
こんにちは、なおさん(@ichiryuu)です。
今日ご紹介するのは、斗鬼正一(監修)あべさん(イラスト)『ニッポンじゃアリエナイ世界の国』SBクリエイティブ

表紙から楽しそうな本だね。

こういう文化的な違いを紹介する本ってとても楽しいんだよ。
特にこの本は”アリエナイ”のオンパレード。
ほんと、びっくりするよ。

そうなんだ、早く内容を教えてよ。
- 世界の文化に興味のある人
- 子供と一緒に世界の文化を楽しく学びたい人
- 家庭に居ながら世界旅行を体験したい人
『ニッポンじゃアリエナイ世界の国』:読書メモ
この本の読み方
この本は世界の「アリエナイ」を楽しいイラストとともにたくさん紹介してくれているんだけど、

本書の巻頭に「この本の読み方」が解説されているので、これにそくして説明していきましょう。
この本で紹介されるトピックスは、1トピックスを4ページで紹介しています。
例に挙げられているコンゴ民主共和国の「お金は全部おしゃれに使う!」というトピックスで説明すると、

最初の見開きでこのトピックスを紹介。

ページ左端には「DATA」として正式な国名や首都名、人口、国旗、そして位置を示した地図が掲載されています。

こういうのも勉強になるよね。コンゴは国旗もおしゃれだなぁ。

次の見開きページでこのトピックスの理由や起源を解説してくれます。
このページが「そんな理由があったのか!」と目から鱗。

ほんと国の数だけ”常識”って変わるよね

この解説ページの左端にも豆知識的に「もっと知りたい」というタイトルでその国ちょっとしたトピックスを紹介しています。
タイでは性別が18個もある
ではここからは本書で紹介されている世界の「アリエナイ」をいくつかピックアップしていきます。
まずはタイ。
タイではなんと性別が18個もあるそうです。
日本でもよく聞くようになった「LGBT」という今後で表される性別の他に
男っぽいレズビアンである「トム」、男性が好きな男っぽいゲイ「ゲイキング」、女っぽいゲイ「ゲイクイーン」、女性・ゲイキング・ゲイクイーンが好きな男性「ボート」など、好きな相手と自分の体・心の性によって細かく分かれています。
で、その理由としてあげられているのが
タイの人たちには、いい意味でほかの人を気にしないおおらかさがある
というもの。
なので、
こうした空気の中では人と違う性別であっても、周りの人も特に注目したりしません。だから体では自分の性別をオープンにして、どんな性別であってもみんなで仲良くできるのです。
ということらしいです。

タイの人っておおらかなんだね。

日本では最近でこそLGBTへの理解も進んできているけど、まだまだ好奇の目で見られることがあるよね。
ブラジルでは選挙に行かないと罰金
ブラジルでは、仕事や病気などきちんとした理由がないのに投票に行かなかった人は、日本円にして約1100円の罰金があります。そして、これを3回繰り返すと、身分証やパスポート作ってもらえなくなったり、銀行でお金を借りられなくなったりしてしまいます。
どうしてこんなに厳しいかというと、ブラジルでは選挙を国民の義務と考えているから。
結果、ブラジルでは投票率が約80%という高い数字を維持しています。

日本は投票率が低いよね。
特に若い人の。

選挙に行かないと罰がある国って他にもあって、ギリシアもそうだったんじゃないかな。
僕は個人的にはこれぐらいしてもいいと思うよ。

選挙権は権利であり、義務でもあるんだからね。
南アフリカではカレーはくり抜いた食パンの中につめこむ
南アフリカ共和国では、食パンの中にカレーが入った「バニーチャウ」という名物料理があります。
作り方は
一斤ほどの食パンをくりぬいて、その中にカレーを注ぎ込むだけ。食べ方はまず、くりぬいた中身をカレーに浸して食べ、次に周りの耳の部分をくずしながら食べ進めていきます。手で食べる人や、ナイフとフォークを使う観光客たちもいて、自由なスタイルで食べる手軽な食事です。
なせこの料理が誕生したのか。
南アフリカには同じイギリス人が植民地にしていたインドからたくさん労働者が移り住んでいました。
彼らのレストランではおいしいカレーが食べられるのですが、アパルトヘイト下の南アフリカでは黒人やインド人がレストランで食事をすることができなかったのです。
そこでレストランではパンで作った器にカレーをつめて、こっそり黒人やインド人に売っていたそうです。

人種隔離政策が生み出した料理だったんだね。

この料理にはそういう歴史的背景があったんだね。
ちなみに僕はカレーに少しマヨネーズを入れるのが好きなんだけど、それを言ったらイギリス人に「クレイジー」って言われたことがあるよ(笑)

いや、それはかなり変わっていると思われ・・・
『ニッポンじゃアリエナイ世界の国』:まとめ
以上、ネタバレしたらいけないので少しだけ内容を紹介しました。
他にもまだまだ衝撃的なカルチャーショックネタの連続ですので、ぜひ本書でお確かめください。
特にびっくりするのはアフリカかな。
やっぱり日本人からすると一番別世界ですね。
まぁ、外国の方から見ると、日本だって「アリエナイ」の宝庫だと思いますが。
ちなみに本書はイラストが楽しい上に、文章中の漢字にはルビが降ってくれています。
今、学校が休校中のお子様がいる家庭では、親御さんと一緒に世界の文化を楽しく学習するいいテキストとなると思います。
内容的に、学校では教えないものばかりだし、ある意味雑学的な範疇に入るものですが、興味関心を持つきっかけになると思います。
昭和生まれの僕のような世代は、外国人コンプレックスとかアレルギー的なものが色濃く残っている気がしますが、これからの子供はこういう本に小さい頃から馴染んでおくと、多様性を受け入れやすくなるんじゃないかと思います。
もちろん、大人が読んでも楽しいですよ。
純粋に知らないことを知ることって楽しいですからね。
ということで、おすすめ!
多様性に目覚める一冊
著者プロフィール
斗鬼正一(ときまさかず)
出典:『ニッポンじゃアリエナイ世界の国』
江戸川大学名誉教授、明治大学兼任講師。1950年鎌倉生まれ。熱帯ジャングルのヤップ島、コンクリートジャングルの香港、ソウル、そして東京、大阪など、日本と世界を股にかけた現地生活密着のフィールドワークで、「人間・世の中・自分と言う人類最大の謎」を探検する文化人類学者。NHK「チコちゃんに叱られる」、TBS「この差ってなんですか」など、メディアでも活躍中。
『ニッポンじゃアリエナイ世界の国』:もくじ
はじめに
「アリエナイ!」は、その国を知る最初の一歩
「そうだったのか!」国のことがわかればその国の人と仲良くなれる!
この本の読み方
1章 アジア・オセアニア
2章 ヨーロッパ
3章 南北アメリカ
4章 アフリカ
おわりに
さくいん
MAPさくいん
参考文献
関連書籍
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