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堀紘一氏の心を動かす伝え方の極意、7つのポイント

おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。

仕事でもプライベートでもこちらの意図していることを伝得ることってすごく難しいですよね。
伝わらない人には本当に伝わらない。
「なんでわからないの?」とイライラしてしまいがちですが、もしかしたら自分の伝え方に問題があるのかもしれません。

今日ご紹介する『心を動かす話し方』の著者、堀紘一氏は経営者として、また講演者として多くの人に”伝える”ということをしてきた方。

その著者の「伝え方の極意」のポイントを紹介します。

 

堀紘一氏の心を動かす伝え方の極意、7つのポイント

★新しい情報は全体の4割まで

 

「②相手が知らない話 × ③相手が関心のある話」、つまり「相手が知らない新しい情報を伝える」ということをベースに、効果的に話す秘訣は何か。
 シンプルに言おう。
 せっかくの丹精込めたご馳走のような話は、全体の4割までにとどめることである。残りの6割は「①相手が知っている話 × ③相手が関心のある話」をあえて話す。
 意外に思われるかもしれないが、この配分によって相手は「今日はいい話が聞けて良かった」と満足する。
 この「相手が知らない話:相手が知っている話= 4:6」を私は話の黄金比(ゴールデン・レシオ)と呼んでいる。

★話は13分以内にまとめる

 

 私が講演で話すときは、1つの山場が13分以内で終わるように気をつけている。
 1対1でビジネスの話をしたり、大勢を前にプレゼンテーションしたりする時も、同様に”13分ルール”を守っている。
 それはどんなに興味深く、魅惑的な話でも、聞き手の集中力はそれくらいしか続かないからである。13分を大きく超えると面白い話も記憶に残らないし、話が間延びすると逆につまらなく受け止められる。

 
 どんなに面白い話だとしても1つの山場は13分以内に抑えて、だれ場を適宜入れたほうが、効果的に情報が伝わりやすいのである。

★本質には誰もが耳を傾ける

 
『大空のサムライ』 は日本でロングセラーとなり、世界各国で翻訳されている。そのうえ、彼は世界数十カ国で講演している。日本の旧軍人で、これだけ世界中から請われて講演した人物は坂井さんしかいない。
 大将でも中佐でもなく下士官だった坂井さんが、これだけ世界的に評価されるところに日本の組織の矛盾が垣間見える。
 それはなぜか。彼の話は、物事の本質を射抜いているからである。
 本質は本質であるがゆえに国境を越える。人種も性別も言語も問わず、本質を語る者に人は惹きつけられるのだ。
 
 彼は外国語ができないから、講演は通訳を介していた。一般的に通訳を介したスピーチは、本来のテンポが殺がれるために迫力に乏しく、面白みに欠ける。ところが、坂井さんの話は本質を突くから、通訳を介してもなお強い訴求力があったのである。

★「ひと言」にできるまで本質を追求

 自分が本質を理解しているかどうか、セルフチェックする簡単な方法がある。
 仮に上司から「要するに問題の本質は何なの?」と問われたとしよう。その質問にひと言でずばり答えられないようでは、本質を理解しているとは言えない。
 本質論者になるには、枝葉を取り去って物事を見るクセをつける。枝葉とは、物事の本質を覆い隠している邪魔者である。
 枝葉を取り去る作業が自分だけでは難しいとしたら、同じよようなテーマに興味を持っている人たちと議論するといい。3人寄れば文殊の知恵だ。
 はじめはピントの合わない議論になるかもしれないが、それはそれでOK。次に集まったとき、前回の議論の反省点を持ち寄り、修正してブラッシュアップすればいい。
 本質を一発で捉えるのは難しい。試行錯誤しながら近づくしかない。
 本質に限らず、日本人は何事もすぐに正解を得ようとする悪いクセがある。思い当たるなら即刻直してもらいたい。

★1つのテーマを3つの視点で言い換える

 
 本質に焦点を合わせて理解しようと心がければ、3つくらいの視点で捉えて言い換えられるようになる。
 その訓練として、1つのテーマを最低3つの視点で捉えて言い換えられるまで、徹底的に考えてみることだ。
 こうすることによって物事を複眼的、俯瞰的に捉えるクセがついて、物事の理解力が高まる。
 物事の捉え方は本人が知らないうちに固定化しており、それが見識を狭める大きな障害になるので要注意だ。

★「結晶化」するまで考えて1行にまとめる

 3つの視点で物事を捉えて言い換えたら、次にそれぞれをできるだけ端的に短くまとめる作業に入っていく。それが本質に近づく道である。
 長々と話すのに意味不明の人は、本質の理解が根本的に足りない。
 私はよく「とどのつまり、何が言いたいの?1行で言ってごらん」と尋ねる。相手が「1行で?」と怯んだら、「しょうがない。オマケして2行にしてあげるよ」と畳み掛ける。表面上は複雑に思える事柄でも、本質は2行もあれば語れるものだ。

★むずかしいことをやさしく

 作家の井上ひさしさん(1934〜2010年)には、次のような名言がある。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことをいっそうゆかいに」
(劇団「こまつ座」公演雑誌「the 座」より)
 私が特に深く共鳴するのは「むずかしいことをやさしく」という部分である。
 難しいことをそのまま難しくを語るのは容易だ。しかし、難しい言葉は定義が厳密だから、その定義を知っている者同士なら円滑に伝わるが、定義を知らない多くの人には伝わらない。
 やさしい言葉は理解されやすい半面、定義が曖昧でいろいろな意味を含んでいる。だから、文脈の中に上手く収めてあげないと、誤解されてしまう。難しい話をわかりやすくしゃべることほど、難しい作業はないのである。

感想

今回は本書の前半部分からポイントをピックあップしました。

5000回以上の講演経験がある方ですので、本書前半部分は講演やプレゼンテーションなど大勢の前でお話する場合に有効な方法のポイントが中心となっています。

ですが、例えば「本質を追求する」というのは、ビジネスシーンでも応用可能。
というか、この伝えたいことの「本質を追求する」ことこそ、「伝え方の極意」。

たとえば、ビジネス書ではホウレンソウのスキルとして「結論から先に言う」というのが定番ですよね。
これも「本質を追求する」ということにつながっているスキルだといえるでしょう。

あなたの周りの「何が言いたいのか分からない」人を思い浮かべてください。
多分その人は結論を最後に言っていませんか。
その人の頭のなかでは多分時系列で事実を報告しているのだと思います。
しかしこれだと報告を受ける側は肝心なポイントがよくわからないうえに、長く時間を取られるという2重苦。
かなりイライラするとこは必定でしょう。
しかも僕の経験上、たいていこういう人って話すペースが遅くて余計イライラします。

もし、自分自身に心当たりがあるなら、今すぐ本書を読んで改善することをオススメします。

また、本書後半ではシーン別の効果的な伝え方が記載されていて、この部分はビジネスシーンに特化した伝え方のコツが紹介されています。

先程のホウレンソウに関することももちろん登場しますが、「会議は6人までが理想」など面白い著者の知見も見られ、特に管理職の方が参考になる内容となっています。

どうも自分の言うことが伝わりにくいと感じる方。
部下に伝わらない、あるいは部下の伝え方を指導したいという管理職の方。
そして講師業など人前で話すことの多い方はぜひ読んでいただきたい本となっています。

本書はSBクリエイティブ様より献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

第1章 話の中身を決める4要素
第2章 話し上手は聞き上手
第3章 話し上手は”本質論者”
第4章 シーン別の効果的な伝え方
第5章 日本人と外国人を惹きつける話し方の違い
第6章 「話が上手い」と感心される人

関連書籍

堀紘一氏の既刊本。

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