本を耳で読む Amazon Audible 30日間無料体験キャンペーン実施中

取り返しのつかないミスをする前に【書評】藤井 美保代(著)『「事務ミスゼロ」の仕事術』( 日本能率協会マネジメントセンター)

前回に引き続き、”事務本”です。
新社会人のみなさん、事務ミスってめっちゃ怖いんですよ~。
それを防ぐためにも、本書を読んで良い習慣を身につけましょう!

ということで、藤井先生の「事務ミスゼロ」メソッドのご紹介です。

 

【目次】
序章 
1章 なぜ、今「事務ミス」が問題なのか
2章 よくある事務ミスの例とその理由
3章 ミスのタイプを知っておこう
4章 ミスを防ぎ、効率をアップさせる50の小ワザ
5章 ミスを防ぎ、効率をアップさせる13のフォーマット

【ポイント&レバレッジメモ】

★「ま、いっか」厳禁

 ミスが目立つ人は、「ま、いっか」という言葉が口ぐせになっている。これはあるセミナーの参加者がおっしゃっていたことです。<中略>
 「ま、いっか」という言葉には、あるべき手順や約束を無視してしまう自己管理力の甘さがひそんでいます。また、「ま、いっか」と思うのは自分だけで、相手はそうは思っていないことがほとんどです。<中略>
 もしあなたが「ま、いっか」という言葉を頻繁に口にしているなら、その言葉がミスを引き起こしているのかもしれません。口に出しそうになったら、「ま、いっかは厳禁」とつぶやいてみる。まずは口ぐせを変えることで、手順や約束をおろそかにしがちな自分を変えていくようにします。

★メモを取る習慣をつけよう

 忘れないための簡単な方法が、メモを取ることです。上司の指示を受けたとき。「あれをやらなきゃ」と思いついたとき、その場でメモを取るようにします。単純なことですが、これがうっかり忘れを防ぐ一番の方法です。<中略>
 忘れないためにメモに書いた内容を行動に移すためのひと手間が必要です。
 一番オーソドックスな方法としては、メモパッドや付箋に書いた「やるべきこと」を、その日のTo Doリストに転記します。<中略>段取りの組み立てに手帳やスケジュール帳を活用している人であれば、手帳に書き込んでいきます。
 1日のうちに3回ほど、メモを整理する時間を設けるとよいでしょう。仕事を始める前の朝の時間、お昼前の時間、夕方前の時間の3回。メモを見直すことで、「せっかくメモに書いたのに、やるのを忘れてしまった」というようなヌケ・モレを防ぐことができます。<中略>
 ほかにも、メモを行動に移すために私が実践していることがあります。行動につながる動線に付箋を貼っておくことです。<中略>
 せっかくメモを取っても、メモを取るだけで安心してしまっては意味がありません。メモとは、いわば仮置きスペースのようなものです。そこから行動に移すために、段取りに組み込むという作業が大切なのです。

★1日、1週間のリズムを考えてスケジューリングしよう

 1日や1週間には、集中力の高まる時間帯と、逆に集中力が低下してミスが起こりやすい時間帯があります。
◇1日の作業効率のリズム
・朝一番・・・ミスが起こりやすい ⇒ 自分が得意な仕事、メールチェックなど
・午前中・・・最も集中力が高まる ⇒ 数字の計算、請求書発行など
・午後一番・・・ミスが起こりやすい ⇒ FAX送付などの細切れ仕事、人に会う、ミーティングなど外的刺激のある仕事

◇1週間の作業効率のリズム
・月・・・ミスが起こりやすい ⇒ 電話など割り込みの原因となる外部対応に集中
・火・・・集中力最も高まる ⇒ ミスが絶対に許されない仕事、新たな価値を生み出すクリエイティブな仕事に最適
・水・・・中だるみ ⇒ 週の後半に向けて仕切り直しができるような、ワクワクする仕事、得意な仕事
・木・・・効率が最も落ちる ⇒ 人と会う、ミーティングなど外的刺激のある仕事
・金・・・週末に向けて少し気分も上がる ⇒ 午前中は1週間のうちに終わらせるべきルーティンワーク、終業前2、3時間は1週間の振り返りと来週に向けての整理と段取り

★自分との約束を手帳に書き込もう

 一人で取り組む仕事打ち、ぜひともスケジュール帳に書き込む癖をつけてほしいのが、投資の時間です。ミスゼロの観点で言えば、ヌケ・モレを防ぐためのチェックリストの作成や、新入社員がミスなく仕事に取り組めるための手順書の作成、商品知識の勉強、後輩の育成などです。<中略>
 緊急ではないけれども重要な仕事こそ、手帳に書き込んで意図的に確保するようにしたいものです。手帳に書き込むことで、自分への約束として宣言し、必ず時間を取るようにするのです。そうすることで、ミスの根本的な原因をつぶし、ミスをなくしていくことが大切です。

★ダブルチェック体制を作る

 確認作業を行うには、目、場所、時間を変えると効果的です。
 「目を変える」とは、別の人が確認するという意味です。作業者以外の人が新鮮な目でチェックすることで、ミスを見逃さなくなります。
 自分一人でチェックする場合でも、「場所を変える」「時間を変える」ことで客観的な視点でチェックできます。自分のデスク周りは周囲の雑音も多く、何かと気が散ってしまいがちですが、会議室やミーティングルームなど静かな場所に移動すれば、集中できる環境を確保できます。あるいは、午前中に行った作業を午後にチェックしてみると、新鮮な気持ちで向き合えます。

★集中できる場所に移動

 大切なのは、集中したいときに、集中できる場所に身を置けることです。必要なときに、自分のデスクから離れて、静かな場所で仕事ができる環境があると理想的です。
 周りの余計なものが目に入らないように、壁に向かってレイアウトされた「集中デスク」のような場所を用意したり、集中タイムには会議室や個室を使えるように開放するのも手です。

【感想など】
前回紹介した

と同じ著者、藤井美保代さんの最新刊です。

今回のメインテーマはタイトルからもわかるように「ミスゼロ」。
ミスをなくすための50の小ワザが掲載されています。

ワタクシは20年近く社会人をやっておりますが、幸い取り返しのつかないようなミスはまだ未経験。
けど、大事に至ってないだけで、FAX送信したつもりが送れてなかったとか、書類の締め切り忘れてたとか、恥ずかしながら小さなミスはしょっちゅうです。

明日は我が身。
心して読ませていただきました。

なかでも本書の第1章では、ちょっとした事務ミスが取り返しのつかないミスにつながった事例が6例ほど紹介されており、その中にはワタクシが似たような経験をしたことのある事例もあって、その時の緊張感がよみがえって背中に妙な汗をかいてしまいました。

さて、その事例については本書にあたっていただくとして、先ほど”ちょっとした事務ミス”と書きました。
ここに書かれている事例はどれも本当に”ちょっとした事務ミス”が原因なのです。

ほんの少し気をつけていれば、工夫していれば防げたものばかり。
それを怠ったがために、数百万、数千万単位の損失を出したり、会社の信用をなくしたり、他人の人生を狂わせたりという結果に結びついてしまっているのです。

いやぁ、怖いなぁ。

そこで、”ちょっとした事務ミス”を防ぐために、本書4章に掲載されている ミスを防ぎ、効率をアップさせる50の小ワザ をじっくり読んでいただきたい。

今回、【ポイント&レバレッジメモ】では、前作同様、新社会人のためにという想定で、ミスを防ぐための基本的な対策をピックさせていただきました。

メモを取るとか、ダブルチェック体制とか、オーソドックスなごく当たり前のことのように思われるでしょうが、当たり前のことを着実に確実に行っていくことこそが、ミスゼロにつながる唯一最短の近道だと本書を読めば気付くと思います。

逆に、この大敵となるのが「ま、いっか」です。
うちの職場にもいるのですが、確かにミスが多い人は「まぁ、ええか」「今日の仕事にならんわ、明日明日」ってよく口にしています。

この口ぐせは絶対に危ない。
もし「ま、いっか」が口から出たらこう言ってください。

「お前のこだわりそこまでか!」と。

また、目からウロコだったのは 1日、1週間のリズムを考えてスケジューリングしよう でした。

1日、1週間のリズムを考えて仕事内容を決めたことはなかったなぁ。
これはワタクシも取り入れてみよう。

その他、ミス防止だけでなく効率アップのための”小ワザ”も満載ですので、これは読んで損はありませんよ。

なお、本書最終章には ミスを防ぎ、効率をアップさせる13のフォーマット が用意されています。
うん、これは使えそうだ。

本書は日本能率協会マネジメントセンター編集者の木村様より献本していただきました。
ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA