今日ご紹介するのはムック本、
勝間さんをはじめChabo!に参加している有名著者の皆さんによるブックガイドです。
これだけのそうそうたるメンバーの「私をつくった名著」とあっては、とても気になる一冊。
そして各人の読書論も見逃せません。
【目次】
プロローグ “学び本”ブームはなぜ起こっているのか
Section 1 勝間和代 「底流型の本」と「適用型の本」との“組み合わせ読書”
Section 2 神田昌典 「運命の本」との「偶然の出会い」を大切にする読書術
Section 3 小宮一慶 ”速読、通読、熟読、重読”読み方は4段階を使い分ける
Section 4 酒井穣 ビジネス書よりビジネスに役立つ人文系の本の読み方
Section 5 高野登 ”リッツ・カールトン流”感性を磨く読書案内
Section 6 竹川美奈子 個人投資家が資産形成のために読むべき本
Section 7 久恒啓一 読後のアウトプットに有効な”図読”のすすめ
Section 8 山口一男 自分の強みや専門性を発見し、究める読書法
Section 9 山田昌弘 幅広い読書で、異分野の事柄を自分の分野に応用しよう
Section 10 和田裕美 顧客の心をつかみ、部下を動かす”勉強読書”
Section 11 小飼弾 カリスマBOOKブロガーの「時速10冊」読書術
プロ書店員さんの目利き座談会 うちの書店のロングセラー、読み続けられる定番はこれだ!
【ポイント&レバレッジメモ】
本書は11人もの著名な作家さんが登場するため内容をまとめるのは無理。
ですので、今回は気になったフレーズの抜粋でご容赦を m(_ _;)m ゴメン!!
★勝間和代
◇明日から楽をしたいとか、人生を変えたいといった即物的な感覚を持っている人には合わないコンテンツが本
◇目利きのポイント
①著者・・「相性が合うかどうか」
②本の構成や文体といった加工・・編集者のスキル
・「漏れがなく」「重なりがない」
・頭の中で階段を踏みながら理解できる構成
・文章の量が最適な量で書かれている
・文章のリズム、語彙のバリエーション、語尾が単調でない
・自分のニーズに合っているか
③プロモーションや装丁・・どういう人に向けたもので、どういうことを伝えたくて売ろうとしているのか、そうしたことをどれくらい丁寧に考えているか
◇「読書のための本」・・「選択のコストを下げる」という意味で非常に価値が大きい
◇手取り収入の1割を本に使う ⇒ 1割ぐらいなら回収が容易だから
◇20代前半におすすめはノウハウ本など「適用型の本」、20代半ば以降になって自己啓発・普遍的真理を扱う「底流型の本」。30代からは「底流型の本」と「適用型の本」を行ったり来たりする習慣が始まる。
○オススメ本の中からご紹介
★神田昌典
◇悩んだ時に救ってくれる本との「偶然の出会い」はきっとある
◇2015年に価値観の大転換が来る ⇒ 経営者(商人)の時代から教師(知識人)の時代へ
◇いまの20代、30代は素直で心優しい ⇒ 洗脳されやすい。歴史的観点から我々の生きている時代を見る姿勢が必要。
○オススメ本の中からご紹介
★小宮慶一
◇ノウハウは知ってしまえばそれまでで、その後の深みはありませんし、お金で買うことができるものです。
◇人間としてのバックボーンが浅い人は話も浅いので、付き合っていても面白くない。
◇ノウハウを知る本も必要ですが、一方で人生を豊かにする本も必要です。これらは車の両輪のようなもので、スムーズに走るためには両方が必要。
○オススメ本の中からご紹介
★酒井穣
◇私にとって良書とは、「質問がいいもの」
◇贅肉が削がれた重要な情報を多く記憶する「引き出しが豊かな人材」は、変化の激しい時代にあってもたくましく生きていけるはず。
◇本にはできるのに、テレビにはできないこと――それは、文字情報に圧縮された情報を解凍するためのすぐれたトレーニングを提供することに他なりません。
◇脳内に情報の圧縮・解凍ソフトウェアを組み込み、それを絶え間なくバージョンアップさせていくという作業が、読書のユニークな本質。
◇私にとって最悪の本とは、新規性(新しさ)も進歩性(言論を前に進める力)もないもののことです。
○オススメ本の中からご紹介

急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)
- 作者:マルコム・グラッドウェル,Malcolm Gladwell
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2007/06/23
- メディア: 文庫
★高野登
◇「遊び心を別の言葉で表現すれば、“奥ゆかしい余裕”ではなかろうか」(大前研一)
◇意識しなくても、にじみ出る余裕 ⇒ 「この人に任せておけば、何でもやってくれそうだ」という安心感になっていく。
◇使えそうな本は2冊かって、1冊は解体して必要な個所だけ切り離して持ち歩き、もう1冊は通して読みたい時のために取っておく。
○オススメ本の中からご紹介
★久恒啓一
◇仕事とは問題解決・・1つの問題を解決するともう少し大きい問題を与えられる。
◇問題解決には現場に対する深い理解と洞察が必要。
◇「事前にたくさんの本を読んでも問題解決できない」「本の内容はすべてが真実ではない」
○オススメ本の中からご紹介
★山口一男
◇「自分は何ができるか」という観点を大事にして本を読むことをモットーとしています。
◇専門性を高めることは、専門倫理を身につけること ⇒ 専門的役割を通じて人と信頼関係を築こうとすること、人の無知に付け込もうとすること、そして専門を生かす上で組織の一員である前に一市民であろうと心がけること
◇「情けは人のためならず」→「専門は自分のためならず」
○オススメ本の中からご紹介
★小飼弾
◇本というのは情報であると同時に、それ自身がメディアプレーヤーそのもの
◇本は誰に向けて書いたかはハッキリしていますけど、誰のために書いたかはハッキリしていない
◇フレームワークはつまらないものをとっとと片づけるときに有効
◇良い本を見分ける基準
・技術書であれば目次 → 目次は写真でいうサムネールに相当
・フィクションはディテール
◇小飼式リーディング
・僕がやっている読書というのは内容を頭にロードするのではなく、インデクシング
・本が自ら「ここを読め」と言ってくる
・専門書は目次を全体像にして、細部をだんだん埋めていくような感じ。
・本を早く読むには好き嫌いせずにたくさん読む、これしかないんです。
○オススメ本の中からご紹介
【感想など】
まだまだ続く読書ブーム。
すっかり本書のような”オススメ本の紹介本”が市民権を得ました。
これもまた”勝間効果”なのでしょう。
さて、これだけの多彩な豪華メンバーがそろうと、それぞれの人生を変えた本、そして読書論も多彩で面白い。『7つの習慣―個人、家庭、社会、人生のすべて 成功には原則があった!』のような定番鉄板本からまんがやSFまで、本当に十人十色です。
そんな中でひときわ異彩を放つのが小飼弾氏。
その読書量、範囲ともズバ抜けており、これはもう真似出来ません。
とくに小飼式リーディング!
”時速10冊”とか”本がここを読めと言う”とか・・・
どうしたらそこまで到達できるのか。(ノ゚ρ゚)ノ ォォォ・・ォ・・ォ・・・・
ご本に曰く「気が付いたらできるようになっていた」とのこと。「術」のレベルに落としこめないので伝授不可能らしいのですが、
「ともかく、本を早く読むには好き嫌いせずにたくさん読む」のが上達への道だそうで、
とてつもなく先の長い道になりそうです。
10年後あなたの本棚に残るビジネス書100ろはまた違った楽しみのある読書本でした。
読書好きにはたまらない一冊であることに間違いなし!
ぜひお読みください。
【関連書籍】