「なるほど」「そうだったんだ」「なんだ、そういうことか」「わかった!」の連続です!
はっきり言います。
こんなわかりやすい会計本は見たことがない!これは何気にスゴ本です!
【目次】
はじめに
MISSION 1 会社の数字を知っておかないといけない理由
MISSION 2 商品の原価の謎を解け!【管理会計の基本】
MISSION 3 決算書の基本を学べ!【債務会計1:損益計算書】
MISSION 4 決算書で会社のウラを読め!【財務会計2:貸借対照表】
MISSION 5 家計簿感覚で開所の金を把握せよ!【財務会計3:キャッシュフロー計算書】
MISSION 6 つねに利益を意識せよ!【応用編:管理会計+財務会計】
【ポイント&レバレッジメモ】
★会社の数字を知る
◇会社の数字を知ることの効果
①数字を知れば見えなかったものが見えてくる
②正しい判断ができるようになる
③間違ったことを言わなくなる
⇒ 数字の知識はキミの仕事を速くしてくれる。そして、きみの給料も上げてくれるのだ。
★決算書の基本を学べ
◇決算書は会社の成績書 ⇒ 決算書の数字を読みこめば、その会社の経営を知り、その数字を作り上げた「物語」を読むことができる
◇決算書には3つある
①損益計算書(P/L:Profit and Loss Statement)⇒ 会社がアスリートだとしたら、大会で獲得した賞金(儲け)を見るもの。
②貸借対照表(B/S:Balance Sheet )⇒ 会社が大会で賞金を獲得するまでの練習方法、あるいは潜在的能力や底力を見るもの。
③キャッシュフロー計算書(C/F:Cash Flow Statement)⇒ 大会の賞金と実際に入ったお金が一致しないことがある。そこで、手元に現金・現金同等物がどれだけ残ったのか(減ったのか)を示す。
⇒ 3つの決算書はひとことでいえば、結果と体質と実際。
★損益計算書(P/L:Profit and Loss Statement)
◇損益計算書は下から読む ⇒ 表の一番下に「当期純利益」という最終的な儲けを示す額が記載されているから
★貸借対照表(B/S:Balance Sheet )
◇貸借対照表は、①お金をどうやって集めてきたか(これを右側の「貸方」という)と、②集めたお金を何に使ったか(左側の「借方」という)を示す。
◇貸借対照表は、「借金」と「儲けのタネ」の比率
①「借金」(貸方)は、「1年以内に返さなきゃいけない借金(=流動負債)」「そうではない借金(=固定負債)」に分かれる。
②「儲けのタネ」(借方)は、「1年以内にお金になるタネ(=流動資産)」「そうではないタネ(=固定資産)」に分かれる。
★キャッシュフロー計算書(C/F:Cash Flow Statement)
◇キャッシュフロー計算書では、営業、投資、財務の3つに分けて表記する
①営業キャッシュフロー:本業から生じるお金の増減
②投資キャッシュフロー:設備を買ったり有価証券を買ったりして生じるお金の増減
③財務キャッシュフロー:資金調達や借金返済によって生じるお金の増減
◇キャッシュフロー計算書の読み方チェックポイント
①その期のキャッシュは、最終的にプラスになっているか?
②どんな投資をしている?それって役に立つの?
③財務活動での資金調達は健全?
★お客様への価値を最大化せよ
◇お客様への価値の方程式
価値(Value)=機能(Function)〔品質(Quality)〕/コスト(Cost)〔価格(Price)〕
⇒ 僕らが働く目的は、コストを下げることではなく、お客様の満足向上にあることを忘れちゃダメなんだ!
【感想など】
勝間和代さんや大前研一さんなど大物ビジネス書作家さんんがみな口をそろえてビジネスパーソンとして身につけるべきスキルの一つとして「簿記・会計」を挙げています。
それで以前ワタクシも「資格は必要ないけどやって損はなさそうだ」ということで、軽い気持ちで日商簿記3級の問題集をちょこっとかじったことがあります。
で、まぁある程度バランスシートの配列や、会社にとって何が資産で何が負債かぐらいはなんとなく分かるようになったところで満足して勉強するのを止めてしまいました。
やっぱりワタクシには合わないんですよね~。
何が合わないって、
よく簿記会計嫌いの人が、「数字を扱うのがいや」と言いますが、ワタクシの場合はその用語のややこしさに嫌気がさしましてリタイヤ。
数字は計算するだけで電卓たたけば済むことですが、会計用語は何でこんないわかりにくいのか?
だいたい「貸方」・「借方」って、言い方と位置がおかしくないですか?
たしか、福沢諭吉さんが多くの会計用語の翻訳をされたんですよね。
ん~、理解力に関しては「天は人の上に人を創り、人の下にも人を創った」のですよ、諭吉さん!
もう少しワタクシの頭でも理解できる用語にしてほしかったなぁ。
さて、そんな会計分野の苦手なワタクシですが、
今回本書を読んで率直な感想は 「なにこれ分かり易い!」 でした。
例えば用語に関しては
覚えにくい単語は、具体例に置き換える
「期首棚卸高」 ⇒ 「年度初めに売れ残っていた在庫のこと」
なるほど、そう言ってくれれば意味がわかります!
それから、指標を理解するヒントも
指標は、それが必要な理由を考える
「売上原価率」 ⇒ 「製品にかかった費用の比率を調べて、コスト削減のアイデアにつなげるもの」
でも、こういう解説の仕方をした参考書って今まで見たことないんですよね。
さらに今回、本書を読んで「これは秀逸!」と呻ったのは“図解”。
特に、“損益分岐点の図”は一目で理解でき、「長年の付きものが落ちた」といいますか1か月ぐらいの便秘が解消した時のようなすっきり感!
3つの決算書の関係もフローチャートの様でワタクシやっと理解できました。
本書冒頭にあるように会計的知識があれば、見えないものが見えてくる。
開幕ダッシュで同期から一歩前に出たいフレッシュなビジネスパーソンに特にオススメ。
また、ワタクシのように簿記会計の勉強に挫折した人も騙されたと思って読んでみてください。
なお、この「マジビジ」シリーズは若いビジネスパーソン向けのビジネス入門書が多数揃っています。
(本書は11号ですが、0号からスタートしているのでシリーズで12冊出版されています。)
他の「マジビジ」もオススメです。
本書はディスカヴァー21社の (「利益をなぜ全額、社員に還元してくれないんですか?」という発言をしたことがあるらしい・・・干場社長のブログより) 三谷祐一様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
今回は著者である坂口孝則さんが厳選した、さらに会計を勉強するためのブックガイドを載せておきます。

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- 作者:窪田 千貫
- 出版社/メーカー: 同友館
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本