(顔出しNGということで、おみやげに持っていった上戸うどんで顔を隠してピースサインする栗田先生)
8月に千葉に出張した際、当ブログでもその著書を紹介しておなじみ、現役高校教師にしてビジネス書著者の栗田正行先生にインタビューしてきました。
今回はその第1弾をお送りまします。
はじめに
栗田正行先生は千葉県で現役の高校教師として働く傍ら、これまでビジネス書を数冊出版されている方。
(ご著書に関しては本エントリー一番下に記載してあります)
当ブログでは最初のご著書を紹介した頃からおつきあいがあり、この夏、僕が千葉に出張するにあたって飲みに行く約束をしていました。
実は僕はブログで著者さんや編集者さん、ブロガーさんなどを対象としたインタビュー記事を以前からやってみたいという野望をもっていました。
で、この飲みに行くことを絶好のチャンスとばかり「インタビューさせてください」とお願いしたところ快く引き受けてくださいました。
旧知の仲ということもあり、また、飲みながらということもあって、ざっくばらんになりすぎてブログでは公表できない内容も多々ありましたが、エントリーではあくまで兼業著者さんとしてのインタビュー内容を記載しております。
これからビジネス書を出したいという方に参考になるのではと思っています。
なお、今回のインタビューの場所は宮崎県日南市塚田農場千葉東口店でした。
美味しい鳥料理を楽しみながらの飲みトークのようなインタビュー、お楽しみください。
栗田正行先生インタビューその1 レバレッジメモで文章力がついた
一龍:もともと一度教員をされていて、辞めてコックさんされていたんですよね。
それから塾にもどってきたと。
最初、先生を辞める理由は何かあったんですか?
ちょっと他の仕事もしてみたいとか?
栗田:いや、もともと自分自身がいわゆる普通の高校しか経験してこなかったんですけど、辞めたときつとめていた学校が女子校だったんです。
で、べつに陰湿ないじめとかはないんですけど、カルチャーショックが大きかった。
まぁ、それだけじゃないんですけど、非常に私も人間的素養が甘くて、やっていけないと思って。
で、もともとファミレスで4年間くらいアルバイトをしていて、接客だったんですけど、「趣味と仕事は違うけれど料理もいいなぁ」と思ちゃって、(教師を)辞めて専門学校に通いだしたのが、すべての歯車が狂い始めだったんです(笑)。
今ではいい経験でしたといえるんですけど。
あんまりなんにも考えずに転職しちゃいました。
一龍:でもまた塾に行くんですよね 。
栗田:それは結局レストランが半年しか続かなくて。
一年間(調理)専門学校に通って、その後某有名レストランに勤めたはいいけど、厳しい世界なので、半年やってこれは厳しいと。
高卒のなかでなぜか26歳の私が本店で採用になって、多少期待もしていただいていたんでしょうけど、根性なく続かず。
もちろんお金もそんなに貰えるわけでもなく、結婚を控えて、「これではやっていけないんじゃないか」というときに、仕事も辛くて「じゃあどうしよう」となって、昔とった杵柄じゃないけど先生でやってきたことでなにか食べられることがあればと思って。
やめて1ヶ月、無職。
最初は飲食系を探したんですが、半年でレストランをやめたような人はなかなか雇ってもらえなくて、で「じゃあ塾だ」と。
時期も9月、10月で先生の募集をしている時期ではなかったんだけど、たまたま受かった塾が研修も1ヶ月間くらい研修小屋みたいなところにつめこまれて、授業のやり方から保護者対応から一から教えられた。
合格しないと現場に出してもらえないという塾だった。
一龍:ちゃんとした塾だったんですね。
栗田:そうそう、そこで結構叩き直されて、仕事っていうものはどんなもんだ、お金も会社から出ているんじゃなくて、来てくれている生徒からもらっているんだよということとかいろんなことを教わって、考え方をもう一回バージョンアップした。
で、塾やっているあいだに、昼夜逆転の生活だったんで、先生でももう一回チャレンジしてみたらという家族の後押しもあって、一回辞めてるから採用試験もなかなか厳しかったけれど何回か受けて現職についたという、あんまり先を見据えてない感じなんです(笑)
一龍:色々ドラマがあったんですね。
その塾の研修が今の本のネタになっているんですね。
栗田:はい、ベースはそこです。
採用試験受けているとき、お金はないんですけど、非常勤やっていると時間はある。
そこでたまたま図書館で勉強している時に、最近返された本で勝間和代さんの本があって、『年収10倍アップ勉強法』だったんですが、そのなかに「読書はすごく投資価値のあるものだ」というのがあって、今まで本を読んでなかった分すっと入ってきて。
お金はなかったんですけど時間はあったんで、図書館でそういうビジネス書とか読んだんです。
一龍:勝間さん始まりだったんですね。
栗田:そうです。
べつにカツマーじゃなかったんですけど。
でもやっぱりそこがスタートでした。
勝間さんの本に始まって神田さんの本を読んだり、本田(直之)さんに行ったり、いろいろな本を。
なぜか先生なのに読んでました。
一龍:たしかに勝間さんはあの時衝撃でしたよね。
栗田:そうそう、あのころ時代の寵児みたいな感じでしたよね。
一龍:2007年頃でしたよね。僕も結構カツマーでした。
栗田:カツマーでした?(笑)、ひとつの大きな皆に刺激を与えて、ビジネス書ブームみたいなのが来ましたよね。
一龍:火付け役でしたね。
栗田:多分それがなければ普通に先生やってたんじゃないかな。
まぁ、今も普通に先生やってますが、でもその時にそれを読んだから少し違うテイストになったんじゃないかな。
そこで学んだことを事務仕事に活かしてみたりとか、対人関係でも活かすようになったのが、全部のきっかけというところがあります。
一龍:僕も勝間さんの『10倍アップ〜』は刺激を受けました。あれ読んだから多分書評を続けているんだと思います。
栗田:一龍さんいつごろからブログをやってるんですか?
一龍:2007年の6月からブログは始めるんですけど、たぶん2007年の末ぐらいから書評がメインになっているんです。
ちょうど勝間ブームの頃で、ただ、本に対する姿勢が変わったのは本田直之さんの『レバレッジ・リーディング』を読んでからですね。
栗田:私も読みました。
一龍:あれは衝撃だったですよ。「本を読まないビジネスパーソンは、練習しないでいきなり試合に望むスポーツ選手のようなもの」あれ衝撃でした。
栗田:私も衝撃でした。まさに私なんか当時お金がなくて本を買えなかった。
図書館で借りた本を読んだら、もうブックスタンドに立ててまさにレバレッジメモをてってけてってけ(PCで)打ってて、とっておくということを習慣でしていました。
その時にいろんな文体を打っているなかで、本を書くときの土台作りになった。
打つのにも抵抗がなくなって速くなったし、言い回しとか論理の展開の仕方とかを、今思うとそこですこし(文章力を)身につけたんじゃないかなと思う。
一龍:それは絶対あると思う。
よく小説家が練習で名作の文章を写すことをするじゃないですか。
写すだけなんだけど、絶対パソコンで打つのも力がつくと思いますよ。
栗田:私なんかそれしか残す手段がなかったですから、返さないといけないから(笑)。
今は結構、買ってアナログで読む派なんで、読んで残したい本は家で裁断して自炊しちゃうんです。
最近はそれがメインです。
一龍:僕ね、すごく文章書くの嫌いだったんです。
栗田:あんなに書いてるのに?
一龍:そう、それがいつのまにか書けるようになったんです。
いい文章かどうかは別にして、(ブログを始めて)文章を書くのに抵抗がなくなったんです。
文章書くのが抵抗ないとか、速くなるとか、取っ掛かりが早くなると仕事が早くなるでしょ。
栗田:そうですよ、だって必ず文章を書くことが伴ってきますもんね。
一龍:こないだも、出張の報告書を書けと上司に言われたんですが、結構な量を書かないといけないんですけど、10分かからないですよね。
コレとコレとコレを書いたらいいんだなというのが組み立てられるじゃないですか。
栗田:すごい、(ブログの)副産物ですね。
一龍:その文章を書くのってどうしたらいいのかと最近大学生になった子どもに聞かれるんですよ。
それで「いつ書けるようになったんだろう」って考えたら、練習はブログなんですけど、ベースは大学受験なんですよ。
最近それに気づいて。
僕らの世代って小林秀雄を徹底的に読解させられて、書く方はあんまりやってないですけど読解は徹底的にやらされて、僕高3の夏くらいから急に現国が得意になったんです。
前に話したと思うですけど、ヘッセを全冊読んで急に偏差値60超えしたんですよ。
でもね、考えてみたらそれだけじゃなくて、あの頃小林秀雄を徹底的に読まされていたんです。
だから論理的な文章を読解するのがめちゃめちゃ得意になっていって、国語が得点源になったんですよ、でああそういえばそうだったなと思って。
栗田:ターニングポイントですね。
一龍:そう、「読める」がベースにないと書けない。
この逆って多分ないんですよ。
普段めちゃめちゃ書いてて読めるようになるっていうのはあんまりないんじゃないかなと
栗田:ないない、ないですよ
一龍:ないですよね。
で、もっと読まないとと思って新潮文庫の100冊読もうと思ったんですけど、まだ1冊も読んでないという(笑)。
栗田:いやでも普段一龍さん色んな本を読んでますからね。
一龍:僕、本当に小説弱いんです。
全然小説読めてないんです。
僕(の読書)は偏っているんですよすごく。
栗田:読めば書けるようになる。
一龍:じゃないかなと、なるというかベースができていないとね、書けないですよね。
栗田:多少はね、真似がありますからね。
一龍:そうそう、文章を写すのってすごく練習になると思います。
栗田:それしか考えられない。
その時地ちょっと鍛えていたから(本が)書けたのかななんて。
栗田先生のインタビューはその2に続きます。