今日ご紹介するのは、勝間和代氏初の成功本
かなり前から注文していたのにもかかわらず、Amazonからの到着が遅かったため、小飼弾氏はじめ多くのブロガーが書評をアップされるのを傍目で見つつ、すっかり出遅れた感があり、必死で読んだものの、今度は内容の質量ともに圧倒され、ブログ記事にするのがさらに遅くなってしまいました。
正直なところ、あまりにも勉強本や仕事術のインパクトが強かったので、今でも「テクニックの人」「ロジックの人」というイメージがある勝間氏。
しかし今回、勝間氏が扱うのは”運”をいかに戦略的につかむか。
”運”などといった不確定要素さえ再現性のある”技術”でつかめるようになるとしている勝間式成功術。
はたして気になるその”方法”と”技術”とは?
【目次】
はじめに “メンタル筋肉”と「運をつかむ勝間式4つの技術」
第1章 「偶然を幸運に変える」セレンディピティの技術
数々のセレンディピティの軌跡と「ベストマザー賞」での黒木瞳さんとの出会い
この1年に起きた「8つの偶然」をいかに幸運に変えたのか?
「効率化すると疲れる、大変ですね?」の大いなる誤解 ほか
第2章 勝間式技術①【広げる】あなたの潜在意識が目覚める!脳内フレーム120%活用法
97パーセントの潜在意識の活用で成果が10倍に
ステップ1―潜在意識と成長パスの関係を理解する(ホップ) ほか
第3章 勝間式技術②【絞り込む】「99%捨て、1%の本質をつかむ」即断即決法
1%の本質をつかむ「即断即決法の技術」
ステップ1―「捨てる」ことの重要性を心から理解する(ホップ) ほか
第4章 勝間式技術③【殖やす】「4つのダイヤ」を引き寄せるパーソナル資産増強法
ステップ1―パーソナル資産の大切さに気付く「もったいない」精神を養う
ステップ2―「4つのダイヤ」と素早い反応で、パーソナル資産の好循環を作る(ステップ) ほか
第5章 勝間式技術④【調和する】勝間式人間関係の兵法――「5つのわがまま力」で年収が20倍になった秘密
ステップ1―「わがまま」と「成功」の関係性を理解する(ホップ)
ステップ2―アサーティブな振る舞いを身につける(ステップ) ほか
おわりに 起きていることはすべて正しい
謝辞
本文中に出てきた書籍&オーディオブック
【巻末付録①】運を切り拓く「勝間後」事典
【巻末付録②】運を戦略的につかむ「勝間式グッズ」
【ポイント&レバレッジメモ】
第1章 「偶然を幸運に変える」セレンディピティの技術
・「効率化」とは、「自分も相手も大事にする技術」
・メンタル筋力をつける王道 ⇒ 即効性があるもので成功体験を得ながら、それがきちんとメンタルの丈夫な体格になるような形で繰り返せる「仕組み」を作りこむ。
・「メンタル筋力」が強い人、5つの特徴
①行動力がある → 行動力がメンタルを強くする
②性格がよく、応援したくなる → 性格がいいということが経験値を増やす
③ディープスマート力がある
④新しいことに興味が強い → 迷った時は新しいこと、よりリスクが高めなことをやってみる
⑤すべてを客観視する習慣がある
・「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」
・「大リーグボール養成ギプス」・・人間追い込まれると、無理矢理でも成長する。結婚や出産は「経験値」が上がり、人間的器は広がるジャンプボードになる。
★メンタル筋力をつける3つの柱
・1つ目の柱―メンタル筋力を強くする心構えを作る
【メンタル筋力を強くする心構え7カ条】
その① うれしがりすぎない、悲しがりすぎない
その② 現状を多面的な視点から受け入れる → メタ認知
その③ メンタル筋力が強い友人とつき合う → 成長に合わせて友人を入れ替える
その④ 利他の精神を養う → 「メンタル筋力に栄養を与える」
その⑤ 小さな成功体験を積み重ねる
その⑥ 失敗の芽をあらかじめ摘んでおく
その⑦ 能動的に考える時間を増やす → コツは「完璧主義を捨てる」
・2つ目の柱―ストレスを上手にコントロールする
「自分がしたくないことはしない」⇒ どうすればそうなれるのかを人生の目標に1つにする
・3つ目の柱―徹底した疑似体験の量を積む
「量を体験する」⇒ 大量の本を読み、量を質に転じさせる
・「浪費をしない、投資を惜しまない」
第2章 勝間式技術①【広げる】あなたの潜在意識が目覚める!脳内フレーム120%活用法
・「脳内フレーム120%活用法」・・潜在意識を強く「意識」し、活用する技術
★潜在意識の使いこなし方
・ステップ1―潜在意識と成長パスの関係を理解する(ホップ)
コツは「ポジティブシンキング」⇒ 自主的に何か物事を決めていって、将来のパス(経路)を自ら切り拓いていく
「日常的にネガティブな言葉を使わない」(リッツ・カールトン日本支社長 高野登氏)
・ステップ2―潜在意識を活用して自分のデータベースを強化する(ステップ)
フォトリーディングとマインドマップで、戦時意識に「スキーマ」という形で「概念の塊」として落とし込む
自分の考え、行動、心は「検事意識」ではなく、「潜在意識」で決まる ⇒ 潜在意識を主軸に考えて行動する
・ステップ3―潜在意識の自分のデータベースを行動に活かす(ジャンプ)
どうしたらこの瞬間を最も自分の大事な目標に対して、最大限生かすことができるのか常に呼吸するように考える癖をつける。
「感じること」「感じたことをなるべく使うこと」 ⇒ 常に潜在意識にピンと来たものに行動を起こす癖をつける
・「三毒追放」・・「妬まない、怒らない、愚痴らない」
・厳しい環境の中で、自分が持っているパーソナル資産を最大限に生かして、精神的にも能力的にもちょっとだけ背伸びをしながら、新しいことを達成していく。
第3章 勝間式技術②【絞り込む】「99%捨て、1%の本質をつかむ」即断即決法
・「努力しても報われない」のは「『間違っている』努力をしているから、報われない」
★「1%の本質をつかむ即断即決法の技術」を身につける3つのステップ
・ステップ1―「捨てる」ことの重要性を心から理解する
「意志をもってやめてみる」「意志を持って捨ててみる」⇒ 自分の得意なことを見極め、自分が得意でないことについてはなるべく時間を使わないようにすることが、自分に対しても相手に対しても誠実な生き方
「本当に私でなきゃダメなの?」と、常に自問自答する
・ステップ2―捨てるための「技術」を覚える
技術その①―自分の強み・弱みを理解する→「ストレングス・ファインダー」の活用
技術その②―フレームワークとラベリングを活用する
技術その③―数字でシンプルに考える→数字でざっくりと周囲の情報をつかむ
技術その④―ラテラル思考で広げる→「それって本当?テクニック」・・回り道や抜け道を探す思考法
技術その⑤―ディープスマート力で深める
「バーサタイリスト――多能な人」・・21世紀に求められるのは十分にディープスマート力を持ちつつその周辺分野にも適度に詳しい人
・ステップ3―決断し、捨てることを「日常化」する
1%の本質を残せる人になるには ⇒ 分母となる良い情報、よい出会いを増やすこと。
「捨てられない人は、圧倒的にインプットの量が足りない」
うまくいっている人、チャンスをつかんでいる人の特徴は、行動が速く、インプットもアウトプットも大きい
第4章 勝間式技術③【殖やす】「4つのダイヤ」を引き寄せるパーソナル資産増強法
★パーソナル資産を増やす3つのステップ
・ステップ1―パーソナル資産の大切さに気付く「もったいない」精神を養う(ホップ
パーソナル資産を独占せず、なるべくみんなと共有していくことで、どんどんパーソナル資産は増えていく
「光合成のスピードよりも、たくさんの物は生産できない」
パーソナル資産を増強させる基本戦略は「継続的改善」
・ステップ2―「4つのダイヤ」と素早い反応で、パーソナル
資産の好循環を作る(ステップ)
パーソナル資産の4つの定義
①自分メディアを通じた経験
②無意識でできるまで高めた技術
③将来に投資するお金
④バランスシートを連結できる人脈
「パーソナル資産リッチだから反応が速く、反応が早いからこそパーソナル資産リッチになる」
新しい経験やアイデアは人とのコミュニケーションの量で生まれる。
・ステップ3―得られたパーソナル資産を、常に使いきる目配りする(ジャンプ)
「起きていることはすべて正しい」 ⇒ 起きていることはすべて、自分に対するメッセージ、あるいは何らかのチャンスとして受け止めよう。そして、そのメッセージを分析し、そこに対して自分の持っているパーソナル資産を正しく割り当て、使い切り、最大の成果になるように行動を続けよう
パーソナル資産を使いきる基本は、「当たり前のことを愚直に、実行し続ける」こと。
第5章 勝間式技術④【調和する】勝間式人間関係の兵法――「5つのわがまま力」で年収が20倍になった秘密
・「勝間式人間関係の兵法」とは「自分の持てる能力を、他の人のために最大限発揮する技術」
★「勝間式人間関係の兵法」を再現するための3つのステップ
・ステップ1―「わがまま」と「成功」の関係性を理解する(ホップ)
成功の定義 ⇒ 「自分の能力を最大限に発揮することで、周りの助力を得ながら、自分の好きなことを達成し、それで他の人に貢献できること」=「究極のわがままが通る」状態
リーダーシップ ⇒ 「この人の言うことについて、多少リスクはあるかもしれないが、とりあえず従っていけば、最終的には成果が出る」と思ってもらうことが大切。
「必要以上に人に迎合しないこと」のコツは「自分で自分を好きになること」そして、「他人に嫌われても、受け入れられなくても、いつも自分を肯定して気にしないこと」
人間関係を安定させるコツ ⇒ 相手に対して必要以上に威張らず、必要以上に媚びないこと。そのためには自分に実力をつけるのが一番。
「職場で身につけられる5つのわがまま力」
技術その①―叱られたことから、自分の能力を見極める力
技術その②―褒められることで、周りと調和する力→「叱る量の5倍褒める」
技術その③―チーム内で強いところと弱いところをお互いに補完しあう力→「互いに気持ちよく働けるチームの形成が仕事のすべてである」
技術その④―正しい目標を設定し、フィードバックしあう力
技術その⑤―正当な評価体系を保持して、やる気を保つ力→「創造的わがまま」を協力して開発していく
・ステップ2―アサーティブな振る舞いを身につける(ステップ) ほか
「相手も自分も大事にする自己表現の技術」
・ステップ3―自分の応援団を増やしていく(ジャンプ)
自分の応援団を作るということは、①しっかりとした自分なりの能力②相手に対する地に足の着いた主張という2本の柱があって、それが独りよがりでないときにはじめて周りの共感が生まれる。
究極的に楽しいと感じること ⇒ 自分たちの能力がいかんなく発揮され、その能力に対して周囲の人が感謝し、褒め称えてくれること
【感想など】
最初に、とにかく濃い内容でした。
ワタクシの能力ではまとめようとしてもこれで精いっぱいです。(スミマセヌ)
それにしても、毎回そうなのですが、あらためてすごい情報量です。
しかし勝間本は300ページ越えの大著であっても、フレームワークと著者の論点がはっきりしているため非常に読みやすく、とくにフォトリーしやすいという印象を受けました。
さて、本書は勝間氏初の成功本であり、本書中で著者は
多くの方が私のことをかなり「デジタルな人間」「ロジカルな人間」だと思っているかと思いますが、実際にはこの本で紹介しているように、メンタル的なことこそが能力を発揮するカギだと考えています。
と、おっしゃってますし、潜在意識の活用といった内容も本書では含まれていますが、非常に勝間本らしく、”運”や”心”の問題までも「技術レベルまで方法を落とし込む」こととして、誰でも実行可能な域を目指しています。
そしてその”技術”ですが
「技術」・・再現性が高く実現でき、継続可能で、比較的早期から効果が現れ、長期に効果が持続するもの
としています。
これが端的にわかるのが冒頭の「8つの偶然」の部分です。
楽天の野村監督が勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしと以前言っているのを聞いたことがありますが、「8つの偶然」とそれを生かすために勝間氏がどう行動したかを読むと、勝間氏の場合「成功に不思議の成功なし」ということがよくわかります。
そして今回非常に印象に残ったのが勝間さんが「人を大切にしている」こと。
以前から「Giveの5乗」という表現で「人こそ最大のパーソナル資産」であるとおっしゃってきた勝間氏ですが、どうしても我々はその圧倒的なスキルと実績の方に目が行ってしまいがちです。
本書であらためて勝間氏の成功を支えている大きな部分が「人を大切にすること」だということに気がつくことができました。
そういえば斎藤一人さんも「幸運は人が運んでくる」とおっしゃっていましたよね。
しかし、勝間氏の圧倒的スキルと実績は無視することはできません。「ワタクシも勝間氏のようになれるか?」といえば「そりゃ無理でしょう」と答えてしまいます。しかし、あとがきの
「勝間和代だけができた」「勝間和代だからできた」のではありません。ほんのちょっとした考え方の違い、習慣の違いであり、また、技術の違いでだれもができることだと確信しています。
からも読み取れるように、何か行動を起こして少しずつ変わっていくことを勝間氏は望んでいますし、それをしなければこの本を読んだ意味もありません。
「ではなにから?」と聞かれたら、本書に登場する非常に重要なキーワードで大切な”技術”であり、即効性が高く、お金もかからないものが一つあります。
何だかわかりますか?
「三毒追放」です。
「~シンキング」とか「○○力」とか難しい!なんて感じる方はまず、これからはじめてみませんか?
これなら今すぐにでも始められますし、これを実行するだけでも例えば人間関係が良好になる。
それって本書を読んで大きく前進したことになるのでは?
まずは「三毒追放」から始めるべし!
【管理人の独り言】
実を言うと、この本で一番ガツーンとやられたフレーズがこちら
「子供の教育はすべて親の責任で育てていき、親が子供を性格づけているのに、子供に対して頭ごなしに怒るのは天につば吐く行為だ」
やっぱりまず「三毒追放」から。
修行じゃ!