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高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社【絵本の紹介】人生は冒険、その一歩を踏み出そう

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社【絵本の紹介】人生は冒険、その一歩を踏み出そう
この記事を読むと、ずっと行動に移すかどうか悩んできたことが、一歩を踏み出してスタートできるかもしれません。

こんにちは、なおさん(@ichiryuu)です。
今日ご紹介するのは、高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社

ニケ
ニケ

このブログで絵本を紹介するのって珍しいね。

なおさん
なおさん

児童向けの絵本は初めてじゃないかな。
知人からプレゼントされたんだけど、とても素敵な絵本なんだよ。

アンジュ
アンジュ

どんなお話なのか教えて!

この本をすすめるのはこんな人
  • 最初の一歩が踏み出せない人
  • 孤独感を強く感じている人
  • 夢を追いかけたい人
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ご貸与品
この記事は、知人から本書をプレゼントしていただき作成しています。絹本ではありませんが、記載しておきます。

『氷山ルリの大航海』紹介

物語のあらすじ

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
なおさん
なおさん

この絵本を初回する前にあらすじを簡単に言っておくね。

この物語の主人公は氷山のルリ。
2万年前からグリーンランドの氷床で暮らしていたルリは、ホッキョクグマやザトウクジラなどたくさんの友だちから世界の話を聞いていました。
そのなかで特に興味を惹かれたのが、キョクアジサシのキキが話してくれた南の果ての氷の長老の話。
いつか、南の果ての氷の長老に会いに行きたいと思っていたルリは、氷河から離れて流氷になった時、はるか南極を目指して旅立つのでした。

なおさん
なおさん

ということで、北極圏のグリーンランドから赤道を越えて、はるか南の果ての南極まで氷山のルリが旅する物語なんだ。

ニケ
ニケ

ええ、そんなことしたら途中で溶けちゃうよ。

アンジュ
アンジュ

そこは絵本だから・・・

たくさんの出会いと絆

なおさん
なおさん

確かに氷山が北極から南極に行こうとしたら大きな困難が待ち構えているよね。
ぐずぐずしていたら溶けちゃうし、自分では泳げないから波まかせ風まかせだし。
でね、それをどうやって乗り越えていくかがこの絵本の魅力の一つ。
それはたくさんの友達との出会いと絆なんだ。

ルリは長い旅の間にたくさんの友達と出会い、そしてその友達の助けを受けます。

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
『氷山ルリの大航海』©️講談社

あるときはクジラに押してもらい

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
『氷山ルリの大航海』©️講談社

あるときは風に“吹いて”もらったりします。

ルリは一人旅ですが、いつも仲間たちとつながり、力を借りながら、旅を続けます。

こういう友情よ繋がり、支え合いもこの物語の魅力のひとつです。

ニケ
ニケ

なるほど、助け合って進んでいくんだね。

アンジュ
アンジュ

まさに、アフリカのことわざの、「早く行きたいなら一人で行け、遠くに行きたいならみんなで行け」だね。

ポイント
旅は道連れ、世は情け

たくさんの動物たち

さて、そんな地球を縦に半周するような長旅のルリの物語、ほんとうにたくさんの動物が登場します。

これもこの絵本の魅力。

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
『氷山ルリの大航海』©️講談社

小さなお子様は動物にきっと興味を持つはず。
親御さんに、動物のことを尋ねると思います。

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
『氷山ルリの大航海』©️講談社

それを想定しているのでしょう、この絵本はとても親切で、巻末に登場する動物についてまとめてくれています。
これ、大人が読んでもためになります。
たとえば、一本長い角が伸びているイッカクというクジラ?がいますよね。
あの角は実は角ではなくて、上顎左側の歯が上唇をつきぬけて伸びたものだって知ってました?

ニケ
ニケ

父ちゃん、わたしの仲間も登場するかな?

なおさん
なおさん

さすがにチワワは・・・

ポイント
魅力的な動物たち

かくし絵も楽しい

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
『氷山ルリの大航海』©️講談社

たくさんの動物たちが登場するこの物語ですが、よくみると随所にかくし絵があるんです。

たとえば氷河のなかに動物たちが隠れていたり。
こういった隠れている動物たちをお子さんと一緒に探すのも楽しいと思いますよ。

ちなみに、どんな動物が隠れているかも巻末に解答があります。

ニケ
ニケ

これ面白いね。

なおさん
なおさん

ジャコウ牛とかカリブーとか、上手く描かれているよね。
こういうのを探す楽しさもこの本の魅力だね。

ポイント
かくれ動物を探そう!
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『氷山ルリの大航海』:感想

一歩を踏み出したくなる絵本

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
『氷山ルリの大航海』©️講談社

この絵本は児童向けではあるのですが、なぜかすごく大人の僕も惹かれるんですよね。

この物語でルリが歩んだ道のりは上の写真の通り。
地球を縦に半周する長旅です。
もちろんフィクションで、北極の流氷が南極にたどり着けるわけはないのですが、大人の僕が読んで共感を持ってしまうのは、やはり旅と人生を重ねてしまうからでしょう。

「暑いところに行ったらとけちゃうよ」と、ルリの旅立ちを止める仲間もいます。
僕たちが何かに一歩を踏み出そうとすると、必ず「やめとけ」という人がいるのと同じです。
そして、ほとんどの人が夢や目標を持ちつつも、一歩を踏み出せなくてそのまま人生を終えてしまいます。

でも、ルリは一歩を踏み出すのですよ、途中で溶けてしまうかもしれないのに。
その原動力は「未知への好奇心」。

この、「知らないことを知りたい、経験したい」というあくなき欲求こそ人間の人間たる所以だと、僕は常々考えています。
色々な価値観があっていいし、一歩を踏み出さない決断をしたっていい。
けれど、もっと自分の欲求、心の声に素直になってもいいんじゃないか。

ルリは途中で溶けるかもしれませんが、実社会の我々は命まで取られることはないですから。

最初の一歩が踏み出せない方の背中を押す絵本になるのではと思います。

絵が素敵

この絵本の絵は、高円宮妃久子様が書かれたストーリーもさることながら、絵もとても魅力的。
動物たちが生き生きとしていますよね。
それぞれの表情がすごくいい。
それに色鮮やか。

実はこの絵の作者にお会いする機会がありました。
飛鳥童さんは僕の地元香川県出身の方で、たまたまお話しする機会を得ることができたんです。

で、絵のことは全然わからない素人の僕が質問したところ、これ油絵なのだそうです。
色鮮やかなのでてっきりパステルかと思ったのですが。
油絵でこんなタッチの表現ができるんですね。

ちなみに、この絵本の中で僕が一番好きなのはこの絵です。
なんとも幻想的。

高円宮妃久子(著)、飛鳥童(絵)『氷山ルリの大航海』講談社
『氷山ルリの大航海』©️講談社

植村直己さんを思い出してしまった

最後に個人的な感想を。
実はこの絵本を読みながら、僕は植村直己さんを思い出していました。

それはなぜかというと、ルリが青いからなのです。
訳がわからないでしょ?

植村直己さんは日本人初の5大陸最高峰を制覇した方。
また、グリーンランドのイヌイットの村で生活しながら犬ぞりの操作を覚え、北極圏12000km走破や北極点単独行とグリーンランド縦断など、局地での探検もされた方でした。
その植村直己さんの本に、イヌイットの人たちが飲み水を作るシーンが登場します。
かれらは流氷を溶かして水にするのですが、海水が凍った塩分を含んだ氷とルリのように内陸氷床でできた淡水の氷の見分け方を知っているんです。

内陸氷床でできた氷は、海水が凍ったものより青いそうです。
で、ちゃんとブルーアイスに描かれているルリの物語を読みながら、植村直己さんのことを思い出していたんですが、「冒険とは生きて帰ること」と言っていた植村さん、もうそろそろ帰ってきたらどうなんですか? なんて思ってしまったり。

まぁ、これはこの絵本とは関係のないことでした。
蛇足です。



学童も自宅待機が続いている折、おうちで親子で楽しまれてはいかがでしょうか。

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この本をひとことで言うと

人生は旅、遠くへ行こう

著者プロフィール

高円宮妃久子殿下(たかまどのみやひひさこ でんか)

東京でお生まれになる。聖心女子学院から英国ケンブリッジ大学ガートン・カレッジへ留学され、中国語、考古学、人類学を学ばれる。1984年、憲仁親王殿下とご結婚、三人の女王殿下の母親でもあられる。自然環境と動物に深い関心がおありで、とくに野鳥観察と蘭の育成にご熱心です。二度にわたる北極圏へのご旅行をとおして、大自然と人間との関わりについて興味を持たれ、この作品を創作された。

『氷山ルリの大航海』より

飛鳥童(あすかわらべ)
香川県高松市で生まれる。自動車会社の宣伝部勤務を経て、デザイナーとして独立。ヨーロッパ各地での絵画制作・個展を経て、1979年カナダへ。1982年に永住権取得、現在にいたる。ユニセフ・グリーティング・カード採用を始め、トロント出版文化賞・市民栄誉賞、ライプチヒ国際図書展栄誉賞など多数の受賞歴がある。また、カナダ・アメリカ合衆国で多数の絵本を出版。今回の制作にあたっては、北極での3週間にわたる洋上スケッチ旅行を始めとして、体力の限界まで根をつめた。

『氷山ルリの大航海』より

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