世界の博物館、第29号はカラチ国立博物館です。
パキスタン南部に位置するこの博物館には、四大河文明のひとつインダス文明からはじまり、ガンダーラ美術、イスラム芸術に至る至宝の数々が納められています。
【今号の一押し】
インダス文明の遺物と言えば、教科書に必ずこの像が登場するので、見たことがある人も多いはず。
インダス文明の代表的遺跡、モヘンジョ=ダロで1926年に発掘されたのがこの像。
美術的完成度の高さや、衣服の文様から高い身分の人物と考えられているが本当に「神官王」なのかどうかはわからない。
というのも、インダス文明は他の大河文明とはちがって、一種独特。
例えば、強大な権力を思った王が存在したはずなのに、王宮も王墓もありません。
また、インダス文字はいまだ未解読。
従って、遺跡と遺物から推測するしか当時を知る方法はないのです。
ですから、この石像も、本当は誰なのか想像の域を超えることはできないのです。
ちなみに、この石像の後頭部を本書ではじめてみました。
平らになっていて、どうやら権威を表すかぶり物を乗せていたらしいです。
さて、本書で初めて見たものをもうひとつご紹介。
すごいふくよかなバストとキュッと締まったウェスト。
セクシーなスタイルなのですが、顔の造形が非常に面白い!
インダス文明成立直前の非常に古い時代の遺物です。
時代で言うと、日本では縄文時代にあたりますが、縄文の土偶とはやはりちがいますね。
次号は京都国立博物館です。