
おはようございます、なおさん(@ichiryuu)です。
昨年末の発売から、700ページ超え、約6000円の高価格にもかかわらずベストセラーとなって話題になっている『21世紀の資本』。
経済本としては異例の売れ行きで、「読んでおかないとまずいぞ」的な雰囲気が漂っていますが、この本、かなりハードルの高い本ですよね。
白状すると、私も書店で手に取りましたが、「これは無理!」と即断して棚に返しました。
そんな私と同類の人のために『【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!』 から、ピケティの主張の結論をかんたんにお教えします。
これを読んでおけば知ったかぶりできますよ。
これだけ知ってれば大丈夫、『21世紀の資本』ポイント
★結論は r>g ゆえに格差は拡大し続ける
資本収益率 r はつねにGDP成長率 g に勝るため、放っておけば格差は拡大し続ける
いきなりですが、これがピケティの結論です。
ではあの700ページにもなる大著にはなにが書かれているのでしょう。
r > g の不等式が
歴史的推移(事実)として、つねに資本収益率はGDP成長率より高かった
だから、その傾向は、きっと、これからも続くだろう、と予測しているだけ
で、その1点を言いたいがために膨大なデータを積み上げたためあの大著になっているのです。
★なぜ、r > g が格差拡大なのか
結論を先に知ったうえで、ではなぜ r > g が格差拡大を示すことになるのかを確認しましょう。
まず確認ですが
資本収益率 r とは、資本から得た所得の比率、つまり所有している資本から、どれだけの所得を得たか
ということです。
それに対して
GDP成長率 g とは、言い換えれば所得成長率、つまり前国民の所得が前年からどれくらい増えているか
を表しています。
本当は r にも g にも、更に詳しく見ていかないといけないのですが、とにかくピケティは
g を労働所得の伸び率、資本収益率 r を資本所得の伸び率とみなして
いて、r > g が常に成立するということは
資本収益率 r のほうがGDP成長率 g より大きくなるほど、トップ層はより豊かになり、ボトム層はより貧しくなる
という図式が成立して、格差拡大となるということです。
★ピケティにとって格差を是正する「最善の解決策」とは?
さて、膨大なデータを積み上げてピケティは格差拡大が歴史的事実であることを証明しようとしているのですが、その解決策も歴史的データを基に提案しています。
それは
累進性の強い税率こそが格差縮小の鍵であるとする。そのために国際協調のもと、すべての国で課税強化作を採用するべきだと言っている
のです。
ただし、これはピケティの
より多く稼ぐものと、より多く資産を持つ(相続する)者から、より多くの税をとり、社会に再分配すべきだ、という理想像
が感じられます。
まとめと感想
大著すぎて避けてしまった『21世紀の資本』ですが、今日ご紹介した『【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!』でまとめてくれている結論を読めば、ピケティの主張の核心部分は理解できると思います。
どうぞ知ったかぶりして下さい。
ただ、せっかくピケティの主張の結論を知ったので、結論を知ることだけで終わってほしくないと思います。
ピケティは「格差が広がる」という事実を知ったうえでどうしてほしいと考えているのか?
本書最後に一般向けの講義の中でピケティが話した言葉が登場します。
「経済のことはよくわからないと言って済ましてい舞うのは安易すぎる。他人任せにしてはいけない」
私は格差はあるのが当然だと思っています。
人間には能力や才能に差がありますから。
しかし、歴史を見ると、格差が極限まで広がった時に国が滅びるという一つのパターンがあります。
「経済を他人任せにしてはいけない」
現代を生きる国民として、この言葉をしっかり胸に刻みたいですね。
本書はあさ出版様から献本していただきました。
ありがとうございました。
目次
まえがき
Part1 21枚の図で『21世紀の資本』を読んでみよう!
Part2 結局のところ、ピケティは何を言いたいのか?
Part3 『21世紀の資本』その先の可能性 ピケティからの「返答集」(日本語未翻訳論文)要約
関連書籍
まずは本家本元のこちらの本
700ページ超え、約6000円の大著ですが、kindleなら4000円ちょっとで買えてお得です。
そてし解説書の数々