前回に続いて、現役高校教師にしてビジネス書著者である栗田正行先生のインタビュー記事、第2弾をおおくりします。
今回はデビュー作の出版に至る経緯についてです。
そこには、ある編集者さんとの出会いが大きなポイントとしてあったようです。
栗田先生インタビューその2 出版は編集者さんとの出会いがポイント
一龍:本を書こうという直接の動機はどこからきたのでしょうか? 何かきっかけはあったのでしょうか?
栗田:それも、色んな本、特にビジネス書とか読んでいたら、「本職だけだと危ないよ」とか書いてあるわけですよ。それで、なにかあった時に自分が持っているもの、人に誇れるものがないと再就職も厳しいと考えたわけです。
べつにね、転職するわけではないですけど。
その時に、自分には何ができるか?
それでビジネス書かぶれだったんで、最初はビジネス書を書いてみようと思ったんですけど、何も書けなかった。
じゃあ、塾で仕事をしてたから、教育書で授業の本を書きたいなと思いまして、それで、自分で本を出すための本を読んで、送れども送れども・・・。
知っているのはやっぱりビジネス書ばかり読んでいたんで、◯◯出版さんとか△△出版さんとか、いわゆる普通の一般書を出している出版社さん。
でも、そこへ送っても送っても鳴かず飛ばずで、あたりまえですけど。
一龍:えっ、まず原稿を書いて出してたんですか?
栗田:出してました。
一龍:企画書じゃなくて?もう原稿を書いて出してたんですか?
栗田:出してました。よくわかってなかったんです。
一龍:へぇー
栗田:そっからスタートです。
一龍:すごいですね
栗田:あっ、でも企画書というのを書かないといけないというのは、いろいろな本を読んでたんで知ってたんです。
でも、「書きたい」というのが先にあって、勝手に章立てを作って、勝手に書いちゃった。
それを「原稿送ってください」という会社もあったし、「企画書を送ってください」と言われた会社もありましたけど。
それでたまたま、ビジネス書読んでたんで、水野さんの『ビジネス用語の常識・非常識』 を読んだんですね。
読んでて、メルマガに登録したんです。
で、水野さんの(出版)セミナーに入って、そっからスタートです。
それでね、あそこって最初宿題が「5つ企画をもってこい」というんです。
一龍:5つって多いですよね。
栗田:自分が「コレだ!」って思うのを持っていってもハズレが多いと。
数を打てば編集者が面白いのを拾ってくれるかもしれないという考えなんです。
一龍:なるほど。
栗田:普通の人は自分の本職、たとえば私だったら『授業の〜』ってだけで持っていくわけですが、大いに見当違いの可能性があると。
私は本をよく読んでいたんで、企画は「授業」の他に「読書術」、今考えればなんで私が「読書術」なんだっていうのがあるんですけど(笑)、あとブログもちょっと書いてて「名言集」とか、これもありきたりだと。
あとひとつ何か学校関係のことを書いていって、最後の一個がどうしても思いつかなかったんですよ。
セミナーの初日に持っていかないといけないんですよ、5つを。
それで、妻に「思いつかないよ」って言ったら、「あなた仕事もして、本も読んで、育児もそれなりにやってるから、時間術なんていいんじゃない?」って言われたんです。
一龍:へぇー、奥さんの一言だったんですか!
栗田:そう、「時間術」は全然書く気はなかったんですよ、もともと。
やる気もなかったんで、読んだことのある時間術の本を思い出して、適当に章立てして、企画書書いて、そして当日、水野さんとビジネス書の編集者さんが3人いたのかな?
日本実業出版社の滝さん(現サンクチュアリ出版)、◯◯出版の□□さん、△△出版のお名前をわすれましたが超厳しい人。
で2人ずつ(水野さんと滝さんチーム、◯◯出版と△△出版チーム)に分かれて、そこへ皆が企画を持っていくんです。
で最初、◯◯出版と△△出版チームに行って企画書見せたら、中身の話じゃなくて、いきなり、「栗田さんはこの本を書いてどうしたいんですか?」っていわれて、どうしていいかわからなくて、始めてだったから洗礼を受けて・・・。
一龍:うわー、厳しいですね。
栗田:ショボーンですよ。
企画書どうこうじゃなくて、ボコボコに言われて。
水野さんも最初に、「編集者さんによっては色々言いますから、まぁ聞いてくださいね」とは言ってくれてたんです。
でも周りはみんな、元放送作家さんとか会社経営しているとか、そんな人ばっかりだったんです。
その中で「私ただの高校教師です」みたいな。
なんにもアピールするところがなくて、もう、内心それだけでかなり心配だったんですけど。
で次に、滝さんと水野さんチームに行った時に、一応ブログやっているということは水野先生は知ってくださっていて、滝さんはその時面識なかったんです。
それで、滝さんは5つある企画のなかで「時間術」にちょっと反応してくださって、「パパで、育児系も入れた時間術の企画書って書けますか?」て言われたんです。
「あっ、じゃあやってみます」って答えたところからスタートしたんです。
多分その時に、馬場さんの話が進んでいたのがあって、「パパと2つなら売れるんじゃないか」という滝さんのなかで青写真があっただろうと思うんです。
(管理人注:馬場さんの話というのは後に出版される『「働くママ」の時間術』のこと。実際栗田先生のデビュー作となる 『「働くパパ」の時間術』はほぼ同時期に発売されることなる。)
で、半年かけて企画を通してくれたんです。
それ以外は毎月一回出版セミナーがあるんですけど、他の企画をいろいろ考えて出してたけれどすべて鳴かず飛ばず。
結局セミナーが終わる頃に滝さんが企画を通してくれたんですよ。
一龍:そういうご縁だったんですね。
栗田:だから、滝さんに足を向けて寝れないです(笑)。
一龍:(笑)
栗田:だから他にも企画は色々出したけれど、滝さんに会わなければ出版はできていなかったとおもいます。
それ以降は自分で、セミナーで教わったことをもとに出版社さんに売り込みをして、2冊目のときはだいぶコツがわかったんで、私が出したい本は私が出したい本を出している版元さんからしか出せないというのがわかったんで、教育書系の出版社さんを攻めて、2社目ぐらいかな、「わかる〜」シリーズが決まって、その版元(東洋館出版)さんと、他の版元(学陽書房)さんからもお声をかけていただいて、今はその2つの版元さんとお付き合いしています。
一龍:もう7冊出してますよね。
栗田:この春で7冊ですね。
一龍:すごいじゃないですか。
栗田:いえいえ、教育書なので細々とですよ。
一龍:でも教育書って絶対長く売れるでしょ?
栗田:まぁ、そうです。
毎春教育書フェアがあるんで、そのたびに棚においてくださるんでやっぱり長く売れる。
まぁ、売れる部数は少ないんですけど、コンスタントに置いていただけてありがたいです。
この後印税についての生々しい話になっていくのですが、その部分はオフレコということでカット。
多分すごく聞きたいと思いますが(笑)。
インタビューはその3に続きます。
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