こんにちは、一龍(@ichiryuu)です。
今日ご紹介するのは前野隆司さんの『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』
そもそも子供には幸せな人生を送ってもらいたいと親は願っているものですが、一体何をどうすれば幸せな人生を送ることができるのか? どんなふうに育てればいいのか? 何を教えればいいのか?
この点は漠然としていますよね。
本書では「幸福学」の観点から幸せに影響する「4つの心的因子」を導き出し、子育てのヒントとしてくれています。
では早速、幸せの「4つの因子」を読書メモとしてシェア!
『「幸福学」が明らかにした幸せな人生を送る子どもの育て方』読書メモ
★「幸せの4つの因子」
・第1因子:「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
夢や目標を持ち、それを実現させるための学習・成長意欲が高いこと。強みがあること。・第2因子:「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
他者を喜ばせたり、支援したりしていること。家族や友人たちなど人とのつながりや感謝を感じること。・第3因子:「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
物事に対して、つねに楽観的でいること。自己肯定感が高く、気持ちの切り替えが早いこと。・第4因子:「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)
周りや他人と自分を比べず、自分らしく、あるがままでいること。
★子育て中の「幸せの4つの因子」
幸せの4つの因子を、子育て中の親御さんにあてはめてみると、次のようになります。
〈子どもも親も、より幸せになる4つの因子〉
第1因子:子育ても自分の夢も大事! とにかく「やってみよう!」第2因子:あなた(子どもや親)がいてくれて、「ありがとう!」
第3因子:想いどおりでなくても、「なんとかなる!」から大丈夫!
第4因子:「ありのままに!」やったんだから、失敗してもOK!
★「幸せな子育て」に不可欠な「家族の対話」を中心とした行動原則
・夫婦で共通の、子育てのビジョンを持つ
・ポジティブな受け取り方をする
・夫婦間、家族間での対話を心がける
・怒りの感情をうまくコントロールする
★行動原則1 子育てのビジョンを持つ
現代において重要なのは、夫婦がビジョンを持つための対話を重ねることだと思います。
家庭教育の重要性を認識し、どのように子どもを育てたいのか、そのためには何が必要なのかを夫婦で話し合い、明確なビジョンとして共通認識を持つことが、最も大切なことだと思います。
★行動原則2 ポジティブな受け取り方をする
人と自分(や子ども)を比べないほうが長続きする幸せが得られます。
★行動原則3 家族との「対話」の時間を持つ→対話が自己受容、自己肯定感につながる
誰かに話すと、多様な人達が多様な経験を通して、たくさんのアドバイスをくれます。その結果、新しいアイデアが見つかるのです。
それは、同時に、自分を受け入れ(自己受容)、自己肯定感を取り戻すことにつながります。なぜなら、問題を自分が解決したことは、同時に、新たな自分の強みに気づくことです。
自分の強みに気づけば、自分を前よりも好きになれますよね。まさに自己受容です。
私たちの生きるこの社会は、「自分」と「自分以外の他者」で構成されています。だから、幸せの要因は、自分を好きになることと、相手を好きになること。この2つだけです。
★行動原則4 怒りをコントロールする
子育てにおいての「怒り」の感情は、命やケガなどの危険がある時以外は、できるだけ使わない方がお互いにとっていいと思いませんか。子どもの行動を受けて、反射的に「怒り」の感情に変換してしまうのではなく、まずは一呼吸置いてから「面白がる」という練習をしてみましょう。
感想など
◆「幸せの4つの因子」で子供との接し方が見える
今現在子育て真っ最中の親御さんたちへ、子育て楽しんでいらっしゃるでしょうか?
僕は2人の子どもたちがそれぞれ巣立っていきましたので、まだスネをかじられていますがほぼ子育て終了してしまいました。
肩の荷が下りてホッとはしていますが、今振り返ってみると後悔すること多数。
ああしておけばよかったとか、あれを教えておけばよかったとか。
特に生き方というか、人生に対する姿勢みたいなものを教えておきたかった。
結局親が子供に教えることでいちばん重要なのは、「こんなふうに考えて生きると人生楽しいよ」ということだと思うんですね。
でも、それって漠然としていて、結局「人生を楽しんでいる親の背中を見せること」だと僕は思っていました。
今回本書を読んでまず思ったのは、そのモヤッとしたところがはっきり定義されているのがすごい! ということ。
幸せの感じ方って、人それぞれだと思っていたけど、「4つの因子」を知ったら、「そうそうそうだよね、幸せってそういうことだよね」とすごく納得。
で、それを体感できるトレーニングを子供にしてあげられるのが結局子供の人生で一番の教育なのかと。
しかもこの「4つの因子」がそのまま教育方針になると気が付きました。
トレーニングも何もなく、人は子供ができていきなり親になって戸惑います。
思い返せば僕もそうでしたが、本書のように「幸せの定義」をしてくれていたら迷わずにすみますね。
◆Q&Aが超お役立ち
さて、本書前半では先述したように「幸せの4つの因子」に基づいた、子育ての基本姿勢を説いていますが、いよいよ第3章から実践例集となります。
第3章 悩みが消えて心がラクになるQ&A「幸福学」的に幸せな子育て
と題して様々な子育ての悩みと、それに対する解決方法が紹介されているのですが、これがもう秀逸すぎてすごい。
子育てが終わった僕にとっては、どのお悩みも、「あるある」なんですね。
例えば、
「娘が学校に行きたがらない」とか「反抗期・思春期の子供との向き合い方がわからない」とか、僕はなんか懐かしいなぁと思いつつ読みましたが、今現在子育て進行中の方には切実なお悩みですよね。
しかも、そういったお悩みに先述の「幸せの4因子」を元にした解決方法やワークを提示してくれているのですごくありがたい。
ちなみにこの第3章は98ページから213ページまでページが割かれていまして、ボリューム的にも本書のメインコンテンツと言っていい力の入れようです。
しかもクエッションは子育て中に親が必ず直面するある意味鉄板テーマばかりですので、絶対に役立つ内容となっています。
これを読めただけでも、もとが取れることうけあいですよ。
◆家族で、そして一人でもとり組めるワーク多数
さらに
第4章 幸せな子育て期を過ごすためのトレーニング&ワーク では、
「家族の絆が深まるワーク」など親子やパートナー、家族全員など複数でとり組めるワークが紹介されています。
例えば「フューチャーコラージュ(未来を描く)ワーク」は、画用紙になりたい姿や気になる写真や切り抜きを貼って潜在的な夢や目標を見える化するワークが紹介されていますが、これ親子ですると楽しそうですよね。
ぜひ親子で実行してみてほしいのですが、この章では1人でできるワークも多数紹介されています。
子育てに関係ない人も、ぜひこの章で紹介されいるワークをやってみてください。
例えば
「毎晩、寝る前に、今日あった良いことを3つ言う」とか「 I can / I like / I have / I am」ワークなど、詳しいやり方は本書で確認していただきたいのですが、今現在何かに悩んでいる人とか、自分に自信がない人にとって、自己受容とか自己肯定につながるワークが多数紹介されています。
本書のメインターゲットはもちろん子育て中の親御さんですが、子育てに関係のない方にも是非参考にしてほしいワークが多数紹介されているので、是非参考にしてほしい一冊です。
最後に「幸せな子育てのための10の心得」をご紹介しておきます。
1 思いきり感動する
2 思いきり起こる/演技で起こる/じわじわ怒る(メタ認知しながら)
3 共感する
4 とことん遊ぶ/一緒にサボる
5 傾聴する
6 エンカレッジする
7 思いきりほめる
8 笑いとばす
9 思いきり泣く
10 やりすごす/手放す
とにかく、子育ては大変なことがたくさんありますが、かけがえのない経験でもあります。
僕はもう子育てが終わってしまってちょっとさみしいんですよね。
ぜひ楽しんでください。
本書はDiscover21社様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
第1章 幸福学が明らかにした「幸せの4つの因子」
第2章 「幸せの4つの因子」を高める4つの行動原則
第3章 悩みが消えて心がラクになる Q&A「幸福学」的に幸せな子育て
第4章 幸せな子育て期を過ごすためのトレーニング&ワーク
第5章 幸福学×「システム×デザイン思考」で、子どもと一緒に「今」と「未来」を描く
おわりに 子育てはあふれる幸せのはじまり
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