
知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術―あなたのアウトプット力を飛躍させる50の方法
- 作者:午堂 登紀雄
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/01/29
- メディア: 単行本
はじめて午堂さんにお会いした時の第一印象は・・・「熱い方」。
そして、はじめて午堂さんの本を読んだ第一印象は・・・「熱くて濃い本」。
“書く”ことに関してこれほど熱く濃密な本は、初めての経験でございました。
【目次】
プロローグ 知的生産力を鍛えよう!
第1章 コンテンツを生み出す5つの技術 発想の方程式・情報編集術・発想術・観察力・読書術
第2章 アウトプット力を高める方法
第3章 書く環境を整備する
第4章 出版があなたの世界を変える!
おわりに つらいことも苦しいこともすべてネタになる
【ポイント&レバレッジメモ】
★知的生産力
書く力というのは、経験や情報という目に見えない素材をベースに価値を生み出す、現代の錬金術ともいえます。その書く力の元になるのは、情報(知識・経験)のインプットと、それらを練る、再構成する、表現するというアウトプットです。本書ではこの二つの力を合わせて「知的生産力」と呼びます。
★人を動かす文章がお金をいただける
文章の研究とは、自分の心を通した、他人の心の研究といっても過言ではありません。
つまり、文章の上達とは、自分をより良く理解し、人間をより良く理解する行為というわけです。そして、それが価値となり、お金をいただくに値するようになるのです。
★知的生産力=(情報A×情報B)/自分=情報C ※自分=自分のフィルター
⇒ アウトプットの質を決めるのは、自分自身の成長と経験にかかっている
★コンテンツを生み出す「読書術」
◇読みやすい文章表現、豊富な語彙は、読書で養われる
文章を書く人は、やはり読書家です。面白い文章を書ける人で、あまり本を読まないとか、読書が苦手だという人には会ったことがありません。僕たちは本を読むことで、語彙や表現を学び、増やしていくのです。書くから読む、読むから書けると言っても過言ではありません。
◇自分の血肉になる本選びを意識する
栄養素の少ない食事をとっても健康にならないように、栄養素の少ない本を選んでも、読者の心を突き動かすボキャブラリーや表現は蓄積されません。むしろ、読みこなすのに時間がかかる本、著者の精神性が色濃く反映された文章をたくさん読むほうが、文章力を鍛えてくれます。
「書評をあてにして本選びをしているようでは、本選びの眼力が衰える。自分の直感と感性で選び、それがよかったのかそうでもなかったのか、そういう試行錯誤を繰り返して本選びの力が養われる。話題につられてベストセラー本を買うのは、消費者のすることであって、表現者のすることではない。クリエイターは、自分の感性で本を選ぶものだ」
◇ウラを読む習慣
「光あれば陰がある」といわれるように、物事には必ず裏がある。その裏側を読み解こうとすれば、人と違うことを書くことは、そう難しいことではありません。
オリジナリティとは、誰も思いつかないことを発想することではなく、同じものを見ても違う発想ができるということだ、といわれる所以です。本も、ある人にとってはゴミのような本が、ちょっと視点を変えれば貴重な本になる。その本の価値は、読者の力量によって変わるのです。
★アウトプット力を高める
◇「アウトプットが増えれば増えるほど、インプットも増える」
書いて書いて、話して話して、アウトプットを増やせば、コンテンツがなくなるどころか、ますますインプットが増えて、ますますコンテンツも多種多彩になります。
インプットとアウトプットの関係は、呼吸のようなものです。大量のアウトプットをすれば大量のインプットにつながります。
◇インプットではなく、まずアウトプットすること
◇「アウトプットの量=考えたことの量」
良質で大量のアウトプットは、より多く考える人にもたらされる。「書くこと=考えること」「考えること=書くこと」だということです。
◇文章を書くことは、自分の人格をみがくこと
良い書き手になるには、どれだけ自分の中に、「良い読者」をはぐくんでいけるかにかかっているのです。
◇思い浮かぶもっとも過激で刺激的な表現を使ってみる。
◇自分で読んで感動する文章を書く ⇒ 自分の心に響かせることができなくて、読者の心を響かせることはできない
★書く環境を整備する
◇いつでもどこでも書くトレーニングをしてみる
忙しい日常に追われながら、時間がなくても、書く場所がなくても、書くようにする。それが書く習慣と集中力をつけ、文章力を高める。
★出版があなたの世界を変える!
◇出版がワンランク上の世界を手に入れる最強最速の手段である理由
①商業出版というメディアの影響力の高さ
②本を書くというプロセスを通じていられる、自分自身の成長
⇒ 自分を成功スパイラルへと導くことができる
◇良いビジネス書とは何か?3つの条件
①「読者の思考体形が変わり、読者を行動に駆り立てる本」
②「エンターテイメント性があること」
③「わかりやすい」
◇「読者のどういう問題を解決できるのか?」という著者なりの答えを提示する
「その本を読むと、読者は何が得られるのか?」
「その本のメリットを一言で言うと、何か?」
【感想など】
今年、1月10日に大阪ミドウスジ大学主催の午堂登紀雄さんと水野俊哉さんのセミナーに参加しました。
その時の模様はコチラ
参考記事:【関西ブロガー企画&セミナー】「作家とお好み焼き」&大阪ミドウスジ大学 午堂登紀雄さん、水野俊哉さんのセミナーに行ってきました!
正直に言うと、この時のワタクシにとってのターゲットはあくまでも水野俊哉さん。
午堂登紀雄さんのことはブログにも書きましたが、ほとんど知りませんでした。
一応、ワタクシも書評ブログやってるくらいですから
がベストセラーになった方、という程度の知識はありましたが、ほとんどこれが午堂さんに対する知識のすべて。
おそらく、こういうタイトルがキャッチーなコピーの本はどうしても敬遠してしまうので、御著書を一冊も読んでなかったんだと思いますが…。
みなさん、作家さんにお会いする時の礼儀として次の2つは守りましょうね。
①著書をできれば全部、多作すぎる時はせめて代表作か最新刊だけでも読む。
②ブログやホームページがあるなら過去にさかのぼって全部の記事を読む。
そうすると実際にセミナーを聞くときに深く理解できたり、お話をするときに突っ込んだ質問ができるため、数倍深い内容の会話になったりします。
でも1月10日は、こんな当然のことをせずにセミナーに参加してしまいまして・・・
結果、後で悔やむ悔やむ。
一応新大阪の書店で著書をパラパラ立ち読みして
「あ、不動産投資とかやってるのね」ぐらいの生半可なリサーチ(?)をして、「投資はあんまり興味ないなぁ」と油断した状態ではじめて午堂さんのセミナーを聞き始めたのですが・・・。
それはそれは熱いセミナーでした!
「稼ぎ力をUPする!ビジネスアスリート養成講座」と題し、
持ち時間が1時間弱の間に自己紹介ビデオと100枚弱のパワポを使ったプレゼン。
一気呵成、怒涛のセミナー。
しかも投資の話がメインかと思いきや、投資の話は最後にちょこっとだけで、
・目の前の仕事を面白くする
・まずは一極集中撃破
・自分のスキルの参入障壁を上げる
などといったビジネス力をアップさせるための方法がメインの講義。
「あれ、投資の話するのかと思ったら全然違う。これはしまった予習しとけばよかった。」と思った矢先に話のお題は出版に関することに進みまして、本の話題となればワタクシにとってはど真ん中ストライク。
非常に面白く聞かせていただきました。
その後、「せっかくご縁があってお会いしたのだから今年は午堂さんの本を読もう」と考え、どの本から読もうかと物色していた折、 山といえば川 のChampleさんが本書を激プッシュされていたので読んでみたら・・・とにかく内容が濃い!
これはもう、本を書く、特にビジネス書の分野で一旗揚げてやろうと思っている方は必読の“教科書”ですよ。
今回の【ポイント&レバレッジメモ】ではあまりに内容が濃すぎて細々とした部分はバッサリ割愛させてもらいましたが、書くというアウトプットにこれほど特化しており、しかも実際的な書く方法、良質のアウトプットを実現するための思考方法が事細かに説明されている本をワタクシ今まで見たことがありません。
もしあなたが本気で出版を考えているのなら水野俊哉さんの
とセットで読んでみることをお薦め、いやいやつべこべ言わず“読め!”と言い切ってしまいます。
この2冊を読めば「俺も一冊書いてみようかな。書けるんじゃないかな」と本気で思えてきますよ。
また、ワタクシの様な「出版は考えていないけど、ブログなどで多少はアウトプットしてますよ。できたらもっといい文章が書けるように、質の高いアウトプットができるようになりたいなぁ」という方にも当然ながら激プッシュ。
・読者一般の発想と違うことを言う。意表をついたことを言う。読者の価値観を揺さぶることを言う。
・思い浮かぶ最も過激で刺激的な表現を使ってみる
・パクリとは、「構成要素に分解し、エッセンスを抽出し、自分の言葉で再構築すること」
などなど、とにかくヒント満載なのです。
「なるほどそういう観点を持つと今までと違った文章表現、アウトプットに結びつくのか」と目からうろこの連続。
ですが、ワタクシの心に本当にグサッと刺さったのは“書くテクニック”の部分ではなく言うならば“書くマインド”の部分でした。
世界中には、学校もいけない、服も買えない、仕事もないという貧しい国もあります。しかし日本では、それらすべてが与えられていながら、お金がないとか時間がないとか環境のせいにして、チャレンジしない人は大勢います。<中略>
世の中には、時間も環境も整っていながら、何も書かない人、何も書けない人もいるのですから。
いやはやガツンとやられました。
実は本書を読んだのは2月だったのですが、本書の内容があまりにも濃過ぎてまとめられなかったのと、ちょうど年度末で本業に忙殺されてしまったことで今まで記事をアップできませんでした。
しかし、考えて見ればどんなに忙しくても、“書く環境”は十分整っているんですよね。
国内で紛争があるわけでなし、食べるものにも事欠いているわけでもなし。
仕事は忙しいものの、帰る家があり、そこにはネットにつながっているPCがあり、どんなに時間がなくても寝る前の短時間なら時間があるわけで、それもだめならちょっと早起きすればいい。
けれど、「眠い」とか「寒い」とか理由をつくって、それをしてこなかったのは自分自身の“甘え”なのですよ。
この記事をお読みのみなさんは、「商業出版をするわけでもなく、プロの作家を目指しているのでもないのだから、何もそこまでして書かなくてもいいじゃないか」とお思いになるかもしれませんし、実際ワタクシもいつもそう思ってしまいます。
だから本業が忙しい時には、無理をせず、ブログ更新をちょっとお休みするようにしています。
細くでもいいから長く続けることが第一だと思っていますから。
ですが同時に、出版とまでいかない、たかがブログという手段のアウトプットであっても、本書で午堂さんが主張する
・出版があなたの世界を変える
・出版こそ、普通の人がワンランク上の世界を手に入れる、最強最速の手段
といった経験のミニチュア版は体験できるということも知っております。
何人かの著者さんとお会いできたのも、献本いただけたりできるのもブログでアウトプットし続けてきたから。
普通の田舎のオッサンでも“書く”ことで本当に自分の世界が広がるんだと。
だから、午堂さんがセミナーでおっしゃったように
たくさん読んで ⇒ 書いて ⇒ 捨てて ⇒ 発表
というサイクルをどんどん加速的にこなしていきたいのですが、自分の甘さに負けてしまう。
はじめて午堂登紀雄さんの本を読ませていただいて、あらためて自分自身の弱さや甘い部分と向き合った気がします。
よーし、これからは忙しい時ほど書いてやろう!
そんな気にさせていただきました。
最後に、午堂さんが編集者さんに教えてもらった言葉として本書に登場する次の言葉を紹介します。
頭で書いた文章は、読者の頭に届く
心で書いた文章は、読者の心に届く
魂で書いた文章は、読者の魂に届く
魂に届く、魂を震わせる、そんな文章をアウトプットできる書評ブロガーを目指したいものです。

知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術―あなたのアウトプット力を飛躍させる50の方法
- 作者:午堂 登紀雄
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/01/29
- メディア: 単行本
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