おはようございます、一龍です。
当ブログの読者の皆様にはおそらく手帳術好きの方が多いと思いますが、今日ご紹介するのは子どものための手帳術。
『勉強しない子には「1冊の手帳」を与えよう!』 で紹介されている「子ども手帳」のメソッドは、シンプルな方法ですが子どものやる気を引き出し、自立心を養うかなりのスゴワザ、優れた手帳術だと思います。
今回は「子ども手帳」のつくり方と使い方の骨子となる部分をご紹介します。
「子ども手帳」のつくり方・使い方のポイント
★ステップ1 お子さんと文房具屋さんへ行き、お気に入りの手帳を買ってくる
まず手帳選びですが、ここでのポイントは
「子どものお気に入り」
ということです。
自分が気に入った手帳と、親が買ってきた特に気に入ったものでもない手帳を比べると、お気に入りの方を継続して使いたいと思うでしょう。
手帳術の好きな親御さん(僕なんかが特にそう)はあれこれ口を出したいところですが、ぐっと我慢して子どもに好きな手帳を選ばせましょう。
★ステップ2 これから1週間分の予定を自分で書かせる
手帳が決まったら次は使い方です。
まず、
毎日やるべきことを(たとえば、プリント学習や宿題などのルーティンワーク)を最低1週間分、自分で記入させます。
ここでのポイントは
自分で記入させること
です。
手帳は自立を促すためのツールですから、親がいちいち書いてあげたのでは、いつまでたっても自立しません。
ここでも親はぐっと我慢です。
★ステップ3 日々終わった事柄は赤で消す(やれなかったことは消さない)
さて、やるべきことの記入が終わったら、次は
やるべきことが1つ終わったら、赤ペンで横棒を引いて消していきます。この消し込み作業は非常に重要です。黒ペンで横棒を引いたり、チェックリストのようにチェックするだけという方法もありますが、赤ペンで消す方が効果があるようです。
この”赤ペンで消す”というのは手帳術の好きな方にはピンときますよね。
「夢リスト」とか「やりたいことリスト」でよく使われる手法です。
著者によると、この手帳術を継続できて、子どものやる気が生じた割合が大きかったのが「赤ペンでの消し込み」だったそうですが、それも納得できます。
なぜか赤ペンで、それも太めのものでザッと消すと達成感がありますから。
ただし、もちろん、赤ペンではなく、黒ペンや蛍光ペン、またはシールを貼りたいとお子さんが言った場合はお子さんの要望を優先してください。
また、その日にTo Do が残った場合は
できなかった項目は消し込みをせず、その週内でやり切ることに
してください。
そのためにあらかじめ土曜や日曜にバッファ日を設けることもポイントです。
★ステップ4 毎週末、消し込んだ分だけポイント精算する
さて、本書で一番ユニークだったのがポイント制でした。
日々やるべきこと(ルーティンワーク)は、原則1つにつき1ポイントとして精算します。
そしてポイント精算のコツは、
日曜日に親と一緒にやる
ということ。
1週間分の消し込んだ項目(やった項目)をポイントとして精算し、これまでの分を合わせて合算していく
そうすると、ポイントが増えていきますから、子どもは自分がやった事柄がきちんと評価され、それがどんどん貯まっていくという感覚が出てきます。「努力が形になる」ということが体感できるわけです。
達成感を味わうということでもポイント制は効果があります。
しかし本書ではさらに効果を高めるためのオプションがいくつか紹介されていますので一つ紹介しましょう。
★効果を高めるためのオプション ポイントを交換する
それは貯まったポイントを何かと交換するというもの。
例としては
図書券、貯金(将来のための貯蓄)、慈善団体への寄付
などが挙げられていますが、やはりよくある「交換パターン」はおこづかいだそうです。
毎月定額のおこづかいをあげるのではなく、努力に応じておこづかいをあげるというようにルール化するとモチベーションもあがりそうですね。
また、ポイントは勉強だけに設定するのではなく、お手伝いや家族の約束事(あいさつをする、朝ごはんを食べるなど)で設定すると、習慣化され人格形成に役立ちます。
感想
本書で紹介されている「子ども手帳」の骨子の部分は上記のとおりですが、詳細なテクニックや実際の例が本書に掲載されているので、是非実行の際には本書に直接あたってみてください。
上記ポイントを挙げたとおり、本当にシンプルな手帳術です。
ですが、この手帳術で子供が身につけることができるものは非常に大きいと思います。
勉強だけでなく、道徳観や倫理観の形成、さらには生活習慣の健全化にも役立ちます。
本書ではこのメソッドのメリットに
1 プラスの心がつくられる
2 学力が向上する
3 道徳、倫理、秩序が身につく
といったことを挙げています。
工夫次第で子育てて必要な”しつけ”の部分を、この手帳術でかなりカバーできそうです。
そういえば最近は中学校や高校で学習の記録を記載するノートを取り入れている学校もあります(うちの子供達もそうでした)。
大人の手帳術と同じで、うまく使いこなせば、計画して勉強することができる上に、自分の努力を振り返ることができ、非常に有益なツールとなります。
それを本書のように小学生から習慣できればかなり効果的なのではないでしょうか。
また、本書では子供の自主性の育成に目が行きますが、この手帳術には親子の時間の共有と相互理解という非常に大切な要因が含まれているように思います。
仕事を抱えている親にとって、普段子供が何をどれくらいしているかというのは見えにくいもの。
その伝達機関としてこの手帳術は効果的なのではないでしょうか。
まさに”親子の連絡帳”という感じですね。
各家庭にあったアレンジをして、親子でともに達成感を味わいつつ成長する方法としてぜひ役立てて欲しいです。
本書はDiscover21社様から献本していただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
第1章 アイデアいっぱい!効果バツグン!「子ども手帳」はこう使おう!
第2章 「子ども手帳」をつくろう!
第3章 「子ども手帳」こういうときはどうする?
おわりに 子どもには「最強マインド=絶対積極」を!
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