おはようございます、一龍です。
突然ですが、あなたの声はよく通る、伝わりやすい声でしょうか?
普段私たちはあまり気を使っていませんが、実は声の質次第でビジネスの結果は大きく変わってきます。
今日は『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』 の第1章 仕事で使える声を手に入れる「1分間声トレ」から、ビジネスシーンで武器となる「声」のトレーニング方法を紹介します。
仕事で使える声を手に入れる「1分間声トレ」のポイント
★最も簡単な腹式呼吸のトレーニング
1. 手のひらを口元に持ってくる。
2. 寒さでかじかんだ手を温めるイメージで、「はぁー」と5秒間、息を吐く。たったこれだけ。2回やれば十分です。
この方法で息を吐くと、必ず腹式呼吸ができているはずです。
片手をそのままに、もう片方の手をお腹の上に置いてやってみると、息を吐いたときにお腹が少しだけへこんでいるのがわかるはずです。ポイントは息を吸うことではなく、吐くことを意識すること。
★声を出しやすくする簡単ストレッチ
朝から声帯の筋肉をきちんと動かすための簡単なトレーニングを行いましょう。
題して「消防車サイレン」です。
低い「うー」から始まって、高い「うー」になり、最後にまた低い「うー」に戻ってくるパターンです。1. 消防車のサイレンの音のように「う」を「あ」に置き換えて、
2. 「あーーーーーーーーーーー」。(低い声から始めて高い声まで5秒)
3. 「あーーーーーーーーーーー」。(高い声から始めて低い声に戻すまで5秒)2と3合わせて約10秒頑張りましょう。5秒で折り返しですね。
これを3回繰り返してください。
★1日中、いい声が出るための「声帯筋トレ」
幅広い音域の声を自由にコントロールできるようになるためのストレッチが、次の方法です。
1. 高い音の「ア」と低い音の「あ」の間を、ぐるぐると円を描きながら行き来するようなイメージを持つ。
2. 「アーーーあーーーアーーーあーーーアーーーあーーーアーーーあーーーアーーーあーーー」と5秒で息を出しきる。先ほど紹介した「消防車サイレン」を短く、サイクルを早くして少なくとも2回やります。
★口を正しく開けるようになるトレーニング
では、よく通る声になるための母音のトレーニングをしましょう。
「あ・い・う・え・お」ではなく、口の開きが近い順に「い・え・あ・お・う」と3秒かけて声に出し、5セットやります。1. 鏡を見ながら、まずニコッと笑う。
2. その顔のまま、歯と歯の間を軽く開けて「い」。
3. そこから少し縦に開き「え」。
4. 大きく縦に開き「あ」。
5. 今度はすぼめ気味にして「お」。
6. しっかりすぼめて「う」。ニコッと笑うのは、口角が上がり、声が少し高くなる効果があるからです。
トレーニングをする際は、鏡を見ながら、自分の口の開き具合をチェックしてみてください。
★舌の動きがなめらかになるストレッチ
その前にまず、普通の状態で「らりるれろ」と言ってみてください。
言いにくいですよね。ラ行は口や舌を細かく動かす音で、さらに連続で発声するとなると難しさが倍増するからです。
ではトレーニングです。1.「あっかんべぇ~~~~~~」と思いっきり舌を出し、下方向に2秒かけて伸ばす。(5回繰り返す)
たったこれだけです。
そしてまた先ほどのように「らりるれろ」と言ってみてください。
いかがですか?
さっきよりも簡単に、そしてはっきりと発声できたのではないでしょうか。
舌を伸ばすことで、舌や口の周りがストレッチされたからです。
★「酔っ払いカエル」でダントツの美滑舌になる
舌の動きを鍛えて、美しい滑舌を手に入れるトレーニング方法がこちらです。先ほどの「あっかんべぇ〜〜」のストレッチを十分にしてから、次の文を読んでください。
1. カエルの鳴き声をまねて、次の文を2秒かけて5回繰り返す。
2. 「ケロケロケロケロ、ケロケロカエル」。ラ行を発音するとき、口のなかで舌先は前の方にあります。
反対にカ行を発音するとき、舌は奥の方へ引っ込みます。
ラ行とカ行を交互に発音するこの文章は、舌を前後に忙しく動かさなければならないので、とても難しいのです。
難しいだけに、読みこなせるようになれば、ダントツの美滑舌を手に入れられますよ。
★鼻づまり声の人は、口から思いっきり息を吐く
鼻にかからない声を出すためのポイントは、口からたくさん息を吐くこと。
人にもよりますが、いつもより強く、瞬発力をつけた息を出すと声がクリアになります。1. まず鼻をつまむ。
2. そして腹式呼吸を意識して、口から思いっきり息を吐きなから、「あいうえお」と声に出す。
3. 鼻から指を外し、その発声方法のまま「こんにちは」と言う。何回かやるうちに、鼻にかからない発声方法をつかめるはずです。
いかがですか? この一連の流れを5秒でやります。
自分でもわかるほど、通りやすい、いい声が出たのではないでしょうか。
感想など
以上、「1分間声トレ」の中から7種類のトレーニング方法を紹介しました。
本書冒頭で書かれいる
「声」は最強のビジネススキル
というのは、おおげさではなく本当だと思います。
これは「話し方」も含めてのことですが、声というのは言葉以上に、たとえば感情など、多くのものを伝えるものです。
逆に言えば、同じ内容の話でも声によっては伝わらないということ。
また、ビジネスに適した声というのも確実に存在していると思います。
一般的に男性の場合、低い声のほうがモテると言われています。
実際、声優さんのような低音の声の方は渋いですよね。
しかし、低い声というのは聞き取りにくいことが多く、的確に相手に意図を伝えなければならないというビジネスシーンにおいては、役割を果たさない、向いていないこともあります。
よく通り、伝えたい事がちゃんと伝わる声
というのがビジネスにおいて武器になる声と言えるでしょう。
ですが我々は、プレゼンの方法やセールストークの内容といったテクニックには気を使いますが、声には無頓着なもの。
当ブログでも仕事のためのボイストレーニングに関する本を紹介することはほとんどありません。
ということは意識する人が少ないわけですから、トレーニングをすれば一歩抜きん出ることができるチャンスということです。
上記のトレーニング方法は本書で紹介されているもののほんの一部ですが、たとえば一番最初の腹式呼吸の練習だけでもかなり効果があるのではないかと思います。
体の構造上の原因なのでしょうが、ほとんどの女性が胸式呼吸になっていて、お腹から声を出せている方をお見かけすることがほんとうに少ないです。
しかしそれでも女性の場合は地声が高いので、まだ男性よりも通ります。
問題は胸式呼吸の男性で、なんというか”空気で喋っている”ような、喉だけで声を出している方は、何を言っているか聞き取りにくい。
実は講演慣れしている高名な方でも、こういう方はいらっしゃいます。
とても残念ですよね。
もしあなたが、「今日はたくさん喋ったな」という日に声がかれた、のどが痛いといったけいけんがあるならそれは胸式呼吸で喋っていると思ったほうがいいです。
お腹から声を出していると、そう簡単に声がかれたり喉が痛くなったりしませんから。
ちょっとしたトレーニングで声に磨きをかけることで、伝わる力がアップするのですから、本書に紹介されているトレーニング方法をぜひ実行して、「通る声」を手に入れましょう。
本書はダイヤモンド社様から献本していただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
序章 「声」は最強のビジネススキル
第1章 仕事で使える声を手に入れる「1分間声トレ」
第2章 ビジネスの現場で役立つ「言葉」と「話し方」
第3章 シチュエーションごとに、声を使い分ける
終章 「声」というスキルで人生が変わる
おわりに
関連書籍
同著者のこちらの本も合わせてどうぞ