讃岐うどん日記、第25回目。
今回は、私がよく通う店の一軒である本格手打ちうどん はゆか の登場なのだが、あわせて今讃岐うどん界で静かに流行り始めている食べ方を紹介する。
讃岐うどん界に新しい流れ【さぬきうどん日記】本格手打ちうどん はゆか
綾川町を通る国道32号線からすこし北に入ったのどかな田園風景の中にその店はある。
最近でこそうどんツアー客が増えてきたが、地元民にとっては開店当初から評判の美味い店だった。
エッジが立った、モッチリした太麺としっかりしたいりこ出汁で、最近では珍しくなりつつある昔ながらの田舎風のさぬきうどんが好きな方にはたまらない店なのだ。
私もよく家族で行くのだが、先日立ち寄ったとき太目に入ったのが店の横にかかっているのぼりの、「釜玉ぶっかけ」の文字。
「うわっ、正式メニューに採用したんだ!」の驚きだった。
実は釜玉に出汁をかける食べ方は一部マニアの間で行われてい食べ方なのだ。
出汁も自分でかけるタイプのセルフの店で釜玉を注文する。
最初はそのまま釜玉を味わい、半分ぐらい食べてからかけ出汁を注ぐ。
すると、「1杯で2度美味しい」どころではない、3倍ぐらい美味しいのだ。
玉子が入っているため、普通のかけうどんよりもマイルドな味わいになる。
ただしこれ、明らかにルール違反。
絶対にお店の人に無断で勝手にやらないでほしい。
大将と仲良くなった常連だけの特権だった。
ところが・・・
今、讃岐うどん界ではちらほらと正式にメニューとして採用する店が現れはじめている。
はゆかもその一件。
今回は釜玉ぶっかけ(大)の濃い口ととり天を注文した。
この店はぶっかけの出汁を濃い口と薄口から選べるのだ。
濃いめの出汁にとり天はよく合う。
ここのとり天もサクサクで絶品なので試してみてほしい。
さて、釜玉ぶっかけだ。
太麺に一見しただけで分かる濃い色の出汁。
「あれ、卵は?」
おお、入っている!
確かにベースは釜玉だ。
で、実食。
感想は「面白い!」
食感が面白いのだ。
本来ぶっかけうどんには「シャキッ」とした感じがあるのだが、卵が加わっていることでマイルド感とぬるっとした感じが混ざり合っている。
それでいて太麺なのでコシがある。
いくつかの対立関係が絶妙にバランスをとっている。
ただ、「濃い口」のチョイスは、ちょっと私には辛かった。
釜あげの面は塩分が高いので仕方あるまい。
次回は薄口で試してみたい。
いずれにしても、「ぶっかけ」とか「釜玉」といった新しい食べ方を生み出してきた讃岐うどん界で、またニューウェーブが誕生した予感である。
うどんは「かけ」が基本。
しかし、基本以外を「邪道」と言っていたのでは展開がない。
どんどん創意工夫、新しいメニューを生み出していけばいい。
さぬきうどんは「自由」である。
本格手打ちうどん はゆか お店情報
注意:最寄りの駅はことでん琴平線の「羽床駅」だが、歩いていくにはかなり遠い。
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