世界の博物館、第13号は奈良国立博物館です。
日本人だからこそ、知っておくべきこと。
今号にはそれが詰まってます。
【今号の一押し】
普段は意識することがないのですが、日本は世界有数の仏教国です。
今号では、外来宗教である仏教が、日本の仏教様式の確立に至る仏像の変遷を見ることができます。
特にならという地域の特色で、飛鳥から平安へという我が国初期の仏教芸術が充実。
この時期の仏像は非常に優雅。
また、寄木造の解説もあります。
そして、鎌倉時代以後は武士の時代。
時代を反映して仏像も荒々しく力強いものが登場します。
仏像の手の印の意味も解説してくれています。
巻末には仏像の歴史も完結にまとめられていて、大人のたしなみとしてここは知っておきたいところですね。
さて、こうして毎週世界各国の博物館に収蔵されている美術品や工芸品をこのシリーズでは楽しむことができるのですが、今号を見て改めて思ったことがあります。
それは、日本の工芸技術の高さです。
エジプトやギリシアの芸術品に決して劣らない高い技術と表現力。
残念なのは我々日本人自身が自国の文化や歴史を知らないこと。
これほど素晴らしい至宝が身近にあるのに、なんともったいないことか。
自国の文化や歴史を知り、誇りを持つことがグローバル化の時代に必要なことだと思うのですがね。
次号はメトロポリタン美術館です。