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知らない間に今ローソンが「とにかく面白い」ことになっていた!

おはようございます、一龍です。
僕は普段滅多にコンビニに行かないのですが、先日久しぶりにコンビニに行って驚いたことがありました。
それは買ったおにぎりがすごく美味しかったこと。
とてもシンプルな食べ物なのに、なんかすごく進化しているのを感じました。
で、今回、上坂徹さんの『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』 を読んでみて、納得すると同時にコンビニの食材に対する思い込みが一掃されてしまいました。

いやぁ、すごいです。
今回は本書を読んで「そんなことになっていたのか!」と驚いた点をいくつかピックアップしました。
これを読んだらもうローソンしか行かなくなりそうです。

ローソンの「とにかく面白い」ポイント

★プリミアムロールケーキは一個一個手作り

「ふつう、ロールケーキは中にクリームを入れて生地で巻いて作るわけですが、巻いてから切ったらクリームが飛び出してしまうんです。だから、これも試行錯誤を繰り返しました」
実は『プリミアムロールケーキ』は一個一個、手作りされているのだ。
「コンビニの商品って工業的だと思われている人が多いんですよね。デザートに関しては違うんです。ほとんど手作りです。機械を使っているのは、生地を焼くときくらいで、生地を巻いて、クリームを絞って、というのも人の手で行われています」

僕は甘いもの、特に生クリーム系が苦手なので、このロールケーキを食べることはないですが、クリームにしてもスポンジにしてもすごいこだわりから生まれています。

ましてや、一個一個手作りだったなんて。
驚きです。

★「やめないで」顧客から電話が相次いだ低糖質のパン

「糖質を気にされる方のためのパン、ということで、1年ほどかけて商品を開発しました。ところが、2012年に出したものの、まったく売れなかったんです。<中略>」
コンビニには、毎週火曜日に大量の新商品が投入される。そこから消費者のシビアなチェックを受けて生き残る商品が決まっていくが、残るのは数パーセントとされている。このくらい厳しい世界。売れなければ、お店も置かない。そうなれば、商品は消えていく運命となる。ところが、『ブランパン』については、意外なことが起きた。「お客様から直接、ローソンの本部に問い合わせが入る件数が、なんと一年間で最も多かったんです」

売れなければ商品として生き残ることはできない業界において、少数のお客様の声に応える姿勢。

「たしかに全体として見れば売れていないんですが、一部のお客様が大変喜んでくださっている。あきらめずに続けていかなければいけないと思いました。」

すばらしいです。

★あなたが淹れたコーヒーが一番おいしい、あなたから買いたい

コンビニコーヒーが流行っていますが、ローソンは対面販売なんですね。
ここでも手間暇をかけています。
それがファンタジスタ制度。

「ローソンに行ったら、ぜひ見ていただきたいのですが、普通は茶色のエプロンをしているスタッフの中で、黒いエプロンをかけているスタッフがいます。この人たちがファンタジスタです。」
いってみれば、ローソンが認めたコーヒーのプロフェッショナルだ。すでに全国で6000人規模になる。そして、この人数が加速度的に増えているという。

『MACHI cafe』プロジェクト初期の頃、オーナーさんやスタッフとディスカッションする中で、『MACHI cafe』の茶色のエプロンを全員に着させないでほしい、という意見が出ます。

自分がコーヒーのサーブの責任者として任されたんだ、青い制服を着たたのスタッフとは違う、ということを示してほしいのだ、と
「それが働く原動力になるんだ、とお叱りを受けましてね。そこから、ファンタジスタ制度が生まれました。」

その結果、目指していた光景が、お店で出てくるようになった。

「あなたが淹れたコーヒーが一番おいしいから、って、わざわざ言ってくださるお客さまが現れ始め、どんどん増えていったんです。ローソンでコーヒーを買いたい、じゃない。ローソンのあの人から買いたい。あの人の淹れてくれたコーヒーが飲みたい、と言っていただけるようになった」

何を買うかではなく、誰から買うかの時代に入っている。

★「保存料ゼロ、合成着色料ゼロ」製造工場の挑戦

コンビニ弁当といえば保存料や着色料がたっぷりのイメージでしたが、ローソンではそういったものをゼロにしていこうと努力しています。

ただ、並々ならぬ苦労があったそうです。

「保存料をなくせばいい、というだけの話ではありません。だから、工場にも大きな変化が必要でした。
だから、急にできたわけではなく、半年ほどの準備期間が必要だったんです。手を洗う洗剤も、実はそれぞれで異なるものを使っています。手袋を使うときも、食材ごとに全て切り替えなければいけないルールです。エプロンも替えなければいけません。工場内にはダンボールは持ち込みません。実に細かく、厳しいルールを実践するようになりました」
要するに、工場の中にできるだけ余計なものを持ち込まない、ということだ。外から入ってくることがなければ、その繁殖も防げる。たくさん菌がある環境で作れば、保存料がたくさん必要になる。しかし、もともときれいなものを、きれいな状態にしていれば、減らすことができるわけである。こんなところでも、工場の努力があったのだ。

★こだわりの指定米を精米7日以内に使用。進化した炊飯技術で

お弁当はじめおにぎりなどご飯もののお米にも当然こだわっています。

「(お米は)2003年にできた原材料仕入部が、産地に行って仕入れています。指定3種類。新潟コシヒカリ、おにぎり用の上級米、そしてお弁当、お寿司用の標準米。最高グレードは新潟コシヒカリですが、おにぎりは通常は温めないでそのまま食べますので、艶があって旨みがあるものを選んでいます。エリアによってブレンドが若干、異なりますが、おいしさにこだわった配合です。このあたりは、キビシイ基準を設けています」
「工場でも、精米してから7日以内に使い切るのルールにしています」
「お米は毎日、工場に入荷されてきますので、入った分はその日に使う、を基準にしています」

さらに原材料だけでなく炊飯器具と炊飯自体にも工夫を凝らしています。

「生米の種類は3種類ですが、炊飯米の種類は25くらいあるんですね。白米があったり、味つけるお米があったり、酢飯があったり。それぞれ火力が微妙に違いますが、今は釜単位で管理をして炊き上げています」

★空気を抱かせ、膨らませることで、おいしいおにぎりにする

「まずは、お米がおいしい、ということですね。お米そのものも、炊き方も。それとも1つ、これはご存知の方も多いと思いますが、おにぎりで1番大事なのは、いかにしてお米に空気を抱かせ、膨らませるか、なんです。ぎゅっと押さえつけたら、ダメなんです。そこで、空気が抱かせられるよう、専用のおにぎり成型器を作ってもらいました」
おにぎりのラインは、おおよそ12メートルほどの長さにわたっていた。長方形のシート状になったご飯が流れてくると、その上に具を載せる。これは人の手による。そして、ふんわりと包み込まれ、三角形の型へ誘導されておにぎりになる仕組みだ。
「三角形のおにぎりを作り上げる2度のご飯のプレスは、包み込むようにして軽く当てる。ご飯にやさしい成型機なんです」

なるほど、この機械のおかげでふんわりしたおにぎりが食べられるわけですね。

★おでんの大根は、畑で抜いて1時間以内に工場に運ばれる

 ローソンで販売されているアツアツのおでんの人気メニューである大根は、その大部分がローソンファーム鳥取でつくられている。大山山麓の広大な畑で育った大根は、収穫されると1時間以内に工場に運ばれる。そのまま大きな水槽で洗浄、筒の中を通して直径6センチで揃えられ、3センチにカットされていく。これが、おでんのサイズがきれいに整っている理由だ。そしてこれを調味液とともにパッキングして加熱殺菌する。パックの中で味が染みてやわらかくなり、7割程度の味がつくという。
何よりの特徴は鮮度。年間通して、収穫から1時間いないに工場に運んでいる。朝、畑で抜いた大根が夕方にはおでんになっている。

もうコンビニのおでんは定番商品ですね。
案外というよりはかなり美味しい。

その味を支えている一端が野菜の鮮度だったんだ。
この収穫から加工までのスピードは圧巻です。

★強い野菜だから、丁寧に洗い流しているから、消毒の臭いがしない

 「カット野菜を洗浄することは、国の衛生上のルールになっています。しかし、ローソンの野菜は、元々の野菜の力が強いんです。だから、消毒の濃度を抑えることができる。それでも十分に基準をクリアできます。野菜の力が弱いと、濃度濃くしないといけなくなる。だから、消毒臭くなる」
ローソンが原材料として使用している野菜は、消毒薬の濃度が低いうえに、きれいな大量の水で何度も洗っている。この洗う時間が半端なものではない、と前田氏は語る。
「そのまま食べられるものを目指したからです。だから、消毒の匂いは全く残らない。ぜひともいちど、ローソンのカット野菜の袋を開けて匂いを嗅いでみてください。絶対に消毒の臭いはしません」

僕が一番驚いたのはこの部分かもしれません。
確かにローソンのカット野菜、おいしいです。
消毒臭さがないのはもちろん、さっきカットしたかのようにシャキシャキしています。
土から改良して、強い野菜を育てているからできるんですね。

感想とまとめ

とにかくコンビニの食品のイメージが一新しました。

体に悪そうとか、おいしくないイメージが定着していたのですが、本書を読んで「下手のスーパーのお惣菜よりもずっといいじゃないか」と思ってしまいました。

先日おにぎりを食べて、美味しくて驚いたのですが、食品全般改良されているのですね。

今後、超高齢社会に突入していくにあたって、からだにいいもの、ナチュラルなものという志向は社会のニーズとも合致していると思います。
つい先日、実家に行った時、ちょうど両親がローソンのお惣菜をおかずにご飯を食べているところでした。

安心して食べられる食材と、地域のヘルスケアも担う拠点として今後ますます社会のニーズに応えていってくれることと思います。

もうすでに健康志向、高齢社会、農業などなど、地域になくてはならない存在に成っているんですね。
今後のますますの展開が楽しみです。

◆まとめ

ローソンは「便利」なだけでなく、地域の「社会インフラ」であり、「健康サポート」として高齢社会の地域拠点となっていくだろう

本書はあさ出版様よりご恵贈いただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
Chapter1 「驚きのスイーツ」はいかにして生まれたか?
Chapter2 そもそもコンセプトが違う「MACHIcafe コーヒー」
Chapter3 実は「保存料ゼロ、合成着色料ゼロ」製造工場の挑戦
Chapter4 自社出資の農場から野菜を直送「ローソンファーム」
Chapter5 「健康」に配慮された食品がなにげなく、続々と
Chapter6 「Ponta」データ分析でリアルな消費行動を読み取る
Chapter7 一点集中主義、「これぞローソン」を作りたい
Chapter8 共存共栄を目指す対等なパートナー「FCシステム」
Chapter9 「お客様に来ていただくのではなく、お客様に近づく」
Chapter10 ローソン誕生40周年「180日プロジェクト」
Chapter11 ローソンは、コンビニはどこに向かうのか?
おわりに

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