なるほど、P/Lベースの家計簿ではなくB/Sベースの家計簿か。
これなら家計簿も楽しく続くかもしれない。
前回に引き続き会計本ではあるものの、今回は家計の会計本!
【目次】
Chapter1 B/S家計簿ハック!
Chapter2 家計資産ハック!
Chapter3 出費コントロールハック!
Chapter4 レコーディング家計ハック!
Chapter5 投資ハック!
Chapter6 企業分析ハック!
Chapter7 四季報ハック!
Chapter8 「超」会計思考ハック!
【ポイント&レバレッジメモ】
★ハック家計簿・・・貸借対照表(B/S)ベースの家計簿
◇「残高ルール」・・・残高を把握することで、その間の支出の総額を算出する
(朝、お財布の中に入っていた金額)-(一日の終わりに、お財布の中に入っていた金額)=残高
◇「おさつルール」・・・千円単位で記録する
⇒ 端数を切り捨てることによってかえって、細かいところにとらわれず、経営者視点で物事を判断できる
◇「気まぐれルール」・・・ハック家計簿は毎日つけなくてもよい
⇒ B/Sはある時点でのお金の状況を示した「スナップショット」
◇「ブタの貯金箱効果」
残高ルールによって運用されるハック家計簿も、実は(ブタの貯金箱と)同様です。前回よりも残高が増えていく様を見ていると、自然と「もっと残高を増やしたい!」というモチベーションへとつながっていきます。
◇ハック家計簿で記載する3部門
①資産の記入・・・現金や預金、その他の資産は現時点での価値を基準に記載
②負債の記入・・・各種ローンの残高
③純資産の計算・・・資産額から負債額を引いた金額
★家計資産ハック
◇「ローンの残高ルール」・・・ローンの残高を記入することで家計全体を把握する
⇒ 財政引き締め効果を生み出す。
◇「残存価値ゼロルール」・・・残存価値の残らない資産を0円として計算する
不動産以外の固定資産は、会計上のルールでは原則、残存価値(最終的に残る価値)は、ゼロになります。なので、購入した自家用車もパソコンも、耐用年数が過ぎてしまえば資産価値ゼロで計算する。
★出費コントロールハック・・・家計における営業リストラ
◇家計における利益=節約額=貯金額
⇒ 貯金はしたいが、節約まではしたくない、ということは成り立たないのが家計
◇「プリペイド節約法」・・・あらかじめ決めて置いた予算をEdyなどのプリペイドカードに投入しておき、その予算内でやりくりする。ゼロになったらその月は予算終了。
◇「ラテマネー」を見える化する・・・缶コーヒーやスタバなど1日数百円の“意識しない出費”を節約する
◇趣味は一つに絞る
趣味は一つに絞る → 趣味の中でさらに絞る → 趣味を仕事にしてしまう
★レコーディング家計ダイエット法
◇レシートの厚さというかたちで「見える化」
本書で紹介されているレシートホルダー
![]() |
カール事務器 状差し UB-25-B () カール事務機 |
![]() (2008/12/01) コクヨ |
⇒ 何を買ったから(原因)とお金が減ったのか(結果)という因果関係が意識できる
◇「レシート貼るだけ家計簿」を使う
【感想など】
おなじみハックシリーズの最新刊。
今回は小山龍介さんと「さおだけや~」の山田真哉さんがタッグを組んでの会計HACKSです。
といっても本書はガチの会計本ではなく、どちらかというと生活密着型(?)の会計本。
なんで?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、冒頭部分で
会計を理解するのに、いきなり企業のお金の流れを学ぶよりも、自分の家の家計の流れを理解することのほうが、実は近道です。というのも、家計という身近なお金の流れもまた、会計のルールに基づく経済活動の一つだからです。
との説明があり、納得。
会社のお金って額が大きいうえに、やはり人ごとなので小難しい会計用語を理解しながら読み解くのってワタクシの様な素人にはできれば避けて通りたいようなこと。
しかし、家計となると話は別。
本気度が数段アップしますよね。
で、本書前半は、ハック家計簿の説明とその有効性を説きつつ会計的思考にも触れてくれているのですが、これが使える!
今まで「マネーリテラシーを身につけるために、せめて小遣い帳ぐらいはつけよう」と何度も思い立っては挫折してきたワタクシですが、これは楽しく続きそう。
P/LではなくB/Sベースの考え方で家計簿をつけるというのは目からウロコでした。
常に残高が“見える”というのは楽しいし、節約効果大ですね。
また、本書には家計の営業リストラ(節約)についても触れています。
ここはちょっと「ん~もう少しハックを・・・」と欲求不満。
「ラテマネ」なんて水筒持参のワタクシには関係ないし、車がないと生活できない田舎だし、住宅ローンをすでに組んでいる“ローンレンジャー”なので、他にも節約術を紹介してほしかったなぁ・・。
あっ、やっぱり趣味のリストラですか?本代をリストラしかないですね・・・。
でもね、“ちりも積もれば”の重傷性は否定しませんが、結局住宅費が一番の問題なんですよね。
コーヒー代とか本代とか、どんなに節約してもそんな節約分なんか家の購入で一気に吹っ飛んでしまう。
あまりにも額が違いすぎる。
でも、それでも家は欲しい!という方。
そういう方には必読の住宅に関するハックがありますのでぜひ本書をお読みください。
それだけでこの本代の元を取るどころかプラス数百~数千万の節約を生み出すと思います。
まぁワタクシはもう手遅れですので、「返済ファーストの原則」を守って、一日でも早く住宅ローンが終わるようにコツコツ返していきますよ(ショボーン)。
それから、投資に関心のある方。
今回の【ポイント&レバレッジメモ】では前半のハック家計簿の部分しか抜き書きしていませんが、
本書後半では「投資ハック!」「企業分析ハック!」「四季報ハック!」と特に株式投資に関心がある方には必読のコーナーが目白押し!
企業分析はどの指標に注目し、どの指標は見る必要がないか。
四季報のチェックの仕方等々解説されています。
こちらも本書1500円の投資で大きなリターンが得られるかもしれませんね。
詳しくはぜひ本書をお読みください。
ワタクシは投資よりも「返済ファースト」ですから・・・。
【関連書籍】
今回は本書中で紹介されている本を。