本を耳で読む Amazon Audible 30日間無料体験キャンペーン実施中

 

脳神経外科医、林成之先生の最新刊です。
つい最近、

 

望みをかなえる脳

望みをかなえる脳

  • 作者:林 成之
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2009/01/14
  • メディア: 単行本
 

 

を出されたばかりの著者ですが、
今回は私が衝撃を受けた「勝負脳」シリーズ(?)

しかもサブタイトルが「脳科学が教えるリーダーの法則」とあっては、
マスト バイ!

スーパードクター林先生の脳神経外科医という立場から見た、ビジネスの現場で役立つ脳の使い方、鍛え方とは?

 

【目次】

 プロローグ
  人間社会のルーツは脳が持つ三つの本能
  あたかも人間の脳の仕組みを広げたよな社会が理想の姿
  自己チェックシートで知るあなたのリーダー「勝負脳」度
 第1章 まずは、「脳のこんな仕組み」を知っておこう
  こん睡状態の患者さんが私の話を聞いていた!
  人間の「心」のルーツはどこだ?
  脳が持つ三つの本能――「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」   ほか
 第2章 勝つためには「勝負脳を知る」必要がある
  リーダーの「勝負脳」とは何だろう?
  私たちはなぜ世界屈指の“最強医療チーム”になれたのか
  赤ちゃんを見ると、人はどうして微笑みたくなるのか   ほか
 第3章 生き残るリーダーの条件「自分に勝つ力」とは?
  強い指導者の「勝負脳」をつくるために必要なもの   ほか
 第4章 「理解する力」を深め、100%判断を誤らない!
  判断ミスをしないリーダーになるために   ほか
 第5章 「指導者としてのカリスマ性」を身につける!
  後天的に身につけられる“カリスマ性”がある   ほか
 第6章 リーダーが必ず持っている「独創的思考能力」とは?
  独創的なアイデアを生み出す源    ほか
 第7章 なぜ「人間力」がリーダーにとって不可欠なのか?
  人間としての魅力をもつことも勝つためには不可欠   ほか
 第8章 「過去の体験や訓練を生かす力」のために・・・
  過去のしがらみを明日のパワーに帰る!
 エピローグ 
  これからの時代に求められる「勝つ」リーダーの姿

【ポイント&レバレッジメモ】

★脳が本能的に持っている三つの欲求 ⇒ 「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」
◇人間は三つの本能を満たすために、行動し、社会を作りあげてきた 
 ⇒その大本に反するような行動や方針は、組織の円滑な運営を阻害し、働く人たちの能力の発揮を妨げ、最終的には組織を崩壊させる方向に動きます。なぜなら、それは脳が欲するものではないから

◇脳は三つの欲求をバランスよく満たす方向で自然に動いている
 ⇒脳が作り上げたこの社会も「家庭」「教育」「会社」がバランスよく循環していくことが望ましい形

◇脳は統一・一貫性を求める ⇒ 正しいものを判断するためにある性質が、同時に間違いを引き起こす仕組みも持っている

★勝負脳とは
◇勝負脳とは言語能力、音感能力、運動能力、計算能力、理論的能力、空間認知能力(空間認知中枢の機能)などの表現知能に加えて、その知能を考えて生かす思考知能、それに表現知能と思考知能をつなげるもう一つの、人間性、人となりの能力である性格知能の三つを一本化させて、人間の持つ才能や能力を最高に発揮する脳を意味する

★男のリーダー、女のリーダー
◇女性は目の前の細かいものはよく見えているし、気づくこともできるが、全体を俯瞰してみるのが苦手。 ⇔ 男性は目の前のことはあまり見えないが、全体を俯瞰するのは得意。

◇異性集団の統率には異性の部下を上手に使う ⇒ 自らの性が持つ脳の長所と弱点を理解して、その弱点を補強してくれるような信頼のおける異性の部下を置く戦略が必要。

★「自分に勝つ力」を鍛える
◇率いている組織が大きければ大きいほど、「自分に勝つ力」が弱まる傾向がある。 ⇒ リーダーは地位が上がってくるに従って、自己保身の気持ちが強くなるから。

◇プレーイングマネージャーは組織が小さいときやその組織がまだ未熟な場合は、非常に力を発揮するが、組織が大きくなると、その発展を阻害する可能性がある。

「目的」「目標」の違いを理解する ⇒ 脳は具体的な「目標」がないと動けない。つねに「目的は何か」を意識し、それを実現するためにはどうしたらいいのか、という具体的な「目標」のプロセスに集中する。

◇リーダーは「自分の目を通せば、絶対に間違いない」というくらいの自信を持っていなければならない。 ⇒ イメージで物事をつかんだり、アバウトに把握するクセのある人は、正確さに欠ける傾向がある。

★「理解力」を鍛える
◇二つ以上の情報を重ねて認識していく人は、間違いのない理解の仕方が鍛えられる。

◇3、4日で消えてしまう通常の「作業記憶」と、「忘れてはいけない大切なもの」としてダイナミック・センターコアの仕組みへ運ばれる二種類の情報がある。

◇人間が考える仕組みは、前向き思考の明るい性格によって最も強く機能する。

「空間認知能」・・・「理解する力」にも一番関係する知能。

★後天的に「カリスマ性」を身につける
◇リーダーは言うことを変えてはいけない。

「達成率」が高ければ高いほど、カリスマ性のあるリーダーになる。

◇夢(目的)が語れないリーダーは、リーダーたる資格がない。 ⇒ 設定した「目的」が夢やロマンに満ち溢れていればいるほど、「目的」達成に対するモチベーションが上がる。

◇目的に対してロマンを語るのは、自己報酬系の意欲をかきたてるのに、最適なやり方。

◇やる気物質のドーパミンが多く分泌されている人は、性格が明るいだけでなく、思考力に優れています。

★「独創的思考能力」を鍛える
◇複数の学問をこなす ⇒ まったく分野の異なるもの同士を重ね合わせることによって、一つの事柄を異なる視点から検証することができる。

◇子供のひらめきは斬新に見えるが、実用性がない。

◇知識を1枚の絵としてまとめたものを並べてじっと眺めて考えていると、一見、関係のないバラバラの知識も、共通点に気付いたり、ある絵とある絵を結びつけて、全く新しいアイデアを考えついたりする。

★「人間力」を鍛える
◇なるべく異なる世界の人たちとのネットワークを広く、深く広げていくことが大切。

◇相手を好きになる ⇒ 意見が対立する相手を受け入れるには、相手を好きになること。そうすれば相手も自分を好きになる。

◇脳が望まない方向で組織をつくっても失敗する ⇒ 自分も儲かるが相手もいい思いをするという共存の方向が、永続的なビジネスを作りあげるためには必要。

◇M&A ⇒ 融合ではなく、互いを認める連合系でなければ、会社を合併しても力を発揮することができない。

◇叱りつけて伸ばす方法は、あまり賢いやり方ではない。 ⇒ 脳は嫌なことは排除してしまうので、叱っても脳のパフォーマンスを発揮させられない。

◇脳は本能的に社会貢献を求めている。

 

【感想など】
◇林先生は20年にわたって救急医療の現場で先頭に立って指揮をとられてきたスーパードクター。

その豊富な実績と経験をもとに脳外科医の立場から書かれた

 

<勝負脳>の鍛え方 (講談社現代新書)

  • 作者:林 成之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/10/21
  • メディア: 新書
 

 

は、まさしく衝撃でした。

そして今回のテーマは、ズバリ「ビジネス」

前作が“アスリート”に対象を絞っていたのに対して、今回はビジネスの現場。
特にリーダー論、組織論がメインテーマとなっています。

もちろん、医療の現場とビジネスの現場の違いを感じる部分も本書中にはあります。

例えば、

たとえ100のムダがあっても、一つの命を救うことができれば、100のムダはムダではないというのが私の信念です。その信念が揺らがなかったからこそ、部下は無理難題を要求されても、私について来てくれたのだと思います。

「命」を救うことが何事よりも最優先というはっきりした「目的」があるからこそ「目標」に100のムダが許される。

これは医療の現場ならではのこと。

ビジネスにおいて、一つの契約をとるために100のムダは許されないでしょうね。
せいぜい10のムダくらいかな?

ある意味うらやましいかも。

しかし立場の違いはあっても、「目的」のためにそれだけあらゆる可能性を試せ!ということでは参考になります。

◇さて、今回のメインテーマである“リーダー”論
ワタクシにとっては、性差による脳の違いや、カリスマ性を身につけるための方法など勉強になること満載でした。

林先生の、脳の本能に基づいたリーダー像は、
社長や重役といったピラミッドの上層部よりも、比較的少人数のチームを率いる中間管理職の方や、会社自体が小規模の中小企業やベンチャー企業の管理職の方が読むと参考になるのではないでしょうか。

たしか本田直之さんも

 

レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』

レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』

  • 作者:本田 直之
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 単行本
 

 

の中で、
「戦国武将に学ぶのは“大きな組織”のリーダー。実際のビジネスの現場ではもっと小集団のチームで動くのだから、参考になるのは「スポーツ」「脳科学」「投資」「経営」の4分野」とおっしゃっていたように記憶しています。

これからますます、脳科学に基づいたマネジメントが主流になっていくのではないでしょうか。

ただし、林先生も“リーダー養成”について最後はこんなやや乱暴なこともおっしゃってます。

リーダーという立場に立たされれば、多少自信がなくても、だんだんとそれらしくなってくるものです。求める性格が必要とされる環境に自分を放り込んでしまうのも、自分を変える一つの方法です。

結局やってみるしかない!  ということで・・・(━_━)ゝウーム

◇本書を読んでいて、リーダー論意外にも気になるところが随所にありました。

例えば、林先生は新しく得た知識や考えをイラストにまとめられるそうですが、

メモをとる時も、文字ではなく、図化してとるようにし、本を一冊読み終わったら、その内容を絵や図にして残しておく。報告書や資料も一枚の絵にまとめてしまう。するとその絵を見ただけで、内容が一瞬にして思い出せます。

これって、マインドマップと同じ原理ですよね。

フォトリーディングで読んだ本の内容をマインドマップにまとめておくと、時間が経ってもマインドマップを見ただけで内容をかなり思い出せます。

しかも、セントラルイメージを見ただけで、それを描いていた時の周りの状況や匂いなんかも思い出したりすることがあります。

やっぱり絵にしてみるのは脳にとってはかなり効果的なのかも。

そして、ワタクシ的にかなりツボだったのが、日本競泳チームへのアドバイスのひとつ、

自分が水そのものになり、水と一体化すれば、脳は水を「抵抗」とみなさなくなるので、それが運動神経にも伝わり、抵抗感がなく、より速く泳げるようになります。

自分が水になってしまうというアドバイスですが・・・

某サッカー漫画で
「ボウルは友達」というセリフがありましたが・・・

「信じる者は救われる」ということで・・・”o(-_-;*) ウゥム…

ワタクシでは答えが出せません。

いずれにしても、脳の本能を基にしたリーダー論。
ビジネスパーソンなら読んで損はないどころか、読まない方が確実に損しそうなスゴ本。
林先生の本の中で一番のお薦めです。

 

ビジネス<勝負脳> (ベスト新書)

  • 作者:林 成之
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2009/01/31
  • メディア: 新書
 

 

【本で学んだことを実践しよう】
林先生の医療チームのルールを家族に適用することにしました。
①前向きで明るい性格でいること
②家族の悪口を言ったり、意地悪をしない。
③人とのコミュニケーションを考え、面倒見の良い人格を持つこと。
④どんなことがあっても、否定的なニュアンスをもつ言葉を使わない。

家族をチームとしてマネジメントする発想は確か松下幸之助さんがおっしゃってました。
まずは家庭でリーダーシップの練習を!

【管理人の独り言】
ここ10日間、休日返上のとんでもなく忙しい日々が続いてPCに向かえない状態でしたが、ようやくひと段落。
肩痛も良い状態になってきました。
また、ブログ更新を再開します!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


前の記事

セルフマネジメントを楽しめ!【書評】朝原 宣治(著)『肉体マネ…

次の記事

【読書カード】エルバート・ハバート『ガルシアへの手紙』(総合法…