うどん日記、第24回目。
今回は、讃岐うどん界でもうどんを食べるのに最もハードルの高い部類に入るS級店を紹介。
日の出製麺所の登場である。
絶品の香り高き麺【さぬきうどん日記】日の出製麺所
「とにかく美味いから行ってみて」
知り合いのうどん通からはこんな声しか聞こえてこない。
それが今日ご紹介する日の出製麺所だ。
しかし、この店、地元うどん県に住んでいてもそう簡単には行けないのである。
なぜかというと、11:30から12:30までの昼の1時間しか営業していないのだ。
しかも開店前からいつも大行列。
お昼休みにちょっと食べに行く、なんて気軽なノリでは行けなのである。
「なんなのその殿様商売は!」と思わないでほしい。
ここでうどん県以外の方に知っておいてほしいことがある。
製麺所とは名前のとおり麺を製造する工場である。
日の出製麺所も1日に数千玉を製造してスーパーなどに卸している製麺所だ。
製麺所の本業は麺の製造であって、そこでお客にうどんを食べさせることではない。
現在うどん県には製麺所スタイルのうどん店が多数存在するが、それらはすべて”サービス”として、その場でも食べられるようにしてくれているだけである。
だからお客の基本姿勢として、「業務のお邪魔でしょうが、食べさせてください」という姿勢で行くのが礼儀である。
まちがっても普通の飲食店でたまに見かける「お客様は神様だ」と勘違いしている客のような態度はとってはいけない。
そんな奴に製麺所で食べる資格はないのである。
さて、日の出製麺所にいくにあたって、知り合いのうどん通からのアドバイスが一つあった。
最初の100食限定の100%香川県産小麦「讃岐の夢2000」を使ったうどんを狙えというのだ。
そのためには早くに行って並ばないといけないとのこと。
そして、うどんの神様に愛されている一龍は、たまたま平日に休みが取れてしまった。
これは絶品うどんを狙って行って来いという神の御心。
それには従うしかない。
開店30分前に到着、さすがに平日は行列なく店に入ることができた。
この店はうどん玉の「あついの」「ぬるいの」「つめたいの」の三種類で注文する。
また、別に釜玉もしてくれるようだ。
そして驚くのはその値段。
うどん玉小(1玉)が100円、中(1.5玉)が150円、大(2玉)が200円、特大(3玉)が300円。
水より安い・・・
あついのの小と冷たいのの小を注文して席に着く。
トッピングも安い!
温泉玉子が50円、ちくわ天も50円、味付ききつねも50円、げそ天が100円。
もう驚く他ない。
ちなみに、お店のシステムとしては一般店のようにうどん玉が入ったどんぶりを持ってきてくれるのだが、テーブルの上にあつい出汁、つめたい出し、しょうゆが用意されていて、それを好みで自分でかけて食べる。
さて、麺がやって来た
まずは熱い麺だ。
テーブル上のポットに入った熱い出汁をかける
そして冷たい麺も登場
こちらには当然冷たい(ぶっかけ)出汁をかける
ここであわててはいけない。
一刻も早く食べたいのだが、ネギなどの薬味を。
切ったネギも用意してくれているのだが、せっかくなのでハサミでネギを切るのも体験してもらいたい。
実はワタクシもネギをハサミで切ったのは初めてだ。
そしてトッピングにちく天を選び、実食体制完了。
まず熱いかけうどんから。
一口口に含んだ瞬間、「これは!」と驚く。
噛むごとに口の中に広がる小麦の香り。
焼きたてパンにちょっと近い香りなのだ。
しかも食感はモチモチ。
そして冷たいぶっかけは、同じく小麦の香り高い麺なのだが冷たい分コシが非常に強い剛麺系。
絶品としか言いようがない初めての体験だ。
よく年配の方から、「地元の小麦だけを使っていた
昔のさぬきうどんはもっと美味かった」と聞いていた。
正直言って、オーストラリア産小麦でも地元の小麦でもそんなに変わらないだろうとずっと思っていた
しかしこれは認識を改める必要がある。
100%「讃岐の夢2000」小麦を使った麺がこれほど美味いとは。
「ああ、これが本物のさぬきうどんなんだ」
うどんを食べて初めて感動した一龍でした。
うどん県にうどんツアーに来られるなら、ぜひ日の出製麺所の最初の100食にチャレンジしてほしい。
日の出製麺所 お店情報
注意:お店すぐ横などに駐車場はありますが、営業時間中は常にいっぱいです。坂出駅地下の有料駐車場を利用して歩いて行った方がいいかもしれません。徒歩10分くらい。
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